上 下
45 / 119

36話

しおりを挟む
36話


案の定コボルト達の巣へ着くと、手厚い歓迎を受けたので、
無骨なバスターソードで叩き斬っていく。

勿論あらかじめステビアには辺りが静かになるまで身を隠す様に伝えてあるので問題無いだろう。
何かあれば、どんな小声でも良いから「助けて」とさえ言えばいいと伝えるのも忘れない。
「えー・・・戦闘中に聞こえる訳無いでしょー?」
と嘘臭そうにしていたので、戦闘中に何か小声で喋ってみるように言っておいた。
信頼関係は大事だし、まずは信じて貰わないとな。

と言ってあったが、「ご主人好き♡」「大好きだよ♡」「いつも美味しいご飯ありがとう♪」
「・・・どーせ聞こえて無いでしょ?ふふふ」

なんて恥ずかしい事を言いまくっていた。

程なくして返り血を1滴も浴びること無く殲滅が完了した。
密集してくれていると、非常に殲滅が楽で助かる。

暫く辺りを見回し、感知に引っかかる奴が居ないことを確認した。

暫くすると、ステビアが「これ全部ご主人が倒したの!?」
と驚きながら現れた。

「ああ。それよりなんだあの愛の告白みたいなのは?」

「本当に聞こえていたんだ・・・いつもうちが思ってる気持ちだよ?」と表情を隠すように俺に抱きついてくる。

その後は、コボルト達の牙を切断・・・へし折ればいいと思っていたが、ステビアは自分の爪を少し伸ばすと、
大して力を入れずに切り落としていった。
断面はツルツルで驚異的な切れ味が想像出来る。
ステビア曰わく、ニャルニャンチウムで出来ているらしいが、当然俺は聞いたことも無い後でユリにでも聞いてみようと思った。
あんな爪で切りかかられたら、鎧なんて一瞬でズタズタに出来るだろうし、マニュアルに書いてあった”八つ裂き”ってのもあながち大袈裟に言っている訳じゃないんだろうな・・・。
生身の人間なら簡単に一瞬でバラバラに出来るし、ユリがあんなに絶望していたのも今なら分かる気がする。
機嫌損ねたら破滅的に鋭利な爪で八つ裂きにされるなんてリスクを抱えて冒険する狂人なんていないだろう。

俺の中でステビアの戦闘能力の認識を大幅に改める事にした。


冒険者ギルドに帰り、大量の成果をユリに渡すと、ジト目でユリに「”また”、したんですか?」
と何故か不機嫌に対応された。
「無茶しないでって言ってるのに無茶するし!」なんてブツブツ言っていたようだ。

そうは言っても、俺から逃げ出されちゃどうしようも無いんだがなぁ。

とりあえず、またランクが上がるらしいので、
また明日以降に新しい冒険者ライセンスをくれるらしい。

ユリに、こんなに簡単にランク上がっていいのか?
と聞いたら、「こんなのさーくんだけだよ!ランクが上がる目安はにアイアンから半年~1年位、それ以上は個人差によるけれどね?1日で1つランクが上がるなんて有り得ない事だよ?」
と興奮気味にまくし立てられたら。

なんとなく想像はしていたが、やはり俺は規格外のようだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

妻がエロくて死にそうです

菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。 美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。 こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。 それは…… 限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常

クラスで一人だけ男子な僕のズボンが盗まれたので仕方無くチ○ポ丸出しで居たら何故か女子がたくさん集まって来た

pelonsan
恋愛
 ここは私立嵐爛学校(しりつらんらんがっこう)、略して乱交、もとい嵐校(らんこう) ━━。  僕の名前は 竿乃 玉之介(さおの たまのすけ)。  昨日この嵐校に転校してきた至極普通の二年生。  去年まで女子校だったらしくクラスメイトが女子ばかりで不安だったんだけど、皆優しく迎えてくれて ほっとしていた矢先の翌日…… ※表紙画像は自由使用可能なAI画像生成サイトで制作したものを加工しました。

【R18 】必ずイカせる! 異世界性活

飼猫タマ
ファンタジー
ネットサーフィン中に新しいオンラインゲームを見つけた俺ゴトウ・サイトが、ゲーム設定の途中寝落すると、目が覚めたら廃墟の中の魔方陣の中心に寝ていた。 偶然、奴隷商人が襲われている所に居合わせ、助けた奴隷の元漆黒の森の姫であるダークエルフの幼女ガブリエルと、その近衛騎士だった猫耳族のブリトニーを、助ける代わりに俺の性奴隷なる契約をする。 ダークエルフの美幼女と、エロい猫耳少女とSEXしたり、魔王を倒したり、ダンジョンを攻略したりするエロエロファンタジー。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜【毎日更新】

墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。 主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。 異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……? 召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。 明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。

異世界種付転生記(R-18)

量産型774
ファンタジー
異世界に転生したらしい俺(記憶無いけど)の記録。 誰が人間だけを孕ませるって決めたんだ?

月が導く異世界道中extra

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

処理中です...