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137話 取り戻した最愛の人
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『以上が、監獄での主達の様子だ』
ハヌマーンから話を聞いて、私は驚いていた。
色々衝撃的な話ばかりだ。フェイスが一時的に協力してくれた事は勿論、アプサラスの正体が人形に魂を移植された人間だったとか、二人が彼女を救おうとしているとか。だから手紙に、変な物を用意するよう頼んでいたのね。
私は直接見たわけじゃないから、アプサラスには怒り以外を感じない。でも、ディックが助けようとしているなら、私は彼女としてサポートするまで。
「それにアプサラスを助ける前に、自分が助かりなさいよ……!」
自分が一番危険な目に遭っているのに、人の事を気にしてばかりで……どこまで私を心配させれば気が済むわけ。
「見えてきたぞ、例の監獄だ!」
ドレカー先輩が声を張り上げる。絶海の孤島に浮かぶ、岩の怪物のようなシルエットの監獄だ。
あそこにディックが居るのね……そう思った時だった。
突然監獄が砕けて、巨大な魔女が飛び出してきた!
ディアボロスよりも遥かに巨大化している、確か傲慢の能力で体を自在に変形できるけど……背中から無数の腕を生やし、全身から大砲を露出させ、口を耳まで裂いた姿は、最早化け物だ。
「ディック、大丈夫なのディック!」
目を凝らしてディックの姿を探す。そしたらがれきの中に二人分の影が見えた。
刀を握った、黒髪の男……間違いない、あいつは、あいつは!
「ディック!」
周囲の制止も振り切って、私は飛び出した。
恐怖とかは感じなかった。ただひたすらに、ディックを助けたい。その思いだけで、胸が満たされている。
「ディックぅぅぅぅぅぅぅっ!」
船首からジャンプし、私は翼を広げた。
想いきりはばたいて、風を捕まえたら、飛べた。私、空を飛べた!
今行くから、助けに行くから! だからお願い神様……私をもう一度、ディックと会わせて!
◇◇◇
崩れ落ちてくるがれきを足場に、僕とフェイスは必死に魔女から逃げていた。
まだ大きくなっていく。まるで山のように巨大化した魔女は、僕達を探しまわっていた。
このままじゃ、押しつぶされて殺される。逃げようにも、逃げ場所が……。
『二人とも あれ なぁに? 船が空を 飛んでるよ』
フェイスの懐で、アプサラスが指さした。
そこには、海賊船の艦隊が浮かんでいる。あれは……ドレカーの船ハバネロだ。おまけに、ディアボロスまで連れてきている。
「来た……救援が来てくれたんだ!」
ハヌマーンが連れてきた希望に、僕は一瞬気を抜いてしまった。
足がもつれ、跳ぶのが遅れた。次のがれきに乗り移れず、落ちていく。
「捕まれ!」
その僕の手を、フェイスが掴んだ。
僕を持ち上げ、一緒にがれきへ飛び移る。フェイスはハバネロを見やると、
「ディック、てめぇは先に行ってろ。どうやら、迎えが来たみたいだからな。俺が心をこめて届けてやるよ」
「……君はどうするんだ」
「ディアボロスが来てるみたいでな、後で合流するさ」
「わかった、じゃあ、またあとで」
フェイスは頷くと、エンディミオンを抜いた。
その先端に乗り、フェイスのスイングに合わせてジャンプする。フェイスが飛ばした先には、僕の愛しい人が翼を広げている。
「ディィィィィィィック!」
「シラヌイィィィィィッ!」
腕を伸ばし、彼女の手を掴む。もう掴めはしないと諦めた、彼女の柔らかい手を握りしめ、僕は涙した。
「シラヌイ……会えた、また、会えた!」
「ディック……本物なの? 本物のディックなの! 夢じゃないわよね!」
互いの存在を確かめるように、僕らは抱き合った。
◇◇◇
ディックがシラヌイと抱き合うのと同時に、俺も駆けつけてきたディアボロスに乗っかり脱出していた。
全く、結局俺はあいつの引き立て役になっただけかよ。損な役回りだぜ。
『ばっはっは! 久しいなぁ勇者よ、会えて嬉しいぞ!』
「はっ、人がアンニュイな気分になってるってのに、相変わらずうるせぇジジィだ」
ま、助けに来てくれた事は感謝してやるさ。
感動の抱擁をしているバカップルを見やり、俺は肩をすくめる。ただまぁ、なんつーか、悪くない気分だぜ。
「……会えてよかったな、ディック」
◇◇◇
ディックを堪能した後、私はハヌマーンを返した。
彼は取り戻したけど、終わったわけじゃない。まだ、魔女が残っている。人形の魔女を退治しないと、またディックを奪われてしまうわ。
「シラヌイ、手紙に書いた物は、用意してあるかい?」
「メイライトに頼んであるわ。魔王様も手伝ってくれるから、あれを止めれば、すぐにでも実行できるはずよ」
「そうか……じゃあ、いよいよクライマックスだ」
キリっとするのはいいけど、そろそろ限界……もう飛べない!
落ちかけた時、ディアボロスが拾ってくれた。頭に乗っかると、フェイスも魔女を睨み、たたずんでいる。
『フェイス 私の中のあたしが 消えそうになってる このままじゃ あたしが消えちゃうよ』
「そんな泣きそうに喚くな。あの人形を止めちまえば解決する事だろうが」
フェイスの懐に、魔女と同じ人形が収まっている。あの中にアプサラス本来の人格が居るのよね。
……どうしてフェイスが魔女を助けようと思ったのかは分からない。それに協力してくれるのなら、この上ない味方だわ。
「最後の仕上げだ。魔女を倒して、アプサラスを救出する。それで僕らの、完全勝利だ!」
「残った力全部つぎ込んで、絶対勝ってやる! 勇者の底力をなめんじゃねぇぞ!」
二人の背中が凄く頼もしい。私も最後の力を振り絞ろう。
『よぉーし! そんじゃあここは、魔王様が一言さしあげましょう! 全員で総力を挙げ、人形の魔女を討伐せよ! ハッピーエンドで締めようじゃないか!』
『おおっ!』
船から歓声が上がる。私も行こう、全部を終わらせるために!
「ハヌマーン!」
「エンディミオン!」
『行くぞ!』
二人が魔導具の力を解放した。ディックは悪魔のような姿に、フェイスは天使のような姿になり、各々の武器を握りしめた。
魔女の監獄、最終幕。何としても乗り越えるわよ!
ハヌマーンから話を聞いて、私は驚いていた。
色々衝撃的な話ばかりだ。フェイスが一時的に協力してくれた事は勿論、アプサラスの正体が人形に魂を移植された人間だったとか、二人が彼女を救おうとしているとか。だから手紙に、変な物を用意するよう頼んでいたのね。
私は直接見たわけじゃないから、アプサラスには怒り以外を感じない。でも、ディックが助けようとしているなら、私は彼女としてサポートするまで。
「それにアプサラスを助ける前に、自分が助かりなさいよ……!」
自分が一番危険な目に遭っているのに、人の事を気にしてばかりで……どこまで私を心配させれば気が済むわけ。
「見えてきたぞ、例の監獄だ!」
ドレカー先輩が声を張り上げる。絶海の孤島に浮かぶ、岩の怪物のようなシルエットの監獄だ。
あそこにディックが居るのね……そう思った時だった。
突然監獄が砕けて、巨大な魔女が飛び出してきた!
ディアボロスよりも遥かに巨大化している、確か傲慢の能力で体を自在に変形できるけど……背中から無数の腕を生やし、全身から大砲を露出させ、口を耳まで裂いた姿は、最早化け物だ。
「ディック、大丈夫なのディック!」
目を凝らしてディックの姿を探す。そしたらがれきの中に二人分の影が見えた。
刀を握った、黒髪の男……間違いない、あいつは、あいつは!
「ディック!」
周囲の制止も振り切って、私は飛び出した。
恐怖とかは感じなかった。ただひたすらに、ディックを助けたい。その思いだけで、胸が満たされている。
「ディックぅぅぅぅぅぅぅっ!」
船首からジャンプし、私は翼を広げた。
想いきりはばたいて、風を捕まえたら、飛べた。私、空を飛べた!
今行くから、助けに行くから! だからお願い神様……私をもう一度、ディックと会わせて!
◇◇◇
崩れ落ちてくるがれきを足場に、僕とフェイスは必死に魔女から逃げていた。
まだ大きくなっていく。まるで山のように巨大化した魔女は、僕達を探しまわっていた。
このままじゃ、押しつぶされて殺される。逃げようにも、逃げ場所が……。
『二人とも あれ なぁに? 船が空を 飛んでるよ』
フェイスの懐で、アプサラスが指さした。
そこには、海賊船の艦隊が浮かんでいる。あれは……ドレカーの船ハバネロだ。おまけに、ディアボロスまで連れてきている。
「来た……救援が来てくれたんだ!」
ハヌマーンが連れてきた希望に、僕は一瞬気を抜いてしまった。
足がもつれ、跳ぶのが遅れた。次のがれきに乗り移れず、落ちていく。
「捕まれ!」
その僕の手を、フェイスが掴んだ。
僕を持ち上げ、一緒にがれきへ飛び移る。フェイスはハバネロを見やると、
「ディック、てめぇは先に行ってろ。どうやら、迎えが来たみたいだからな。俺が心をこめて届けてやるよ」
「……君はどうするんだ」
「ディアボロスが来てるみたいでな、後で合流するさ」
「わかった、じゃあ、またあとで」
フェイスは頷くと、エンディミオンを抜いた。
その先端に乗り、フェイスのスイングに合わせてジャンプする。フェイスが飛ばした先には、僕の愛しい人が翼を広げている。
「ディィィィィィィック!」
「シラヌイィィィィィッ!」
腕を伸ばし、彼女の手を掴む。もう掴めはしないと諦めた、彼女の柔らかい手を握りしめ、僕は涙した。
「シラヌイ……会えた、また、会えた!」
「ディック……本物なの? 本物のディックなの! 夢じゃないわよね!」
互いの存在を確かめるように、僕らは抱き合った。
◇◇◇
ディックがシラヌイと抱き合うのと同時に、俺も駆けつけてきたディアボロスに乗っかり脱出していた。
全く、結局俺はあいつの引き立て役になっただけかよ。損な役回りだぜ。
『ばっはっは! 久しいなぁ勇者よ、会えて嬉しいぞ!』
「はっ、人がアンニュイな気分になってるってのに、相変わらずうるせぇジジィだ」
ま、助けに来てくれた事は感謝してやるさ。
感動の抱擁をしているバカップルを見やり、俺は肩をすくめる。ただまぁ、なんつーか、悪くない気分だぜ。
「……会えてよかったな、ディック」
◇◇◇
ディックを堪能した後、私はハヌマーンを返した。
彼は取り戻したけど、終わったわけじゃない。まだ、魔女が残っている。人形の魔女を退治しないと、またディックを奪われてしまうわ。
「シラヌイ、手紙に書いた物は、用意してあるかい?」
「メイライトに頼んであるわ。魔王様も手伝ってくれるから、あれを止めれば、すぐにでも実行できるはずよ」
「そうか……じゃあ、いよいよクライマックスだ」
キリっとするのはいいけど、そろそろ限界……もう飛べない!
落ちかけた時、ディアボロスが拾ってくれた。頭に乗っかると、フェイスも魔女を睨み、たたずんでいる。
『フェイス 私の中のあたしが 消えそうになってる このままじゃ あたしが消えちゃうよ』
「そんな泣きそうに喚くな。あの人形を止めちまえば解決する事だろうが」
フェイスの懐に、魔女と同じ人形が収まっている。あの中にアプサラス本来の人格が居るのよね。
……どうしてフェイスが魔女を助けようと思ったのかは分からない。それに協力してくれるのなら、この上ない味方だわ。
「最後の仕上げだ。魔女を倒して、アプサラスを救出する。それで僕らの、完全勝利だ!」
「残った力全部つぎ込んで、絶対勝ってやる! 勇者の底力をなめんじゃねぇぞ!」
二人の背中が凄く頼もしい。私も最後の力を振り絞ろう。
『よぉーし! そんじゃあここは、魔王様が一言さしあげましょう! 全員で総力を挙げ、人形の魔女を討伐せよ! ハッピーエンドで締めようじゃないか!』
『おおっ!』
船から歓声が上がる。私も行こう、全部を終わらせるために!
「ハヌマーン!」
「エンディミオン!」
『行くぞ!』
二人が魔導具の力を解放した。ディックは悪魔のような姿に、フェイスは天使のような姿になり、各々の武器を握りしめた。
魔女の監獄、最終幕。何としても乗り越えるわよ!
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