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久しぶりの2人きりです

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「話は終わったようだね。」

「はい。お待たせ致しました。」

「既に人払いは済んでいる。楽にしてくれ。」

「殿下の口調で分かりますよ…。」

「はははっ。」

「随分とご機嫌がよろしいようで。何かおありになったのですか?」

「いいえ?特に何も。久しぶりに2人きりで嬉しいのさ。いつも君のご友人がいるからね。」

「言われてみれば、2人きりというのは久しぶりでしたね。」


ディルジアの言う通りだった。
普段は友人の令嬢3人の内、誰か1人は必ず一緒にいるのだ。
今は2人きり。
それだけで、こんなに嬉しそうにする理由はよく分からないが。


「一つ気になっていたんだけどさ。」

「何でしょうか?」

「リフィも人によって喋り方が違うよね。」

「確かにそうですね。」

「だろう?『~ですわね』とか。僕の前では使わないのにさ。」


私は使い分けていた。
「わ」を入れた口調は、喋りにくいのだ。
いきなり喋り方が変わるというボロが出ないように、国王陛下やその他上位貴族の者に対しては、普通に話すようにしている。


「友人や自身より地位の低い貴族には、そういった口調にしているのです。大抵の貴族令嬢はそうですからね。」

「それで友人達にはあんな感じなのか。」

「はい。逆に、国王陛下や上位貴族の方などは変えずに話します。言い間違うリスクもありますから。」

「なるほどな。」

「あの話し方は喋りにくいですし……。」

「じゃあ僕は?」


目を輝かせて聞いてくるディルジア。
何をそんなに期待しているのだろうか。
とりあえず、普通に答えておいた。


「殿下には、上位貴族の方々よりもさらに砕けた感じ……ですかね。」

「どうしてだい?」

「その……失礼になりますが、殿下は今のような性格ではありませんか。変に気遣わなくて良いので、普通になってしまうのです。」

「それは信頼されてるって事かな?」

「……ご自身のご想像にお任せします。」

「冷たいなぁ。言ってくれても良いじゃないか。」


ディルジアは拗ねた素振りを見せる。
内心では全く拗ねていないだろうが。


「殿下はとても話しやすいお方です。これ以上は言いませんよ。」

「はははっ。君らしいよ。……やっぱり好きだ。」

「……?何かおっしゃいましたか?」

「何も言ってないさ。気にしないでくれ。」

「は、はあ……。」


本当に、何を考えているのか分からないと思った。
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