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第52話 練習に行きたくないという実態
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翌週の学校生活。
祐輝は理科の授業を抜け出して図書室で歴史の本を読んでいる。
そしていつもの様に授業が終わると教室に戻ってくる。
「あーまたサボってー。」
「次は国語だからちゃんとやる。」
「高校行けないよー?」
「そうだ。 ミズキは高校どうするの?」
「祐輝君は? うーん・・・」
「あれ? 野球強い所じゃないの? 帝王高校とか関東高校とか。」
「・・・・・・」
黙り込んで何も言わない祐輝に首をかしげている。
中学2年ともなると高校の事を考え始める。
いつもの祐輝なら野球で名門に行くと即答していたのに様子がおかしかった。
ミズキは心配そうに口に手を当てていた。
「け、怪我したの?」
「いや。 高校で通用しないかもしれなくて・・・」
「え? 越田君と戦ったの?」
「いや・・・練習がさ・・・酷くてね・・・」
佐藤コーチとの練習は毎日が勉強になった。
しかしこの土日での練習は何のためにもならなかった。
祐輝は成長できる中学2年から3年生の時間を心配していた。
越田はこの土日もキングスで良い練習をしている。
あんな練習では絶対に越田に勝てないと不安になっていた。
その事をミズキに話すと同じく不安そうな顔をしていた。
「まあ。 自分で練習するしかないんだけどさ。 聞きたい事とかを誰にも聞けない状況でさ。」
「そ、そうなんだ・・・今からでも間に合うから勉強しようよ。」
「うーん・・・そうだな・・・」
あれだけ野球で高校へ行くと自信があったのは佐藤コーチの的確な指導があっての事だった。
今のナインズBチームは草野球の方がましと言えるほど酷い内容だった。
後輩の1年生達にはエラー癖がついて同級生のエルドもやる気がなくなり健太は鈴木監督に怒られるのが怖くて怯える毎日。
試合なんて勝てる気がしなかった。
祐輝はミズキに勉強を教えてもらう事にした。
「祐輝君は日本史、世界史、国語、英語は私よりもずっとできるから理科と数学だねえ。」
「家庭科とかはいいの?」
「入試で出るのはこの分野だから後は授業に出て問題起こさなければ大丈夫だよ。」
「あー俺の図書室生活が・・・」
「ふふっ。 もうダメだよ。」
これからはミズキを頼り数学と理科を勉強する事にした。
金曜日までに授業をしっかりと全てこなしてわからない部分をミズキに聞いて勉強を始めた。
そして金曜日の放課後。
「ミズキー。 たまには遊園地でも行く?」
「ええ!? で、でも野球は?」
「あー。 行きたくないんだよねえ。」
「うーん・・・行きたいなあ・・・祐輝君と遊園地かあ・・・ふふっ!」
ミズキは頬を赤くして嬉しそうに笑っている。
だがミズキは首を立てには振らなかった。
真面目な表情になって祐輝の顔を見ている。
「本当に行きたいよ? めっちゃ嬉しかったんだけど・・・祐輝君には野球があるじゃん。」
「でも練習というか接待で。 どれだけ監督達の機嫌取れるかって時間でさ・・・」
ナインズの練習では健太は一発芸をやらされたりとあまりに酷い状況だった。
エルドは何もしていないのに怒鳴られてグラウンドの外に出されて走らされていた。
祐輝は休憩時間に呼ばれて高橋コーチらと1打席勝負させられてまるで休めなかった。
このままでは絶対に野球は上手くなれないと思った祐輝は少し諦めていた。
だったらミズキと付き合って楽しい日々を過ごしたい。
初体験もまだだった。
「でもさ。 練習行かないと監督に推薦してもらえないんじゃない?」
「確かに・・・」
「祐輝君が後悔するよ・・・野球頑張ればよかったって。 歴史で誰かいないの? 似たような人は。」
「うーん。 秦国の二代目とかか。 本来の力を人に制限されて出せないとか。」
「その人はどうなったの?」
「秦国を守ろうとしたけど死んだ。」
「え・・・」
祐輝はわからなくなっていた。
練習に出る意味を感じない。
それよりもミズキの気持ちに答えたかった。
だがミズキは望んでいない。
祐輝に野球を頑張ってほしかった。
祐輝は理科の授業を抜け出して図書室で歴史の本を読んでいる。
そしていつもの様に授業が終わると教室に戻ってくる。
「あーまたサボってー。」
「次は国語だからちゃんとやる。」
「高校行けないよー?」
「そうだ。 ミズキは高校どうするの?」
「祐輝君は? うーん・・・」
「あれ? 野球強い所じゃないの? 帝王高校とか関東高校とか。」
「・・・・・・」
黙り込んで何も言わない祐輝に首をかしげている。
中学2年ともなると高校の事を考え始める。
いつもの祐輝なら野球で名門に行くと即答していたのに様子がおかしかった。
ミズキは心配そうに口に手を当てていた。
「け、怪我したの?」
「いや。 高校で通用しないかもしれなくて・・・」
「え? 越田君と戦ったの?」
「いや・・・練習がさ・・・酷くてね・・・」
佐藤コーチとの練習は毎日が勉強になった。
しかしこの土日での練習は何のためにもならなかった。
祐輝は成長できる中学2年から3年生の時間を心配していた。
越田はこの土日もキングスで良い練習をしている。
あんな練習では絶対に越田に勝てないと不安になっていた。
その事をミズキに話すと同じく不安そうな顔をしていた。
「まあ。 自分で練習するしかないんだけどさ。 聞きたい事とかを誰にも聞けない状況でさ。」
「そ、そうなんだ・・・今からでも間に合うから勉強しようよ。」
「うーん・・・そうだな・・・」
あれだけ野球で高校へ行くと自信があったのは佐藤コーチの的確な指導があっての事だった。
今のナインズBチームは草野球の方がましと言えるほど酷い内容だった。
後輩の1年生達にはエラー癖がついて同級生のエルドもやる気がなくなり健太は鈴木監督に怒られるのが怖くて怯える毎日。
試合なんて勝てる気がしなかった。
祐輝はミズキに勉強を教えてもらう事にした。
「祐輝君は日本史、世界史、国語、英語は私よりもずっとできるから理科と数学だねえ。」
「家庭科とかはいいの?」
「入試で出るのはこの分野だから後は授業に出て問題起こさなければ大丈夫だよ。」
「あー俺の図書室生活が・・・」
「ふふっ。 もうダメだよ。」
これからはミズキを頼り数学と理科を勉強する事にした。
金曜日までに授業をしっかりと全てこなしてわからない部分をミズキに聞いて勉強を始めた。
そして金曜日の放課後。
「ミズキー。 たまには遊園地でも行く?」
「ええ!? で、でも野球は?」
「あー。 行きたくないんだよねえ。」
「うーん・・・行きたいなあ・・・祐輝君と遊園地かあ・・・ふふっ!」
ミズキは頬を赤くして嬉しそうに笑っている。
だがミズキは首を立てには振らなかった。
真面目な表情になって祐輝の顔を見ている。
「本当に行きたいよ? めっちゃ嬉しかったんだけど・・・祐輝君には野球があるじゃん。」
「でも練習というか接待で。 どれだけ監督達の機嫌取れるかって時間でさ・・・」
ナインズの練習では健太は一発芸をやらされたりとあまりに酷い状況だった。
エルドは何もしていないのに怒鳴られてグラウンドの外に出されて走らされていた。
祐輝は休憩時間に呼ばれて高橋コーチらと1打席勝負させられてまるで休めなかった。
このままでは絶対に野球は上手くなれないと思った祐輝は少し諦めていた。
だったらミズキと付き合って楽しい日々を過ごしたい。
初体験もまだだった。
「でもさ。 練習行かないと監督に推薦してもらえないんじゃない?」
「確かに・・・」
「祐輝君が後悔するよ・・・野球頑張ればよかったって。 歴史で誰かいないの? 似たような人は。」
「うーん。 秦国の二代目とかか。 本来の力を人に制限されて出せないとか。」
「その人はどうなったの?」
「秦国を守ろうとしたけど死んだ。」
「え・・・」
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