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2部
105話 最終手段
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朝風呂に入れたからか、ハローは機嫌が良かった。
仕事の前にリフレッシュできたし、湯上りのナルガも見れたし、朝からいい事づくめだ。オクトには感謝しないといけないな。
反して、ナルガとオクトの表情はすぐれない。互いに目線でけん制し合っていて、妙にとげとげしていた。
喧嘩でもしたのかな? ハローは首をかしげるしか出来なかった。
「明日の早朝には戻っちゃうんだろ? 寂しくなるな」
「ええ、次にいつ休暇を取得できるか分からないですけど、また来ますね」
「その時は歓迎してやろう、もう一人の家族と共にな」
オクトの肩がぴくりと揺れた。ハローは赤らみ、後頭部を掻いた。
まだナルガに兆候は見られないし、エドウィンも首を振っている。でも最近のやり取りを考えると、そう遠くない未来だ。
……もう一人の家族か。
春先の苗木と、オクトから指摘された事を考える。
平和な時を過ごしている時に、ふと頭に過ぎる否定的な声。「俺は幸せになってはならない」、「お前は死ななければならない」。オクトの言う通り、ハローは自分が嫌いなのだろう。未だに自分を愛せずにいるのだ。
自分の所業を許せないのに、子供をもうけてもいいのか。自分の子を、ちゃんと愛せるだろうか。不安を抱えたまま、時間が過ぎていく。
『はろーは、このよにいてはならない……!!!』
「!?」
不意に誰かの声が聞こえ、ハローは振り向いた。
そこには、誰もいない。額に手を当て、ハローは目を閉じた。
……丁度ひと月前、満月の時よりも強い痛みが、体に走っていた。
「どうしたハロー?」
「……誰かが呼んだ気がしたんだ。気のせいだよ」
「空耳、でしょうか? 湯当たりされましたか?」
「かもね」
痛みを隠し、ハローは笑顔で答えた。
何かの気配が、かなり近づいている。嫌な予感がするな。
「もう今日しかチャンスはない……となると、仕方ない……!」
と、オクトがハローの手を握った。何事かと彼女を見れば、
「あの、今日は先代のおうちに泊まっても、よろしいですか?」
そんな提案をしてきた。
仕事の前にリフレッシュできたし、湯上りのナルガも見れたし、朝からいい事づくめだ。オクトには感謝しないといけないな。
反して、ナルガとオクトの表情はすぐれない。互いに目線でけん制し合っていて、妙にとげとげしていた。
喧嘩でもしたのかな? ハローは首をかしげるしか出来なかった。
「明日の早朝には戻っちゃうんだろ? 寂しくなるな」
「ええ、次にいつ休暇を取得できるか分からないですけど、また来ますね」
「その時は歓迎してやろう、もう一人の家族と共にな」
オクトの肩がぴくりと揺れた。ハローは赤らみ、後頭部を掻いた。
まだナルガに兆候は見られないし、エドウィンも首を振っている。でも最近のやり取りを考えると、そう遠くない未来だ。
……もう一人の家族か。
春先の苗木と、オクトから指摘された事を考える。
平和な時を過ごしている時に、ふと頭に過ぎる否定的な声。「俺は幸せになってはならない」、「お前は死ななければならない」。オクトの言う通り、ハローは自分が嫌いなのだろう。未だに自分を愛せずにいるのだ。
自分の所業を許せないのに、子供をもうけてもいいのか。自分の子を、ちゃんと愛せるだろうか。不安を抱えたまま、時間が過ぎていく。
『はろーは、このよにいてはならない……!!!』
「!?」
不意に誰かの声が聞こえ、ハローは振り向いた。
そこには、誰もいない。額に手を当て、ハローは目を閉じた。
……丁度ひと月前、満月の時よりも強い痛みが、体に走っていた。
「どうしたハロー?」
「……誰かが呼んだ気がしたんだ。気のせいだよ」
「空耳、でしょうか? 湯当たりされましたか?」
「かもね」
痛みを隠し、ハローは笑顔で答えた。
何かの気配が、かなり近づいている。嫌な予感がするな。
「もう今日しかチャンスはない……となると、仕方ない……!」
と、オクトがハローの手を握った。何事かと彼女を見れば、
「あの、今日は先代のおうちに泊まっても、よろしいですか?」
そんな提案をしてきた。
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