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第6話
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お父様に婚約破棄の進言……意向を告げた日(聞かなかったことにされましたが。)の翌日。
私はいつものように王城へと向かいました。
運ばれてきた書類に目を通して作業を始めようとした時、部屋の扉が開けられました。
「……。」
「あら、殿下。おはようございます。本日はご予定があるのでは?」
「……。」
私が少し苛ついているのを感じ取ってか、ザーディヌ殿下は顔を合わせようとせず、ずっと下を向いています。
扉の前に立ちすくんでいるので、何もしないならただの邪魔でしかないのですが…。
そう思って見ていると、深呼吸をしてからこちらに向かってきました。
「その……やっぱり手伝おうと思ってな…。そもそも私の仕事だから……。」
「重要な用事ではなかったのですか?」
「あ、いや……。」
「……はぁ…。手伝ってくださるのであれば助かります。」
作業に戻り、これまたいつものように書類を片付けていきます。
普段と違うのは、会話が一つもないことです。
時折こちらをチラチラと見てきますが、何故なのでしょうか…。
仕事をしているぞという訴えかけなのですか?……とは訊けませんね、、。
そして普段よりは数時間も早い、昼過ぎに全て終わらせることが出来ました。
「殿下、これで本日の分は終了です。お疲れ様でした。」
「そうか。ご苦労だったな。……時に質問なんだが…。」
「何でしょう?」
「……。」
「?」
気まずそうに目を逸らすザーディヌ殿下。
何かを言いかけては、口を閉じるを繰り返しています。
早く言ってほしいのですが…。
「ぇっと…。」
「殿下。訊きたいことがあるのであれば、はっきりとおっしゃってください。」
「あ…すまない。私が訊きたいのは……婚約破棄についてだ。」
「なるほど。お父様……つまり私が公爵様に婚約破棄について話し、どうなったのかをお知りになりたいのですね。」
「その通りだ……。」
やはり気になっていたのですね。
メーフィユ侯爵令嬢とのデートを断ってきてまで、こちらに来た理由はこのことを訊くためだったのでしょう。
はじめからそれ以外にないと思っていました。
私がここに来ている時点で、分かると思うのですが…。
ここはあえて正直に答えましょうか。
「婚約破棄については、首を縦に振ることは出来ないと言われました。」
「そ、そうか…!」
「当然と言われてしまえば、その通りですね。お父様方は何も知りませんし……。」
「とにかく、婚約破棄はしないと言われたんだな?」
「簡潔に申し上げるならば、殿下おっしゃる通りです。」
「そうかそうか。」
急に笑顔を浮かべながら頷く殿下。
少し不気味ですが、私の思惑通りにいったようですね。
なら次に殿下が取る行動は……
「私がするべき仕事はもう終わりなんだな?」
「はい。しかし昼食後に、時折追加で確認書類が運ばれて来ることがあります。」
「なら、その場合はシュレアに任せる。私にはこれから別の仕事があってな。」
「分かりました。行ってらっしゃいませ。」
「うむ。」
私は笑顔で送り出しました。
そう……とても笑顔で…。
仕事など嘘だと、殿下の様子を見ればすぐに分かります。
それに婚約の破棄が拒否されたという話をして直ぐ、顔が明るくなると同時に仕事という理由で何処かへ行かれました。
おそらくは自室におられるでしょうけれど。
「さて、私は休憩に入りましょうか。」
追加で来る可能性がある時間は、今から1時間後。
この時間に王城に務めている人は昼食をとるからです。
休憩も兼ねていますが。
とはいえ私は昼食をとるのに時間はかからない為、10分で片付けまで終わらせました。
この休憩中にしておきたいことがあるのです。
「私の魔法適性は『無』と『闇』だけれど、闇の方が適性が高かったわよね…。なら報告書にあった魔法も使えるはずよね。」
ザーディヌ殿下が居られない時に確認した報告書に、魔法に関してのことが書かれていました。
侯爵位以上の上位貴族のみに知らされた内容であり、その後の判断によってはその他貴族にも知らされるとの事だったのです。
殿下にも目を通してもらうため、翌日に渡したのですが……
『新しく発見された魔法のようです。』
『影を使う魔法……『闇』適性の人が使えるのか。私やシュレアには関係ないな。』
『……読まれないのですか?』
『必要ない。自分の適性以外を覚えたところで、意味は無いだろう?』
『………そうですね…。』
ということで、殿下は読んでいないのです。
私もまだ試したことがなかったので、書類仕事を行っている部屋で試してみましょう。
危険ではありませんよ?
攻撃魔法などとは違いますから。
「イメージは黒い使い魔…でいいのかしら?--『影獣』。」
そう唱えると、私の影から犬のような形をした、目が黄色の真っ黒な何かが出現しました。
どうやら成功のようです。
「名前…どうしましょうか。」
一度発動した『影獣』に名を与えれば、次も同じ『影獣』が現れます。
『戻れ』と命じれば、発動者の影に潜るように消えるのです。
そして彼らは発動者の魔力から生み出されている為、絶対に逆らうことはありません。
さらに意思疎通が出来るので、難しい命令でもこなせるようです。
限界はあるでしょうけれど…。
「そうね……あなたの名前は『クロ』よ。見た目が黒いから……なんて、単純な理由なのだけれど。」
名付けると、私の魔力がさらに少しだけ吸い取られました。
元から魔力が多い私には、さほど問題はありませんが。
そしてクロから、「嬉しい」という感情が伝わってきます。
……とても可愛いですね…。
癒しになります。
「『影獣』は魔力を発していないのね。発動者の魔力によって形を得ているから、存在そのものの魔力が感じられると思ったのだけれど…。」
【……ますか。…聞こえますか、主様。】
「えっ!?」
クロが喋りました…。
というより、頭に直接響いてきます。
『念話』と言うのでしょうか?
先程までは感情しか伝わってきませんでしたが、明らかに意志を持って話しています。
「……クロは喋られるの?」
【はい。名を頂いたことにより、自我がはっきりしたのです。】
「えぇっと……よろしくね…?」
【はっ!我が主様の為に、全身全霊をもって尽くさせていただきます!】
名を与えるだけで、これほど変化があるとは…。
『闇』と『無』の属性適正は珍しく、かつ魔力も必要となってくると、影獣を使える人はかなり少ないでしょう。
【主様。先程我が魔力を発していないことに、疑問を持たれていましたよね?】
「ええ。」
【我が魔力を発していないのは、主様の影響にございます。】
「私の…?」
【主様は常に無属性の魔法にて、己の魔力を完全に隠されている…。このことに間違いはありませんか?】
「間違いないわ。他の人には全く気付かれないようにしているわね。」
【その影響が、我にもあるようです。主様が魔力を隠されていることにより、我の魔力も外に漏れぬよう完全に遮断されております。】
「なるほど……つまりは、発動者の影響を受けやすいということね。」
『影獣』は発動者の影響を受けやすい……これは魔法自体の発動時にも同じことが言えるのでしょうか。
先程は獣……犬しか思い浮かばなかったので、クロのような『影獣』が現れましたが、もしかすると--
【主様。何か試したいことでもあるのですか?】
「そうね……証拠収集の為に、もう一体喚び出そうかしら。」
【魔力が多い主様なら、問題ありませんね。】
そうして、私はもう一度魔法を発動した--
私はいつものように王城へと向かいました。
運ばれてきた書類に目を通して作業を始めようとした時、部屋の扉が開けられました。
「……。」
「あら、殿下。おはようございます。本日はご予定があるのでは?」
「……。」
私が少し苛ついているのを感じ取ってか、ザーディヌ殿下は顔を合わせようとせず、ずっと下を向いています。
扉の前に立ちすくんでいるので、何もしないならただの邪魔でしかないのですが…。
そう思って見ていると、深呼吸をしてからこちらに向かってきました。
「その……やっぱり手伝おうと思ってな…。そもそも私の仕事だから……。」
「重要な用事ではなかったのですか?」
「あ、いや……。」
「……はぁ…。手伝ってくださるのであれば助かります。」
作業に戻り、これまたいつものように書類を片付けていきます。
普段と違うのは、会話が一つもないことです。
時折こちらをチラチラと見てきますが、何故なのでしょうか…。
仕事をしているぞという訴えかけなのですか?……とは訊けませんね、、。
そして普段よりは数時間も早い、昼過ぎに全て終わらせることが出来ました。
「殿下、これで本日の分は終了です。お疲れ様でした。」
「そうか。ご苦労だったな。……時に質問なんだが…。」
「何でしょう?」
「……。」
「?」
気まずそうに目を逸らすザーディヌ殿下。
何かを言いかけては、口を閉じるを繰り返しています。
早く言ってほしいのですが…。
「ぇっと…。」
「殿下。訊きたいことがあるのであれば、はっきりとおっしゃってください。」
「あ…すまない。私が訊きたいのは……婚約破棄についてだ。」
「なるほど。お父様……つまり私が公爵様に婚約破棄について話し、どうなったのかをお知りになりたいのですね。」
「その通りだ……。」
やはり気になっていたのですね。
メーフィユ侯爵令嬢とのデートを断ってきてまで、こちらに来た理由はこのことを訊くためだったのでしょう。
はじめからそれ以外にないと思っていました。
私がここに来ている時点で、分かると思うのですが…。
ここはあえて正直に答えましょうか。
「婚約破棄については、首を縦に振ることは出来ないと言われました。」
「そ、そうか…!」
「当然と言われてしまえば、その通りですね。お父様方は何も知りませんし……。」
「とにかく、婚約破棄はしないと言われたんだな?」
「簡潔に申し上げるならば、殿下おっしゃる通りです。」
「そうかそうか。」
急に笑顔を浮かべながら頷く殿下。
少し不気味ですが、私の思惑通りにいったようですね。
なら次に殿下が取る行動は……
「私がするべき仕事はもう終わりなんだな?」
「はい。しかし昼食後に、時折追加で確認書類が運ばれて来ることがあります。」
「なら、その場合はシュレアに任せる。私にはこれから別の仕事があってな。」
「分かりました。行ってらっしゃいませ。」
「うむ。」
私は笑顔で送り出しました。
そう……とても笑顔で…。
仕事など嘘だと、殿下の様子を見ればすぐに分かります。
それに婚約の破棄が拒否されたという話をして直ぐ、顔が明るくなると同時に仕事という理由で何処かへ行かれました。
おそらくは自室におられるでしょうけれど。
「さて、私は休憩に入りましょうか。」
追加で来る可能性がある時間は、今から1時間後。
この時間に王城に務めている人は昼食をとるからです。
休憩も兼ねていますが。
とはいえ私は昼食をとるのに時間はかからない為、10分で片付けまで終わらせました。
この休憩中にしておきたいことがあるのです。
「私の魔法適性は『無』と『闇』だけれど、闇の方が適性が高かったわよね…。なら報告書にあった魔法も使えるはずよね。」
ザーディヌ殿下が居られない時に確認した報告書に、魔法に関してのことが書かれていました。
侯爵位以上の上位貴族のみに知らされた内容であり、その後の判断によってはその他貴族にも知らされるとの事だったのです。
殿下にも目を通してもらうため、翌日に渡したのですが……
『新しく発見された魔法のようです。』
『影を使う魔法……『闇』適性の人が使えるのか。私やシュレアには関係ないな。』
『……読まれないのですか?』
『必要ない。自分の適性以外を覚えたところで、意味は無いだろう?』
『………そうですね…。』
ということで、殿下は読んでいないのです。
私もまだ試したことがなかったので、書類仕事を行っている部屋で試してみましょう。
危険ではありませんよ?
攻撃魔法などとは違いますから。
「イメージは黒い使い魔…でいいのかしら?--『影獣』。」
そう唱えると、私の影から犬のような形をした、目が黄色の真っ黒な何かが出現しました。
どうやら成功のようです。
「名前…どうしましょうか。」
一度発動した『影獣』に名を与えれば、次も同じ『影獣』が現れます。
『戻れ』と命じれば、発動者の影に潜るように消えるのです。
そして彼らは発動者の魔力から生み出されている為、絶対に逆らうことはありません。
さらに意思疎通が出来るので、難しい命令でもこなせるようです。
限界はあるでしょうけれど…。
「そうね……あなたの名前は『クロ』よ。見た目が黒いから……なんて、単純な理由なのだけれど。」
名付けると、私の魔力がさらに少しだけ吸い取られました。
元から魔力が多い私には、さほど問題はありませんが。
そしてクロから、「嬉しい」という感情が伝わってきます。
……とても可愛いですね…。
癒しになります。
「『影獣』は魔力を発していないのね。発動者の魔力によって形を得ているから、存在そのものの魔力が感じられると思ったのだけれど…。」
【……ますか。…聞こえますか、主様。】
「えっ!?」
クロが喋りました…。
というより、頭に直接響いてきます。
『念話』と言うのでしょうか?
先程までは感情しか伝わってきませんでしたが、明らかに意志を持って話しています。
「……クロは喋られるの?」
【はい。名を頂いたことにより、自我がはっきりしたのです。】
「えぇっと……よろしくね…?」
【はっ!我が主様の為に、全身全霊をもって尽くさせていただきます!】
名を与えるだけで、これほど変化があるとは…。
『闇』と『無』の属性適正は珍しく、かつ魔力も必要となってくると、影獣を使える人はかなり少ないでしょう。
【主様。先程我が魔力を発していないことに、疑問を持たれていましたよね?】
「ええ。」
【我が魔力を発していないのは、主様の影響にございます。】
「私の…?」
【主様は常に無属性の魔法にて、己の魔力を完全に隠されている…。このことに間違いはありませんか?】
「間違いないわ。他の人には全く気付かれないようにしているわね。」
【その影響が、我にもあるようです。主様が魔力を隠されていることにより、我の魔力も外に漏れぬよう完全に遮断されております。】
「なるほど……つまりは、発動者の影響を受けやすいということね。」
『影獣』は発動者の影響を受けやすい……これは魔法自体の発動時にも同じことが言えるのでしょうか。
先程は獣……犬しか思い浮かばなかったので、クロのような『影獣』が現れましたが、もしかすると--
【主様。何か試したいことでもあるのですか?】
「そうね……証拠収集の為に、もう一体喚び出そうかしら。」
【魔力が多い主様なら、問題ありませんね。】
そうして、私はもう一度魔法を発動した--
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