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問われました

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「スフレ先生、いらっしゃいますか?」

「ヴァリフィア令嬢か、入ってくれ。」

「失礼致します。」


私はホームルーム終わり、言わば『放課後』にスフレが指定した部屋へと訪ねた。
講義室のような場所だろうか。
今は2人きりである。


「こんな場所に呼び出して済まないな。演習場が良かったんだが、あそこでは学校終わりに自主練をする者が多くてな。」

「いえ、構いません。もとより、私が悪いのですから。改めて、あの時のお礼を言わせて下さい。本当にありがとうございました。」

「気にするな。生徒を守るのは教師の務め。噂が広がれば、君を危険に晒しかねない。
他の者達の目を誤魔化すには、ああするのが一番だと判断したまで。--さて、本題に入ろう。」

「はい……。」


笑顔が一転、真剣な表情へと変わる。
実技での事を追求されるだろう。


「あの魔法は一体何だ?確か、『風弾』と言ったな。風弾如きで、あのような威力は出せないぞ?」

「え……。」


(『風弾』って、そんなに威力が弱い魔法なの?!確かに銃をイメージして打ったけど……。)


と、驚きを心に留めつつ、説明する。
銃……は通じないので、少し変えて説明した。


「あの魔法は本当に『風弾』ですよ。ただ、当てるのではなく貫くイメージをしたので、威力が増幅したのかもしれません。」

「ふむ、貫く……ね。しかし、あの的を貫く程の威力となると、相当な魔力量と制御がいると思うのだが。」

「それは……その…ね?」

「『ね?』では終わらないぞ。魔力制御も中々なもののようだしな。」

「丸見え……でしょうか。」

「1つだけ、ヴァリフィア令嬢に教えておこう。私がこの学園で最も強い。表向きには、最強は学園長という事になっているけどな。」

「魔法師団長並、という事ですか?」

「そうだな。学園生の中から、優れた者を見つけ出すのも私の使命だ。君には興味がある。でも……。」


スフレが部屋の外に目をやると、ディルジアが見上げるような形で部屋の中にいる私達を見ていた。


「ヴァリフィア令嬢を縛ると、殿下に恨まれそうだ。また今度、ゆっくりと話をしよう。今日のところは帰ってくれて構わないぞ。」

「そう……ですか?では、失礼致します。」


私はスフレが言った意味はよく分からなかったが、とりあえず部屋を出た。
その後ろを見ながら、スフレは思う。


(これからが楽しみだ。)


シナリオとは別の物語が、確実に動き始めていた……。
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