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ホストクラブで媚薬を盛られたら、何かが始まった話。

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「光希(みつき)、VIPにヘルプ入って」

耳元で囁かれるテノールの美声とふわりと香る香水の香り。

俺がホストクラブで働き始めてから半年。
美声と良い香りの持ち主は統括マネージャーの立花さんで、俺の憧れのひとだ。
立花さんは三店舗を預かる身だから、俺が在籍する店にいつもいるわけじゃないが、立花さんがいると店の空気が引き締まる。
そして店が円滑に回る。

立花さんは180㎝と長身で、細身のスーツが似合う。身体のラインが綺麗に出ていて、男らしく引き締まった身体がわかる。

整った顔立ちと洗練された所作から、キャストをしていればNo.1をとっていてもおかしくないと思う。
在籍するキャストの誰よりも格好が良い。

俺は165㎝しかなくて、可愛いと言われる顔立ちだから、立花さんが羨ましくて仕方ない。

(俺も立花さんみたいなルックスだったらなあ…)

VIP席に向かいながら、何度目かしれない呟きを胸のなかでもらした。



*****
(なんか今日、酒回るの早いな…)

最初に感じた違和感は、VIP席でシャンパンを飲み干し、また別の席にヘルプについた時だった。

合間をみて裏に下がり、水を飲むが、どんどんボーっとしてくる。

調子が悪いと内勤に告げ、ロッカールームで少し休ませてもらうことにした。

ずるずるとロッカーに背中を預けてしゃがみ込む。

裏に下がって気が抜けるとともに、どんどん身体が熱くなっていくのを感じた。

(なんだ、これ…?)

下半身が勃ち上がっているのに気づいた。
思考が朦朧としてくる。

ノックの音が響き、ドアが開けられる。

「光希?体調悪いって聞いたけど大丈夫か?」

立花さんの声が聞こえる。
肩に手を添えられ、立花さんが近くにいるのはわかるのに、声は遠くから聞こえるようにぼけて聞こえた。

「たちばなさん…、おれ、なんか、へんで…」

身体が熱い。

立花さんの眉間に皺が寄るのが見えた。

「熱…、じゃないな。…盛られたか…」

身体が熱くてたまらなくて、ポロポロと涙が溢れてくる。

「おれ、どうなってるんですか…、くるし…」

下半身がどんどん張り詰めていくのがわかる。

「多分媚薬盛られてる。いつからおかしかったかわかるか?」

(びやく…、…媚薬…?)

なんで…??

「びっぷついたあと…、さけ、回るのはやいなっておもって…」

「要のとこか」

立花さんがチッと舌打ちした。

「前々からタチの悪い遊び方してると思ってたけど、出禁だな…。光希、立てるか?」

足に力を入れようとするが、入らない。
ふるふると首を横に振ると、脇の下と膝の下に手が差し入れられた。

「抱えるぞ」

横抱きにされ、身体が浮いた。
立花さんの香りに包まれて、俺は意識を飛ばした。


*****
くちゅくちゅくちゅ…。

意識を取り戻すと共に耳に届いた水音と、下半身に感じる熱。

「ん…、あ…」

思わず声を漏らし、足元に目をやると、立花さんが俺の陰茎を擦り上げていた。

「た…、ちばなさん…、なんで…」

「目、覚めたか。店で媚薬盛られて意識失ったの覚えてるか?」

言われて、ロッカールームでの立花さんとのやりとりを思い出す。
身体はまだ熱い。

でも、なんで。

「出すもの出したら楽になるから」

そう言って立花さんは俺を扱く手を早めた。

「や…、待って…、そんなにしたらでる…!!」

込み上げてくる射精感に足が震えた。

「いいよ、出して」

グリっと鈴口を指先で抉られた。

「や、イク…!!」

白濁が溢れた。

「や…、なんで…」

出したのに、まだ陰茎は勃ち上がったままだった。
こんな痴態を晒して、泣きそうになる。

「薬抜けるまで付き合うから」

「俺、じぶんで…」

「力はいらないだろ。俺に任せて光希は感じてたらいいから」

恥ずかしいのに、身体が疼いて仕方ない。
俺は朦朧としながら、ただ立花さんに身を任せた。


*****
「すみませんでした…!!!」

穴があったら入りたい。
なくても、自分で穴を掘って埋まりたい。

最後の方は自分で腰を振って立花さんの手に擦り寄せていた。
快感に再び意識を飛ばし、カーテンから差し込む明るい陽射しで目を覚ました。

横には立花さんが寝ていて、思わず叫びそうになった。

瞬時に昨夜のことを思い出し、目を覚ました立花さんにベッドの上で土下座した。

意識がハッキリした今、恥ずかしくてたまらない。

「光希は悪くないだろ。店で起きたトラブルだから俺が解決するのは当たり前だよ」

でも、だからといって、同じ男のあんなところを…。

「腹減ったろ。飯食うか」

立花さんが爽やかな口調で言う。

そういえば、ここ、もしかして立花さんの自宅…?

広いベッドに、オーク調の家具ですっきり整えられた空間は趣味が良く、立花さんの雰囲気に似合っている。

「作ってくるから、出来たらまた声かけるよ」

立花さんが俺の頭に手を置き、ぽんぽんと撫でてキッチンへと向かっていく。

どこまでもカッコいい立花さんに項垂れた。


*****
あれから俺はオナる時、立花さんの声や手を思い出してしかイけなくなった。
身体はスッキリするが、罪悪感が凄い。

「光希、今日もよろしくな」

肩に乗せられた手を意識してしまう。
肩が熱く感じて、あらぬことを想像してしまい、顔が赤くなるのがわかった。

「?体調悪いのか?」

「大丈夫です!寝不足でちょっとボーっとしちゃって…!!」
「調子悪かったら早めに言えよ」

立花さんの気遣いが申し訳ない。
不埒な妄想の材料にされていると知られたら、軽蔑されるかもしれない。
そう思うと、どうしても一線置いて接してしまう。


ある日立花さんにVIPルームに呼び出された。

「何かあった?」

言われてこの間のことを思い出す。

「この間のことだったら不可抗力だから気にしなくていい」
「……」

でも俺は、あれから立花さんを思い出して自分を慰めているんです。

とても言えない言葉を胸のなかで呟く。

「光希が可愛くて、俺も役得だったから気にするな」

立花さんが笑いながら俺の頭を掻き回す。

「…されたこと、忘れられなかった?」

顔を寄せられ、耳元で囁かれ、バッと顔をあげる。
顔が熱い。
顔が赤くなっているのがわかる。

「光希、今日俺の家においで」

そう言って笑った立花さんは、雄の顔をしていて、死ぬほどカッコよかった。


*****
あれは立花さんがふざけてただけなのか、本当に誘われているのか、仕事中ずっとソワソワしていた。

「光希、お待たせ」

立花さんに車に乗るように言われる。
本当に誘われたんだと思った。

部屋につくなり、寝室に誘導される。
服を脱がされて、首筋、鎖骨に唇を落とされ、立花さんの唇はどんどん下へと下がっていった。

「たちばなさん…、そこ、や…」

立花さんが陰茎の裏筋を下から舐め上げてくる。

「嫌?でも気持ちいいだろ?」

繰り返し与えられる刺激に、陰茎がひくつく。
立花さんの落ち着いた声に、自分だけ乱れているのが恥ずかしい。
次の瞬間には温かいものに陰茎が包み込まれていた。
立花さんの口のなかだと気づき、動揺する。

「た、たちばなさん…!!」

ジュッジュッと吸い上げられ、気持ち良くて腰が砕けそうになる。

(気持ち良い、気持ち良い、気持ち良い…!!)

気持ち良くておかしくなりそうだった。

「もう、ダメ、出る…っっっ」

あっけなく立花さんの口のなかに吐き出してしまう。
肩で息をする。

俺は丸裸になっているのに、立花さんはジャケットを脱いだだけ。

「たちばな…、さんは…?」
「俺はいいんだよ。光希を可愛がりたいだけ」

そう言うと立花さんは頭を撫でてくる。
その手のひらの温かさと、吐精の脱力感に、最近眠れてなかった俺は眠りに落ちた。


*****
それから時折立花さんに家に誘われるようになった。
でもいつも俺だけ立花さんに可愛がられて終わる。

立花さんの手には不思議な力があるのか、俺はいつも自分の欲を吐き出すと寝てしまう。

朝起きて、立花さんが作ってくれる朝食を食べて、少し話して家に帰る。

(なんなんだろうな、この関係…)

ヤッてないから、セフレとも違う気がする。
でも立花さんの傍は居心地が良くて、俺は誘われるのを心待ちにするようになった。

そんなある日、立花さん指名のVIPのお客様が来店した。

立花さんはキャストじゃないし、表立ってはお客様をとってないけど、時折卓につくことがある。
それは特別なお客様なんだと先輩から教わった。

何度かそうしたお客様が来店したことはあったが、貫禄ある男性や、会社を経営している女性など、年配のひとばかりだった。

今回来店されたのは鷹宮様という、男性だけど若くてとても綺麗なひとだった。
指先まで磨き上げられた洗練された容姿はまるで芸能人みたいだ。

VIP席に座ったそのひとと顔合わせをするからと卓に呼ばれた。
卓には滅多に出ない高級な酒が並んでいる。

「久しぶりだな」
「海外に半年くらい行ったっきりだったからね」
「わざわざ店に来なくても、呼び出したら出向いたのに」
「売り上げに貢献しようと思って」

立花さんと鷹宮様は耳打ちしあい、楽しそうに笑っている。

凄くお似合いに見えて、胸が痛んだ。

(立花さんに似合うのは、こういうひとだよな…)

立花さんが俺に触れるのは戯れで、本当に付き合うのはこういうひとなんだろう。
アナルセックスで男同士でも繋がれるのは知っている。
けれど立花さんはただ俺をイカせるばかりでそれ以上は求めてこない。
俺はキスすらしてもらったことがない。

俺はなんだろう、ペットみたいな存在…?

胸がギュッとなった。
ああ俺、立花さんが好きなんだ。

これ以上立花さんに触られたら、俺はもっと求めてしまう。
もうやめるべきだと思った。


*****
「光希、今日空いてる?」

立花さんからのいつものお誘い。
でももうしないって決めた俺は立花さんに断りを入れた。

「立花さん、俺もう…」
「そうか、わかった」

立花さんはそれ以上何も言わず、それから誘われることはなくなった。

自分で決めたことなのに寂しくて、特に夜はたまらなかった。

1ヶ月経った今も立花さんに与えられた快感を求めて身体が疼く。
自分で慰めてもうまくイケなくて、落ち込んだ。

店に立花さんが来た日にはつい目で追ってしまう。
早く気持ちを切り替えないと、と思った。

誰か別のひとに触られたら上書きできるんじゃないかと思い、ネットで男性同士の出会いの場となっている店を検索し、行ってみることにした。

店に入ると一見普通のバーと変わらないように見えたが、男性客ばかりで、やっぱりそういう場所なんだと思った。

ここからどう発展させたらいいのかわからず、とりあえずビールを注文し、カウンターでチビチビと飲んでいると声をかけられた。

「あれ、君、立花のお店で働いてる子だよね?」

みると鷹宮様だった。

「待ち合わせ相手が来るまで相手してくれない?」

俺が頷くと鷹宮様は横に座り、酒を注文した。
一体何を話せばいいのだろうと思っていたが、鷹宮様は会話上手で徐々に緊張が解けていった。

「光希くんがこっちのひとだとは思わなかったなあ」
「こっちって?」
「男が好き、ってこと」
「…わからないんです。今まで男のひとを好きになったことがないですし。ただ、忘れたいひとがいるから、他のひとと試したら忘れられるかと思って」

鷹宮様はグラスを傾けて、ふぅん、と呟いた。

「じゃあさ、俺が忘れさせてあげようか?」
「え、でも鷹宮様は立花さんと…」
「俺と立花?絶対ないよ。タチ同士だもん」

鷹宮様はおかしそうに笑った。
立花さんとはそういう関係じゃないんだとホッとする。
でもタチ同士ってどういう意味なんだろう。

「で、どう?俺と試してみる?」

鷹宮様に手を握られた。
そうされて気づく。
俺が欲しいのはこの温もりじゃない。

「すみません、俺…」
「俺じゃ駄目かあ。…そう言えばね、立花が落ち込んでたよ。可愛がってた子に逃げられた、って。珍しく店の子に手を出したって言ってたからどうしたのかと思ってたけど、光希くん見たら納得したよ。立花のタイプどストライクだからね」

え、と思った時、聞き慣れた声がした。

「光希?」

振り返ると立花さんが立っていた。

「立花とちょうど待ち合わせしてたんだよね」

鷹宮様が悪戯っぽく笑っていた。

「悪いな、鷹宮。約束はキャンセルだ」

そう言うと立花さんは俺の手をとって店を出る。
鷹宮様がひらひらと手を振るのが視界の端に見えた。

店を出て表通りまで出たところで立花さんと向かい合う。

「なんであんなとこにいたんだ?お前は男が好きなわけじゃないだろ」
「…確かめたかったんです」
「何を?」
「他のひとと試したら、立花さんのことを忘れられるのか、って」

俺の言葉に立花さんは虚をつかれたように俺を見つめた。

「…嫌になったんだとばかり思ってた」
「嫌になってません」
「じゃあなんでやめようって言った?」
「それは…」

言いかけたところで酔っ払いの集団が歩いてくるのが見えて言葉を止めた。

「場所を変えよう」

再び立花さんに手を引かれ、タクシーで立花さんの家に向かった。

久しぶりに入る立花さんの家に落ち着かない。
隣り合わせにソファーに腰掛け、間近でみる立花さんにやっぱり格好良いひとだと思った。

「…で、なんで光希はやめようと思ったんだ?」
「…鷹宮様と立花さんを見てたら、立花さんに似合うのは鷹宮様みたいなひとだって思って。立花さんがなんで俺を構ってくれるのかわからなくて辛くなったんです」
「俺は綺麗系より可愛い系がタイプなんだ。それに鷹宮はバリバリのタチだから、ひっくり返ってもそういう関係にはならない」
「鷹宮様も言ってましたけど、タチって…?」
「抱く方ってことだよ」

抱く方…。

「立花さん、俺を抱かないじゃないですか…」

思わずポロリと言葉が漏れてしまった。

「抱かれたかったのか?光希は男が好きなわけじゃないだろう」
「でも、立花さんが好きです」

言ってしまった。
ここまできたら後にはひけないと思い、言葉を続ける。

「…俺だと抱く対象にはなりませんか…?」
「光希は可愛い。店の子には手を出さないっていう俺のポリシーを曲げるくらい」
「じゃあなんでいつも俺だけだったんですか…?」
「ハマったら後戻りできないだろ?でも、もう手遅れだな…。俺は手に入れたら大事に閉じ込めたくなる。それでも俺のものになる?」
「立花さんのものにしてください…」

初めて立花さんにキスをされた。


*****
「立花さん、また俺ばっかり…」
「こうやって可愛がる方が好きなんだよ」

立花さんは乳首を甘噛みをしてくる。
何も感じなかったそこは、立花さんに可愛がられることで性感帯に変わっていた。
吸われ、舌で嬲られ、尖っていく。
口づけも何度も与えられた。
深く舌を絡ませながらいつものように陰茎を扱かれ、イカされる。

でもいつもと違うのは、それで終わりじゃなかったことと、立花さんが服を脱いだことだ。

うつ伏せにされ、執拗に後ろを解された。
舌で後孔を舐められ、逃げをうつと腰を掴んで引き戻された。
ズポズポと舌で抜き差しされる。
恥ずかしいのに気持ちよくて身体が震えた。

ローションを纏った指が後孔に差し入れられ、グチュグチュと水音が響いた。
排泄以外に使ったことがない場所が、違う目的に使われている。
ゆっくり解され、出し入れがスムーズになるともう一本指を足され、中をまさぐられる刺激が強くなった。
ゾワゾワと背中から腰にかけて刺激が走り、足の先に力が入る。
そんな俺を見て立花さんは背中に口付けを落とし、力を抜くように促してきた。
そして俺の反応を見ながら後孔を弄り続ける。

どのくらい弄られ続けたのか、なかに入る指が3本になっていた。
最初に感じた圧迫感はなくなり、むず痒いような不思議な感覚に襲われた。
もういいと泣きをいれても、俺のものを大切に可愛がってるんだと許してもらえなかった。

ようやく立花さんのモノがあてがわれた時はホッとした。
でも、それからも俺は翻弄され続けた。
痛みを伴うかと思っていたのに、長い時間をかけて解されたためか痛みはなく、ひどく感じる場所を擦られて出したことのない声が出た。
一度俺が感じる場所を見つけると、立花さんは執拗にそこを責め、俺は喘ぐしか出来なかった。
ゆっくりと抜き差しされると、抜く時にたまらなく感じるとか、入り口付近を浅く小刻みに刺激されるのが好きだとか、知らなかった自分を暴かれた。
立花さんが一回イくまでに俺は何度もイカされて、最後の方は出るものもないのにイっていた。
立花さんは嬉しそうに「ナカイキできたな」と言っていたが、正直言って鬼畜の所業だと思う。

汗や涙や涎や精液で塗れた身体が気持ち悪かったが動けずにいたら、立花さんが抱きかかえてお風呂に連れて行ってくれた。

「立花さん…、確かに俺が抱いてほしいって言いましたけど、酷いです…」

立花さんにもたれかかって湯船につけてもらいながら、うとうとしつつ文句を言う。

「光希の反応が可愛くてついな…。でも気持ちよかっただろ?」
「気持ち良いを通り越してもう辛かったです…」

ニヤリと笑って立花さんは言った。

「まだまだこれから光希の身体は開発し甲斐があるよ。今度はここまで入れような」

臍の下を押されて、知らず後孔がキュッと締まった。

なんだか大変なひとに捕まってしまったなあ、と思ったが、でも幸せで目を閉じた。



◆◆◆◆◆
【立花side】

「光希は?」

店内を見渡して光希の姿が見えないのに気づき、内勤に声をかける。

「なんか具合が悪いから休ませてほしいって、ロッカールームに行きました」

光希は酒に強い方だから珍しい。
さっき声をかけた時は特に体調が悪いようには見えなかった。

光希は半年前に入ったキャストだが、小柄で可愛らしい顔立ちと、真面目で明るい性格で、ナンバー入りはまだだが目をかけている。

そんな光希だからサボりはないだろうし、なんとなく嫌な予感がして、ロッカールームに足を運ぶ。

ノックするが反応はない。

ドアを開けると、ロッカーに背を預けている光希が目に入った。

「光希?体調悪いって聞いたけど大丈夫か?」

潤んだ目で光希が見上げてくる。
頬が紅潮し、肩に触れると熱い。


VIP席の要の客は新人いびりやキャストに無茶飲みさせたりとホストをストレス発散の捌け口に使うような遊び方で、色々問題を起こす客だった。

光希ならうまくかわせるかとヘルプにつけたが、まさか媚薬を盛ってくるとは…。

光希を抱き抱え、早退させて送り届けると内勤に伝えた。

光希の家はわからないので、タクシーを自宅に向かわせる。


ベッドに横たえ、一息つく。

「ん……」

苦しそうにする光希。
光希の股間は盛り上がって張り詰めていた。

デニムと下着を脱がせると、ピンク色の陰茎が姿を現した。

(遊んでない感じだな…)

本人同様可愛らしい姿に思わず笑みを浮かべてしまう。
張り詰めた陰茎に触れると、雫が亀頭の先から溢れた。

(可愛いな…)

俺は男も女いける。
店の従業員には手を出さないというポリシーを持っているが、それがなければ正直光希はどストライクだった。

意識のない光希の陰茎を扱いてやると、数回で白濁を吐き出した。
それでも足りないようで、まだまだ陰茎は硬いままだ。

今日は特別だ、と自分に言い訳をし、光希の陰茎への刺激を続けた。

光希から感じているのか甘い声が漏れる。
自分の股間も兆すのを感じたが、光希をイかせることに専念した。

数度果てた後、光希が目を覚ました。
状況が理解できず慌てる光希に、ただ身を任せるよう伝える。

恥じらいながらも自分の手で果てる光希を見るのが堪らなかった。
吐き出し切った疲れからか再び意識を飛ばした光希を見届けてから、光希の姿を思い返して自分を慰め、共にベッドで寝た。

朝になって完全に意識を取り戻してから申し訳なさそうにする光希に気にするなと声をかけ、朝食を共にして帰した。


そんな出来事があってから数日。

光希がよそよそしい。
今まで立花さん、立花さんと寄ってきていたのに、目線も合わない。

「光希、ちょっといいか?」

声をかけ、空いているVIPルームに座らせる。

「何かあった?」

尋ねると、びくりと肩を震わせる。

「こないだのことだったら不可抗力だから気にしなくていいから」

頷くが表情が硬い。

「…されたこと、忘れられなかった?」

揶揄うつもりで耳元で囁くと、顔を真っ赤にした。
はい、と言っているようなものだ。

可愛くなって、そりゃ喰うだろう。

その日の仕事終わりに光希を家に連れ帰った。

とはいえ、最後までするのは憚られた。
光希はノーマルで、従業員のひとりだ。
手を出している時点でアウトだとはわかっているが、ギリギリの一線は守ろうと思った。

俺の手で蕩ける光希は可愛く、満たされた。
光希も気持ち良さそうで、このまま関係が続いていくと思っていた。

だが、光希から終わりにしたいと言われ、残念だが仕方ないと思った。
潮時だったのだと自分を納得させようとしていたが、光希と触れ合わなくなってから、物足りなさを感じる。

高校時代からの友人の鷹宮に愚痴ると笑われ、気分転換にいわゆるハッテン場に気分転換にいこうと誘われた。
まさかそこに光希がいると思わず、驚いた。
同時に怒りが湧く。

男でいいのなら、俺がいるだろう、と。

そんなに強い感情を抱いたことがないため、自分で戸惑った。
逃したくなくて光希を家に連れ帰る。

光希からの告白に、込み上げてきたのは喜びで、大切にしていたはずのポリシーはどこかにいった。

初めての光希を傷つけないよう念入りに解し、繋がった時には、幸せを感じた。
光希の身体は素直で、快感に弱い。
ナカの具合も良く、加減を忘れて抱き潰してしまった。

行為後、一緒に入浴しながら文句を言われたが、本気で嫌がっていないのはわかったので、次はどうやって可愛がろうかと思い巡らせ、知らず笑みが溢れた。
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