8 / 9
プロローグ
『黒薔薇の貴公子様の嘲笑の笑み』
しおりを挟む
「それで、そのゲームということについてもう少し詳しく教えて下さい」
今後のことについて話すにしても、先ずは弟の言うその乙女ゲームというゲームについて知らなければ元も子もない、そう告げると弟も頷きました。
「そもそも、それは… どういうゲームになるんですか?あなたがその腐男子というのはわかりましたがゲームについてもう少し詳しく教えて頂かないと」
そこまで言うと、弟は私を見て首を傾げる。
「…なんです?」
「あれ?くろ… 兄さんは俺のこと、軽蔑したりしないの?かなって。いや、ほら!そういうの… 嫌いな人間もいるから」
驚いた表情と何だか複雑そうな表情をする弟に盛大に溜め息ついてから、ジトリと目を送る…。
「なんです?拒絶してほしかったのですか?別に弟がMでも罵倒と張っ倒すくらいなら…『待って待って!ちょっと待ってお兄サマw途中までの雰囲気どこにやっちゃったのw』
「ふぅ、違ったのですか…」
違うよ!?とツッコミを入れる弟は『あれ?途中までのシリアスな雰囲気どこに行っちゃったの!?』と一人で喚いているので、とりあえず放置してみました。
・・・・・数分後。
ハイドに新しい紅茶を淹れてもらい、買い出しに行かせる。ようやく、弟も静かになったので先ほどの問いに紅茶を一口飲んで答える。
「先ほどの、あなたの質問ですが」
そこで一旦言葉を切って、弟の目をじっと見据えると嘲笑か自嘲の笑みか、自分でも無意識に口角を上げていました。
「ええ、確かにそういった者たちを嫌悪する者たちもいることは事実。ですが、この世界ではそれも少数派ですよ?…だからこそ、この世界は酷く醜くなってしまった」
え?醜く…??どういこと?
そう首を傾げる弟に、くすりと笑う。
「別にそれが一概に悪いとは言いませんがね。…奴隷市場、特に需要が高いのは何だと思います?」
「え゙ッ」
「貴族に需要が高く、より高値で取引きされているのが、男の子なんですよ?それもあなたくらいの。今の貴族は腐りきった連中ばかり、彼らのほとんどは… 少年愛好家ばかりですよ。」
くすりと冷たい笑みが浮かべる私に、サッと青ざめた弟が『なんで…』と口にする。
「それは――‥ 」
一瞬、口走りそうになった言葉を呑み込んで、またニコリと弟に目を向ける。その瞳に酷薄な光を宿らせてーー。
「いえ、あなたが知る必要のないことですよ」
その言葉にか、それとも私の表情を見てか… びくり、と体を震わせる弟。話を逸らすために手をパンパン叩くと弟は目を瞬く。
「それよりも、いい加減ゲームについて教えて下さい」
だいぶ、話が逸れたせいなのか、弟がまだ何か聞きたそうにしていましたが、私がこれ以上話す気がないと察すると、そのゲームについて語り始めました。
今後のことについて話すにしても、先ずは弟の言うその乙女ゲームというゲームについて知らなければ元も子もない、そう告げると弟も頷きました。
「そもそも、それは… どういうゲームになるんですか?あなたがその腐男子というのはわかりましたがゲームについてもう少し詳しく教えて頂かないと」
そこまで言うと、弟は私を見て首を傾げる。
「…なんです?」
「あれ?くろ… 兄さんは俺のこと、軽蔑したりしないの?かなって。いや、ほら!そういうの… 嫌いな人間もいるから」
驚いた表情と何だか複雑そうな表情をする弟に盛大に溜め息ついてから、ジトリと目を送る…。
「なんです?拒絶してほしかったのですか?別に弟がMでも罵倒と張っ倒すくらいなら…『待って待って!ちょっと待ってお兄サマw途中までの雰囲気どこにやっちゃったのw』
「ふぅ、違ったのですか…」
違うよ!?とツッコミを入れる弟は『あれ?途中までのシリアスな雰囲気どこに行っちゃったの!?』と一人で喚いているので、とりあえず放置してみました。
・・・・・数分後。
ハイドに新しい紅茶を淹れてもらい、買い出しに行かせる。ようやく、弟も静かになったので先ほどの問いに紅茶を一口飲んで答える。
「先ほどの、あなたの質問ですが」
そこで一旦言葉を切って、弟の目をじっと見据えると嘲笑か自嘲の笑みか、自分でも無意識に口角を上げていました。
「ええ、確かにそういった者たちを嫌悪する者たちもいることは事実。ですが、この世界ではそれも少数派ですよ?…だからこそ、この世界は酷く醜くなってしまった」
え?醜く…??どういこと?
そう首を傾げる弟に、くすりと笑う。
「別にそれが一概に悪いとは言いませんがね。…奴隷市場、特に需要が高いのは何だと思います?」
「え゙ッ」
「貴族に需要が高く、より高値で取引きされているのが、男の子なんですよ?それもあなたくらいの。今の貴族は腐りきった連中ばかり、彼らのほとんどは… 少年愛好家ばかりですよ。」
くすりと冷たい笑みが浮かべる私に、サッと青ざめた弟が『なんで…』と口にする。
「それは――‥ 」
一瞬、口走りそうになった言葉を呑み込んで、またニコリと弟に目を向ける。その瞳に酷薄な光を宿らせてーー。
「いえ、あなたが知る必要のないことですよ」
その言葉にか、それとも私の表情を見てか… びくり、と体を震わせる弟。話を逸らすために手をパンパン叩くと弟は目を瞬く。
「それよりも、いい加減ゲームについて教えて下さい」
だいぶ、話が逸れたせいなのか、弟がまだ何か聞きたそうにしていましたが、私がこれ以上話す気がないと察すると、そのゲームについて語り始めました。
12
お気に入りに追加
412
あなたにおすすめの小説
運命を変えるために良い子を目指したら、ハイスペ従者に溺愛されました
十夜 篁
BL
初めて会った家族や使用人に『バケモノ』として扱われ、傷ついたユーリ(5歳)は、階段から落ちたことがきっかけで神様に出会った。
そして、神様から教えてもらった未来はとんでもないものだった…。
「えぇ!僕、16歳で死んじゃうの!?
しかも、死ぬまでずっと1人ぼっちだなんて…」
ユーリは神様からもらったチートスキルを活かして未来を変えることを決意!
「いい子になってみんなに愛してもらえるように頑張ります!」
まずユーリは、1番近くにいてくれる従者のアルバートと仲良くなろうとするが…?
「ユーリ様を害する者は、すべて私が排除しましょう」
「うぇ!?は、排除はしなくていいよ!!」
健気に頑張るご主人様に、ハイスペ従者の溺愛が急成長中!?
そんなユーリの周りにはいつの間にか人が集まり…。
《これは、1人ぼっちになった少年が、温かい居場所を見つけ、運命を変えるまでの物語》
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
攻略対象者やメインキャラクター達がモブの僕に構うせいでゲーム主人公(ユーザー)達から目の敵にされています。
慎
BL
───…ログインしました。
無機質な音声と共に目を開けると、未知なる世界… 否、何度も見たことがある乙女ゲームの世界にいた。
そもそも何故こうなったのか…。経緯は人工頭脳とそのテクノロジー技術を使った仮想現実アトラクション体感型MMORPGのV Rゲームを開発し、ユーザーに提供していたのだけど、ある日バグが起きる───。それも、ウィルスに侵されバグが起きた人工頭脳により、ゲームのユーザーが現実世界に戻れなくなった。否、人質となってしまい、会社の命運と彼らの解放を掛けてゲームを作りストーリーと設定、筋書きを熟知している僕が中からバグを見つけ対応することになったけど…
ゲームさながら主人公を楽しんでもらってるユーザーたちに変に見つかって騒がれるのも面倒だからと、ゲーム案内人を使って、モブの配役に着いたはずが・・・
『これはなかなか… 面白い方ですね。正直、悪魔が勇者とか神子とか聖女とかを狙うだなんてベタすぎてつまらないと思っていましたが、案外、貴方のほうが楽しめそうですね』
「は…!?いや、待って待って!!僕、モブだからッッそれ、主人公とかヒロインの役目!!」
本来、主人公や聖女、ヒロインを襲撃するはずの上級悪魔が… なぜに、モブの僕に構う!?そこは絡まないでくださいっっ!!
『……また、お一人なんですか?』
なぜ、人間族を毛嫌いしているエルフ族の先代魔王様と会うんですかね…!?
『ハァ、子供が… 無茶をしないでください』
なぜ、隠しキャラのあなたが目の前にいるんですか!!!っていうか、こう見えて既に成人してるんですがッ!
「…ちょっと待って!!なんか、おかしい!主人公たちはあっっち!!!僕、モブなんで…!!」
ただでさえ、コミュ症で人と関わりたくないのに、バグを見つけてサクッと直す否、倒したら終わりだと思ってたのに… 自分でも気づかないうちにメインキャラクターたちに囲われ、ユーザー否、主人公たちからは睨まれ…
「僕、モブなんだけど」
ん゙ん゙ッ!?……あれ?もしかして、バレてる!?待って待って!!!ちょっ、と…待ってッ!?僕、モブ!!主人公あっち!!!
───だけど、これはまだ… ほんの序の口に過ぎなかった。
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
目覚めたそこはBLゲームの中だった。
慎
BL
ーーパッパー!!
キキーッ! …ドンッ!!
鳴り響くトラックのクラクションと闇夜を一点だけ照らすヘッドライト‥
身体が曲線を描いて宙に浮く…
全ての景色がスローモーションで… 全身を襲う痛みと共に訪れた闇は変に心地よくて、目を開けたらそこは――‥
『ぇ゙ッ・・・ ここ、どこ!?』
異世界だった。
否、
腐女子だった姉ちゃんが愛用していた『ファンタジア王国と精霊の愛し子』とかいう… なんとも最悪なことに乙女ゲームは乙女ゲームでも… BLゲームの世界だった。
メインキャラ達の様子がおかしい件について
白鳩 唯斗
BL
前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。
サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。
どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。
ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。
世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。
どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!
主人公が老若男女問わず好かれる話です。
登場キャラは全員闇を抱えています。
精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。
BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。
恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。
王道学園なのに、王道じゃない!!
主食は、blです。
BL
今作品の主人公、レイは6歳の時に自身の前世が、陰キャの腐男子だったことを思い出す。
レイは、自身のいる世界が前世、ハマりにハマっていた『転校生は愛され優等生.ᐟ.ᐟ』の世界だと気付き、腐男子として、美形×転校生のBのLを見て楽しもうと思っていたが…
BLゲームのモブとして転生したはずが、推し王子からの溺愛が止まらない~俺、壁になりたいって言いましたよね!~
志波咲良
BL
主人公――子爵家三男ノエル・フィニアンは、不慮の事故をきっかけに生前大好きだったBLゲームの世界に転生してしまう。
舞台は、高等学園。夢だった、美男子らの恋愛模様を壁となって見つめる日々。
そんなある日、推し――エヴァン第二王子の破局シーンに立ち会う。
次々に展開される名シーンに感極まっていたノエルだったが、偶然推しの裏の顔を知ってしまい――?
「さて。知ってしまったからには、俺に協力してもらおう」
ずっと壁(モブ)でいたかったノエルは、突然ゲーム内で勃発する色恋沙汰に巻き込まれてしまう!?
□
・感想があると作者が喜びやすいです
・お気に入り登録お願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる