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34_衝撃
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舞踏会も無事に終わり俺たちが一息ついていた頃、それは突然にやってきた。
「1週間後にテストがあるぞ」
「えええええ!!」
それは悪魔のお告げだった。朝のホームルームでこんなショックなこと言われると思わなかったため、心の準備ができていなかった。俺の心臓がバクバク言っている。それはもうかつてないほどに。
叫んでしまった俺を鬱陶しそうにコウヤ先生は見た。そんな目で見ないで、本当にびっくりしたんだ。しょうがないじゃんか。
「うるせえ」
「なんで先生もっと早く言ってくれなかったんですか!」
「ああ"?」
ごめん、先生怖い、凄まないで。あー、それにしてもやばい。凄くやばい。かつてないほどにやばい。
あ、そうだヒルエがいる!ヒルエは学年1位だ。頭下げて、必死にお願いすれば、教えてくれるだろう。
バッとヒルエの方を見ると、何か察したのかベロを出してそっぽを向いた。何が何でも手伝ってもらわないと。そう胸で決意を固めた。寮に帰ったら、頼み込もう。
コウヤ先生の諸連絡を軽く聞き流しながら、俺はプランを練っていた。
------------------
「というわけで、俺に勉強を教えて下さい!」
「嫌だ」
寮に帰り、すぐ俺はヒルエの前で土下座をした。ヒルエはそれを見下し、冷たく言い放った。
「なんで!?」
「お前に勉強を教えるのは疲れる」
「ごめん!本当にごめん!でも、教えて!」
「…ちなみにどの教科がヤバいんだよ」
呆れた目でこっちを見てくるヒルエ。
「全部!歴史、薬草学、魔法基礎学、召喚学が特にヤバい!んで、群を抜いてヤバいのが光属性専門魔法学!」
光属性専門魔法学は光属性の生徒だけで行う授業である。通称白学と呼ばれる。
「白学は俺は教えられないぞ。俺は赤学だから」
赤学は火属性専門魔法学。火属性のヒルエはそっちを履修している。どうしよう。しかも、セルトは水属性専門魔法学…青学だから頼れない。
「あ、あと召喚学は教えられない」
「なんで!?」
「実技は苦手なんだ。俺ができるのは座学だけだ」
「苦手と言ったってそつなくこなしているじゃありませんかあああ!」
俺はヒルエにすがりつく。目から溢れる液体で悟って欲しい。それほどまでに俺は追い詰められている。
「ウザい。人に教えられる程じゃない。しょうがないから、それ以外は見てやる。あとは、自力でするか、誰か見つけろ」
グッスンと泣き止むが、とりあえずそれらはどうにかなりそうで安心した。あとは実技。白学は座学と実技両方あって、召喚学は実技だけ…。ちなみに俺は召喚学の授業で召喚できたことがない。なんでも、不器用らしい。
「ありがとうございます!」
とりあえず、白学は先生を頼ろう。あとは召喚学だ。セルトは確か召喚学を履修してなかったし、ギルもしてなかった。
「歴史と薬草学はひたすら暗記だ。ただ、魔法基礎学だけは、魔法術式の仕組みを理解しなきゃならない」
魔法基礎学の主な授業内容は魔法術式である。そんなのわかんなくても何と無く魔法が使えているんだから良いじゃないかと思っているんだが、どうやらそうもいかないらしくて。
「ほら、何ぼさっとしてんだよ。俺が教えるからには赤点なんてとったら全校生徒の前で犯すからな」
「はい!」
教えてもらうリスクは高かった…。ヒルエ怖い…。恐怖の家庭教師だ。俺はすでに心が折れそうになりながら、勉強を始めた。
「1週間後にテストがあるぞ」
「えええええ!!」
それは悪魔のお告げだった。朝のホームルームでこんなショックなこと言われると思わなかったため、心の準備ができていなかった。俺の心臓がバクバク言っている。それはもうかつてないほどに。
叫んでしまった俺を鬱陶しそうにコウヤ先生は見た。そんな目で見ないで、本当にびっくりしたんだ。しょうがないじゃんか。
「うるせえ」
「なんで先生もっと早く言ってくれなかったんですか!」
「ああ"?」
ごめん、先生怖い、凄まないで。あー、それにしてもやばい。凄くやばい。かつてないほどにやばい。
あ、そうだヒルエがいる!ヒルエは学年1位だ。頭下げて、必死にお願いすれば、教えてくれるだろう。
バッとヒルエの方を見ると、何か察したのかベロを出してそっぽを向いた。何が何でも手伝ってもらわないと。そう胸で決意を固めた。寮に帰ったら、頼み込もう。
コウヤ先生の諸連絡を軽く聞き流しながら、俺はプランを練っていた。
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「というわけで、俺に勉強を教えて下さい!」
「嫌だ」
寮に帰り、すぐ俺はヒルエの前で土下座をした。ヒルエはそれを見下し、冷たく言い放った。
「なんで!?」
「お前に勉強を教えるのは疲れる」
「ごめん!本当にごめん!でも、教えて!」
「…ちなみにどの教科がヤバいんだよ」
呆れた目でこっちを見てくるヒルエ。
「全部!歴史、薬草学、魔法基礎学、召喚学が特にヤバい!んで、群を抜いてヤバいのが光属性専門魔法学!」
光属性専門魔法学は光属性の生徒だけで行う授業である。通称白学と呼ばれる。
「白学は俺は教えられないぞ。俺は赤学だから」
赤学は火属性専門魔法学。火属性のヒルエはそっちを履修している。どうしよう。しかも、セルトは水属性専門魔法学…青学だから頼れない。
「あ、あと召喚学は教えられない」
「なんで!?」
「実技は苦手なんだ。俺ができるのは座学だけだ」
「苦手と言ったってそつなくこなしているじゃありませんかあああ!」
俺はヒルエにすがりつく。目から溢れる液体で悟って欲しい。それほどまでに俺は追い詰められている。
「ウザい。人に教えられる程じゃない。しょうがないから、それ以外は見てやる。あとは、自力でするか、誰か見つけろ」
グッスンと泣き止むが、とりあえずそれらはどうにかなりそうで安心した。あとは実技。白学は座学と実技両方あって、召喚学は実技だけ…。ちなみに俺は召喚学の授業で召喚できたことがない。なんでも、不器用らしい。
「ありがとうございます!」
とりあえず、白学は先生を頼ろう。あとは召喚学だ。セルトは確か召喚学を履修してなかったし、ギルもしてなかった。
「歴史と薬草学はひたすら暗記だ。ただ、魔法基礎学だけは、魔法術式の仕組みを理解しなきゃならない」
魔法基礎学の主な授業内容は魔法術式である。そんなのわかんなくても何と無く魔法が使えているんだから良いじゃないかと思っているんだが、どうやらそうもいかないらしくて。
「ほら、何ぼさっとしてんだよ。俺が教えるからには赤点なんてとったら全校生徒の前で犯すからな」
「はい!」
教えてもらうリスクは高かった…。ヒルエ怖い…。恐怖の家庭教師だ。俺はすでに心が折れそうになりながら、勉強を始めた。
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