リトル君の魔法学園生活

鬼灯

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18_舞踏会の報せ

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「ぶひょうふぁい??」

「…」

「舞踏会だよ、リトル。ふふっ、口ついてる」

「な…//」

セルトは俺の口についていた生クリームを指ですくって食べた。

「リトル、甘いね」

「あ、甘いのは生クリームだ!//」

「おい、食堂でいちゃつくんじゃなねぇよ。セルトは見た目が良い分いいが、お前は見れたもんじゃないぜ」

「ヒルエに言われんでも分かってるっつうの!」

俺は口いっぱいにパフェをほう張った。やけ食いだ。

「リトルは可愛いよ」

「セルトさん…眼科にいくことをオススメします」

「俺は視力いいよ。リトルがよく見える」

イケメンなセルトの顔が俺に近づいてくる。やばい…。イケメンだけあって雰囲気が…。

「…イケメン滅べ//」

「ふふっ」

「平凡ー」

ヒルエに抱きついて、平凡を補充。ヒルエは抱きつかれても無視してるが。

「んで、舞踏会って?」

お、そうだそうだ。その話してたんだ。舞踏会!。でも、何だよ舞踏会って。

 
「この学校の伝統なんだ」

「この学校って無駄にそういうの多いよなぁ…」

伝統を重んじる魔法世界にある学校なんだから当たり前といえば当たり前なのか…。

「んで、その舞踏会ってのはいつあるんだ?」

「一週間後だよ」

「マジ?俺、ダンスなんて踊れねぇよ。習ったことはあるけど」

フィルさんがワルツを教えてくれたけど、それってもう何年も前のことだし、覚えてねぇよ。

「最悪、踊らなくても良いらしいよ。ちなみにヒルエは踊れるの?」

 「全部踊れる。そこのアホと違ってな」

「うぅ…ダンスなんて踊れなくても生きていけんだよ」

「現在進行形で障害になってんじゃねぇか」

「まぁまぁ」

セルトが俺たちの間に入って止める。

「セルトは踊れるのか?って聞くまでもないか…イケメンめ」

「一応だよ」

「これで踊れないのはてめぇだけだな」

「踊らなくても良いんだよ…」

踊らなきゃいんだ!

「えー、僕はリトルと踊りたかったな」

「ヒルエと踊ってくれ」

「えー」

そう言われても、一週間で俺がダンスを覚えられるとは思わない。てか、覚える気はない。

「あ、でも、生徒会の相手に選ばれたら踊らなくちゃならないよ」

「それはない。そういうのはS組の仕事だろ?」

「いや、ランダムらしいよ。リトル、気をつけてね!」

セルトは俺の手を両手で握って言った。え?なんでそんなに心配されてんだよ。俺になる確率がどんだけ少ないと思ってんだよ。


「自覚しろ、トラブルメーカー」

「いやいや、流石にないっしょ!?」

「不可能な事を起こすのがリトルだから俺心配だよ…」

本当に心配そうな目で見ないでよセルトさん!流石にないから!

「生徒会の相手っていつ決まるんだ」

「実は誰も知らないんだ。極秘に通達されて舞踏会の日まで隠し通すんだ」

「うちの学校って変なところに凝るよな」

「エンターテイナーなんだよ」


「まぁ、俺が選ばれることなんてマジでないよ!」



この時の俺は知らなかった。俺のトラブルメーカーぶりには確率なんて関係ないってことを…。
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