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心配してくれていたようです
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帰りの馬車の中。
私は父と同じ馬車に乗っていた。
「リフィ……。」
「何でしょうか、お父様。」
「無理してないか?」
「えっ…?」
「二つ名を与えられたことはとても名誉な事であり、私にとっても誇りなんだ。だが、それもあって他国に狙われるようになってしまった……。暗殺者を向けられたり、探りを入れられる事もあっただろう。常に気を張ることになっているし、私達家族も結界で守ってくれている……。」
「……気付いていたのですね。流石はお父様です。」
気付かれないよう細心の注意を払っていたのだが、父は気付いた。
しかし、魔物に出会ったりしたのならば、すぐにばれてしまうのも事実だ。
そして案の定、魔物に遭遇した時に気付いたらしい。
「いや、最初は全く気が付かなかった。だが馬車で魔物に襲われた時、応戦しようとしたんだ。すると魔物が私に近づいた途端、光が走ったかと思うと消滅していた。それで結界の存在に気づいたというわけだ。」
「なるほど……。確かに、私が常時発動させている結界の効果です。」
「やはり…。だが複数の者に常時発動させるとなると、魔力が持たないのではないか?」
「それについてはご心配なく。学園に通い始める前に、お父様やお母様、エーリにそれぞれアクセサリーをお渡ししたはずです。」
「貰ったよ。常に付けておくようにとな。まさか…!?」
「はい。それは魔導具です。発動させる魔力は、身に付けている者からではなく、周囲の魔力を吸収しています。」
「それでは何故すぐに気付くことが出来なかったんだ?」
「微量の魔力で発動するからです。最適化した魔法陣を組み込み、魔力量を下げました。さらに、結界の効果の対象を定めることで、より魔力の消費を抑えることに成功しています。」
「対象を定める?」
「はい。例えば、『物理防御結界』とすると、剣や拳、あらゆる『物理』に関するものを弾きます。ですが、その代わりに必要となる魔力量は増えるのです。アクセサリーにはそれぞれ3つの魔法を付与してあります。」
「3つもかい?!」
「1つは魔物が近づくと、『対魔物』の魔法で消滅する結界。2つ目は剣やナイフなどの『刃物』を弾く結界。そしてもう1つは、『即死させるほどの魔法』を防ぐ結界です。」
「1つ目は魔物のみに通用する結界であり、2つ目と3つ目は暗殺者などを防ぐ為……と言ったところかな?」
「その通りです。そして、魔導具自体も私が創造魔法にて創った物です。付与とは別に、魔力の吸収を感知させない『隠匿吸収』の効果が備わっています。」
「つまり、アクセサリーだけで4つの効果があるということか……。」
本当は5つの効果がある。
付与はもう1つ存在するのだ。
それは、魔導具を身に付けている者の結界に異常があった場合、私に知らせが届くというものだ。
父が魔物に襲われた際、結界が起動し魔物は消滅したのだが、その事も私に伝わっている。
言わば自動通知みたいなものだ。
「お父様。質問に対する答えですが、無理はしていませんよ。確かに大変な時もありますが、殿下も手伝って下さいます。それに、エフェン様もです。1人で抱え込まず、友人に頼るようにしています。今の生活は私にとって楽しいものですから、お気になされないで下さい。」
「リフィ……。」
笑顔でそう言うと、父は何とも言えないような顔をしていた。
そして少しの沈黙が流れ、何か話そうかと迷っていた時。
護衛の1人が告げた。
「ラーノンス侯爵様!もうすぐ侯爵家へと到着致します!」
「分かった。」
(ナイスタイミング!)
侯爵家に着くと、母とエイリジュが使用人達と共に出迎えてくれたのだった。
私は父と同じ馬車に乗っていた。
「リフィ……。」
「何でしょうか、お父様。」
「無理してないか?」
「えっ…?」
「二つ名を与えられたことはとても名誉な事であり、私にとっても誇りなんだ。だが、それもあって他国に狙われるようになってしまった……。暗殺者を向けられたり、探りを入れられる事もあっただろう。常に気を張ることになっているし、私達家族も結界で守ってくれている……。」
「……気付いていたのですね。流石はお父様です。」
気付かれないよう細心の注意を払っていたのだが、父は気付いた。
しかし、魔物に出会ったりしたのならば、すぐにばれてしまうのも事実だ。
そして案の定、魔物に遭遇した時に気付いたらしい。
「いや、最初は全く気が付かなかった。だが馬車で魔物に襲われた時、応戦しようとしたんだ。すると魔物が私に近づいた途端、光が走ったかと思うと消滅していた。それで結界の存在に気づいたというわけだ。」
「なるほど……。確かに、私が常時発動させている結界の効果です。」
「やはり…。だが複数の者に常時発動させるとなると、魔力が持たないのではないか?」
「それについてはご心配なく。学園に通い始める前に、お父様やお母様、エーリにそれぞれアクセサリーをお渡ししたはずです。」
「貰ったよ。常に付けておくようにとな。まさか…!?」
「はい。それは魔導具です。発動させる魔力は、身に付けている者からではなく、周囲の魔力を吸収しています。」
「それでは何故すぐに気付くことが出来なかったんだ?」
「微量の魔力で発動するからです。最適化した魔法陣を組み込み、魔力量を下げました。さらに、結界の効果の対象を定めることで、より魔力の消費を抑えることに成功しています。」
「対象を定める?」
「はい。例えば、『物理防御結界』とすると、剣や拳、あらゆる『物理』に関するものを弾きます。ですが、その代わりに必要となる魔力量は増えるのです。アクセサリーにはそれぞれ3つの魔法を付与してあります。」
「3つもかい?!」
「1つは魔物が近づくと、『対魔物』の魔法で消滅する結界。2つ目は剣やナイフなどの『刃物』を弾く結界。そしてもう1つは、『即死させるほどの魔法』を防ぐ結界です。」
「1つ目は魔物のみに通用する結界であり、2つ目と3つ目は暗殺者などを防ぐ為……と言ったところかな?」
「その通りです。そして、魔導具自体も私が創造魔法にて創った物です。付与とは別に、魔力の吸収を感知させない『隠匿吸収』の効果が備わっています。」
「つまり、アクセサリーだけで4つの効果があるということか……。」
本当は5つの効果がある。
付与はもう1つ存在するのだ。
それは、魔導具を身に付けている者の結界に異常があった場合、私に知らせが届くというものだ。
父が魔物に襲われた際、結界が起動し魔物は消滅したのだが、その事も私に伝わっている。
言わば自動通知みたいなものだ。
「お父様。質問に対する答えですが、無理はしていませんよ。確かに大変な時もありますが、殿下も手伝って下さいます。それに、エフェン様もです。1人で抱え込まず、友人に頼るようにしています。今の生活は私にとって楽しいものですから、お気になされないで下さい。」
「リフィ……。」
笑顔でそう言うと、父は何とも言えないような顔をしていた。
そして少しの沈黙が流れ、何か話そうかと迷っていた時。
護衛の1人が告げた。
「ラーノンス侯爵様!もうすぐ侯爵家へと到着致します!」
「分かった。」
(ナイスタイミング!)
侯爵家に着くと、母とエイリジュが使用人達と共に出迎えてくれたのだった。
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