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1話 異世界転生させてくれないようです
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「お前にチートは渡しません」
天界のような神聖な場所で、僕は女神様にそう言われた。
僕は山本雄太、しがない高校二年生だ。ついさっき、トラックに轢かれて死んでしまった。それで気が付いたらこの場所に来て、女神様と会っていた。
これはあれだ、昨今のラノベの典型だ。これから神様がお詫びとか憐れみとかでチート能力を与えて、異世界に送り込んでくれるものだと思っていたら、真反対の事を言われたんだ。
「だってお前は私が殺そうと思った者ではないのですから。私はお前の近くに居た可愛いショタっ子を狙っていたと言うのに、それを庇って勝手に死ぬなんて。お前なんぞに何の需要も無いのですよ」
「需要? というか、普通こういうシチュって神様が「死んでしまって可愛そう」とか「お詫びに特殊な力を」って場面では」
「なぜ神が人ごときを憐れみ、詫びを入れねばならぬのですか。お前は死んでしまったカブトムシにも同じような事を思うのですか? そんな小説のような妄想が現実になると思うのではないカス虫が」
うっわすっげー口悪いぞこの女神。
「我々神が人間を殺し、そのような甘言を言うのは収益を得るために決まっているでしょう。お前達に無双の力を与えて、各々が創造した異世界に送り込む。その活躍を我々の世界の住民に閲覧される事で多額の収益を得られるのです」
「異世界の理想を砕くシステムだなぁ……そんな理由で僕達人間を殺してるんですかあなた方は」
「私は人気の異世界アーティストである女神、アテナですよ。だから何をやっても許されるのです」
超が付く迷惑系配信者じゃねーかこいつ。
「新企画として新しい転生者を用意しようと思ったのに、お前のようなぱっとしない高校生なんぞを転生させてもなんにも面白くないではないですか。罰としてお前は強制労働施設へ送り込んでやりましょう」
「神に殺された挙句収容所送り!? 理不尽極まりないんですけど!?」
「人間風情が神に歯向かうな」
アテナが指を鳴らすと、僕の足元に穴が空いた。奈落の底へ堕ちていく僕に、アテナはこの上ない笑顔で手を振った。
「神の役に立てる事、光栄に思いなさい」
この野郎、絶対に許さない。覚えておけよクソ女め。
天界のような神聖な場所で、僕は女神様にそう言われた。
僕は山本雄太、しがない高校二年生だ。ついさっき、トラックに轢かれて死んでしまった。それで気が付いたらこの場所に来て、女神様と会っていた。
これはあれだ、昨今のラノベの典型だ。これから神様がお詫びとか憐れみとかでチート能力を与えて、異世界に送り込んでくれるものだと思っていたら、真反対の事を言われたんだ。
「だってお前は私が殺そうと思った者ではないのですから。私はお前の近くに居た可愛いショタっ子を狙っていたと言うのに、それを庇って勝手に死ぬなんて。お前なんぞに何の需要も無いのですよ」
「需要? というか、普通こういうシチュって神様が「死んでしまって可愛そう」とか「お詫びに特殊な力を」って場面では」
「なぜ神が人ごときを憐れみ、詫びを入れねばならぬのですか。お前は死んでしまったカブトムシにも同じような事を思うのですか? そんな小説のような妄想が現実になると思うのではないカス虫が」
うっわすっげー口悪いぞこの女神。
「我々神が人間を殺し、そのような甘言を言うのは収益を得るために決まっているでしょう。お前達に無双の力を与えて、各々が創造した異世界に送り込む。その活躍を我々の世界の住民に閲覧される事で多額の収益を得られるのです」
「異世界の理想を砕くシステムだなぁ……そんな理由で僕達人間を殺してるんですかあなた方は」
「私は人気の異世界アーティストである女神、アテナですよ。だから何をやっても許されるのです」
超が付く迷惑系配信者じゃねーかこいつ。
「新企画として新しい転生者を用意しようと思ったのに、お前のようなぱっとしない高校生なんぞを転生させてもなんにも面白くないではないですか。罰としてお前は強制労働施設へ送り込んでやりましょう」
「神に殺された挙句収容所送り!? 理不尽極まりないんですけど!?」
「人間風情が神に歯向かうな」
アテナが指を鳴らすと、僕の足元に穴が空いた。奈落の底へ堕ちていく僕に、アテナはこの上ない笑顔で手を振った。
「神の役に立てる事、光栄に思いなさい」
この野郎、絶対に許さない。覚えておけよクソ女め。
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