95 / 119
76話
しおりを挟む
76話
なりゆきで暫く撫で続けていたが、
ノアの吐息が怪しくなってきた所で撫でるのを辞めておいた。
目も大分とろんとしてきていて、妖しげな雰囲気が強くなってきている。
ちょっとノアには刺激が強かったのだろうか?
距離を取ろうとした俺の耳元で囁く様に
「・・・今度は二人だけの時にもっとシテ?」
と蠱惑的に囁かれ一瞬だけ俺に微笑むとノアはまた闇に溶ける様に消えていった。
「どうじゃ凄いじゃろ?」
まだ撫でて欲しいのか永久はナデナデをねだる様に俺にすり寄ってくる。
「ああ、凄い凄い」と適当に流しながら仕方ないので撫でてやった。
・・・ノアも慣れるとこうなるのか?
全く想像が出来ないんだが。
永久にはもう一人の四天王はどこにいるか聞いてみた。
「あやつはのぅ~・・・うーむ・・・」
何やら問題があるのか悩んでいるようだったが、
俺をジッと見つめて、
「どうなってもお主が責任を持つならあ奴を呼んでもよいぞ?」と露骨に脅してきた。
龍子を呼ぶと一体何が起こるんだ!?
魔王である永久が躊躇する奴なんて、興味が無い訳がない。
俺は早速竜子を呼んでもう事にした。
すると、永久は何かを念じるように目を閉じ、沈黙した。
暫く様子を窺っていると、
「ーーー来る!」
と言いながら永久が身構えた。
俺も何か強大な何かが驚異的な速さで近付いて来るのが分かった。
その何かはその驚異的な速さのまま俺の部屋の壁に激突すると、風通しのいい穴が出来上がってしまった。
俺がいるこの建物だけはリリスが全力で頑丈に作っている筈なんだがな・・・?
それを破壊するとは純粋な力なら永久より強いんじゃないのか?
そう思いながら来訪者を観察していたが、粉塵が無くなってもなお足が相当痛そうにうずくまっている。
透き通る様な白い皮膚から白い尖ったものが飛び出してるし、足の骨ヤバい感じに折れてないか・・・?
少し心配になって永久をチラ見すると、
「何をやっておるんじゃ、あの馬鹿者は・・・」
と呆れながら溜め息を吐きつつ回復魔法を来訪者にかけてあげている。
「すまない魔王・・・」
「ほれ!これで大丈夫じゃ!お主の自己紹介を私のだ、旦那しゃ・・さまにするんじゃ!」
・・・なんでそんなに緊張しているんだ永久は。
「・・・旦那?あの堅物で男に全く興味も無く色気も微塵も無かった魔王様が!?」
結構ショックを受けている永久がゆっくり俺に視線を投げかけてきた。
「そんなこと無いじゃろ?」とでも訴えかけてくる涙目で見られたら、俺は無言で頷くしかないだろ・・・。
なりゆきで暫く撫で続けていたが、
ノアの吐息が怪しくなってきた所で撫でるのを辞めておいた。
目も大分とろんとしてきていて、妖しげな雰囲気が強くなってきている。
ちょっとノアには刺激が強かったのだろうか?
距離を取ろうとした俺の耳元で囁く様に
「・・・今度は二人だけの時にもっとシテ?」
と蠱惑的に囁かれ一瞬だけ俺に微笑むとノアはまた闇に溶ける様に消えていった。
「どうじゃ凄いじゃろ?」
まだ撫でて欲しいのか永久はナデナデをねだる様に俺にすり寄ってくる。
「ああ、凄い凄い」と適当に流しながら仕方ないので撫でてやった。
・・・ノアも慣れるとこうなるのか?
全く想像が出来ないんだが。
永久にはもう一人の四天王はどこにいるか聞いてみた。
「あやつはのぅ~・・・うーむ・・・」
何やら問題があるのか悩んでいるようだったが、
俺をジッと見つめて、
「どうなってもお主が責任を持つならあ奴を呼んでもよいぞ?」と露骨に脅してきた。
龍子を呼ぶと一体何が起こるんだ!?
魔王である永久が躊躇する奴なんて、興味が無い訳がない。
俺は早速竜子を呼んでもう事にした。
すると、永久は何かを念じるように目を閉じ、沈黙した。
暫く様子を窺っていると、
「ーーー来る!」
と言いながら永久が身構えた。
俺も何か強大な何かが驚異的な速さで近付いて来るのが分かった。
その何かはその驚異的な速さのまま俺の部屋の壁に激突すると、風通しのいい穴が出来上がってしまった。
俺がいるこの建物だけはリリスが全力で頑丈に作っている筈なんだがな・・・?
それを破壊するとは純粋な力なら永久より強いんじゃないのか?
そう思いながら来訪者を観察していたが、粉塵が無くなってもなお足が相当痛そうにうずくまっている。
透き通る様な白い皮膚から白い尖ったものが飛び出してるし、足の骨ヤバい感じに折れてないか・・・?
少し心配になって永久をチラ見すると、
「何をやっておるんじゃ、あの馬鹿者は・・・」
と呆れながら溜め息を吐きつつ回復魔法を来訪者にかけてあげている。
「すまない魔王・・・」
「ほれ!これで大丈夫じゃ!お主の自己紹介を私のだ、旦那しゃ・・さまにするんじゃ!」
・・・なんでそんなに緊張しているんだ永久は。
「・・・旦那?あの堅物で男に全く興味も無く色気も微塵も無かった魔王様が!?」
結構ショックを受けている永久がゆっくり俺に視線を投げかけてきた。
「そんなこと無いじゃろ?」とでも訴えかけてくる涙目で見られたら、俺は無言で頷くしかないだろ・・・。
1
お気に入りに追加
387
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる