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- 陰の王国と廻りだす歯車 -
『オーディットの悶絶とバクの位置づけ』
しおりを挟む《プモッ!》
ふみっ。
や… やめて下さい!!その小さな手足で僕の頬をふみふみとか、僕を悶え死にさせる気なんですか///!?
《プギュゥ?》
ぼふっ!
こ、今度は僕の布団の上にボフッ!て。ボフッて飛び乗ってきましたよ!?乗し掛かって来ましたよっ あの小さな手足とプニプニした小さな体で。
《プギッ!》
「…………」
こ、今度はッ あの小さな手足でペチペチ叩いてきましたッ はぅっ/// だ、だめです…っ これ以上やられると悶えすぎて僕の身体が震えてしまいそうですっ!そ、それだけは。それだけは避けなければ…っ!僕を起こそうと必死のバクに気づかれてしまいますっ!僕が… 僕が……
【ずっと、狸寝入りしてるって。】
バレてしまいます!そうなっては、次は何をしてくれるんでしょうか!?という僕の期待が…
プギュゥゥウ!!!
あ。
『さっきから全部聞こえてるんだけど!!』
バクがキレました。←
プギッ!
『キミって、ちょっと抜けてるね…。僕、最初の最初に。それも一番最初に言ったと思うんだけど?心の声も聞こえるって』
プギュゥ!と鳴いて、バクの目が半眼になるも、ぼくにとっては… 可愛いぬいぐるみ否小動物にしか見えない。
プギュゥゥウッ!
『あのさぁ、キミの僕の扱いについて前から言いたかったんだけど。…まさかとは思うけど、僕のことをそこらの小動物と同じポジションと考えていないよね!?』
え、えーーっと…。
「そ、そんなことは… あるはずないじゃないですか!」
プギッ!
『……目は口ほどに物を言うって言葉、知ってる?』
「ぅぐっ!」
プ、ギュゥッ!
『あのねぇ、僕はこれでも偉大なる精霊サマなんだよ?そんなそこらの生き物と一緒にされたら困るんだけど』
「どうして?」
不思議そうに首を傾げる僕にバクは少し目を逸らして言った。
プモッ!
『まぁ、僕の自尊心の問題なんだけど。』
「……バクって、見た目に反して難しい言葉を知ってるんですね。先ず、そこに驚きが行くんですが」
プギプギッ!
『可愛いは余計だよ。…ハァ、難しい言葉もなにも僕は精霊でキミより遥かに長生きしているんだから知ってて当たり前でしょ』
呆れた目を向けられました。
プギッ、と小さく鳴いて、その小さな手でペチペチ叩いてくるのは… 悶絶ものです…ッ!
『…ねぇ、僕の話ちゃんと聞いてる?』
ってか、ぶっちゃけ僕の話聞いてないよね!?と詰め寄るバクに、僕が取った行動は…
ぐりぐりとバクの腹に頭を擦り付けた。
『・・・。』
プギュゥ!
『だから!抱き枕じゃないだって… 僕、前にも言ったよね!?』
プギ!プギュー…
『この姿のどこがそんなに良いのかわからないんだけど。だって、これ幼体だよ』
幼体…?その単語に、カッと目が開く。
「え、ちょっと待ってください… 幼体ってなんですか?」
プキュゥ?
『あれ?言ってなかったっけ??この姿は僕の幼体になるんだよ。…で、さっきの人型が僕の成体になるんだけど。簡単に言うと、子供と大人ってことだよ。
人の形を取れる精霊は限られていてね、そういった精霊たちは精霊の中でも高次元の精霊に当たるんだ。まあ、滅多にないことだから、見る機会もそんなにないと思うけど、頭の隅にでも入れといてよ』
「え、じゃあ… ってことは、バクも?」
プモッ!
『まあね。前に、僕はこの世界の神に頼まれてアイツの影を追っていたって言ったよね?今は訳あってこの姿なんだけど…。何せ、成体から幼体に姿を変えると力が制限されるから、あまり派手に力は使えないんだ。だから、キミの道案内役を買って出たんだよ』
「そうなんですね…」
プキュゥ!
『そう、だから一一』
コンコン、
「失礼致します」
「!」
プモッ
『大丈夫だから』
突然のノックの音とにビクリと肩が震える。
「オーディット殿下、おはようごさいます。…お身体の具合は大丈夫ですか?」
入ってきたのは…
兄上の右腕の側近で、兄上の信頼の置ける古き友人であり、従者のジークでした。
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