8 / 117
- 乙女ゲームの世界観と宿命 -
『二つの国と初代創建国の王』
しおりを挟む
僕が何とも言えない表情をしていると、
それを見たバクは、話しが逸れちゃったね… と苦笑いを浮かべた。
『話しを戻すよ?――‥ それで、帰すことができない理由を述べて謝ったら、彼らはまだ子供だったのに笑って許してくれたよ。きっとこうなることが運命だったと。自分たちの定めだったんじゃないかと… 彼らは言ってくれた。
そして、彼らは言ったんだ。謝罪はいいから国が欲しいってね』
・・・は?え、国!?子供が…?
思わず目が点になる僕にバクはくすくすと笑った。
『だよねぇ?普通はそうなるよね。僕らもそうだったよ。いきなり何を言うかと思えば国が欲しいなんて言うもんだから、僕らも今のキミと同様に目を点にしたよ』
もう一度、くすっと微笑んだバクは僕を見据えた
『彼ら二人は唖然とした僕らに、こう言ったよ。この世に絶対なものはないと。魔神を封印しても、封印の力というものはモノと同じく時が経つにつれ劣化するものだと。
その時に備えて光と闇、二つの力をそれぞれ二つに分ける為に国を二つ欲しいと二人に言われたよ。その力を次世代に引き継ぐために、と… 。
二つに分かれる理由はね、平等に力の均衡を保つためなんだよ。大き過ぎる力が一点に集まると、崇拝すべき力は今度は畏怖の対象となる。だから、少しでも軽減させる為に、二つに分かれる必要があったんだ』
なんていうか、壮絶というか…。その子供が凄すぎて…。困惑を見せる僕にバクは真面目な表情で僕に言った。
『言っておくけど、これはキミにも関係ある話だからちゃんと聞いていてよ?
――‥で、双子の迷い人は、二つに分かれた。
それぞれ国を築き、光(陽)の一族を率いる国と闇(陰)の一族を率いる国… 彼ら二人は国を治め、それぞれ初代建国の王となり、その力とその血を次世代へと引き継いだ。彼らはこの世界の救世主と、今でもお伽話で引き継がれているけれど僕たちと違って寿命の短い人間たちは時の流れと共に後世に伝える者も減って、本当にただのお伽話と思うようになっていったみたいだけどね』
残念だけど、それはそれで仕方がないことなのかもしれないね… と寂しそうに苦笑するバク。ほんの一瞬、その話に違和感のようなものを感じたけれど、きっと気のせいだと思い、僕も曖昧に微笑んだ。
それを見たバクは、話しが逸れちゃったね… と苦笑いを浮かべた。
『話しを戻すよ?――‥ それで、帰すことができない理由を述べて謝ったら、彼らはまだ子供だったのに笑って許してくれたよ。きっとこうなることが運命だったと。自分たちの定めだったんじゃないかと… 彼らは言ってくれた。
そして、彼らは言ったんだ。謝罪はいいから国が欲しいってね』
・・・は?え、国!?子供が…?
思わず目が点になる僕にバクはくすくすと笑った。
『だよねぇ?普通はそうなるよね。僕らもそうだったよ。いきなり何を言うかと思えば国が欲しいなんて言うもんだから、僕らも今のキミと同様に目を点にしたよ』
もう一度、くすっと微笑んだバクは僕を見据えた
『彼ら二人は唖然とした僕らに、こう言ったよ。この世に絶対なものはないと。魔神を封印しても、封印の力というものはモノと同じく時が経つにつれ劣化するものだと。
その時に備えて光と闇、二つの力をそれぞれ二つに分ける為に国を二つ欲しいと二人に言われたよ。その力を次世代に引き継ぐために、と… 。
二つに分かれる理由はね、平等に力の均衡を保つためなんだよ。大き過ぎる力が一点に集まると、崇拝すべき力は今度は畏怖の対象となる。だから、少しでも軽減させる為に、二つに分かれる必要があったんだ』
なんていうか、壮絶というか…。その子供が凄すぎて…。困惑を見せる僕にバクは真面目な表情で僕に言った。
『言っておくけど、これはキミにも関係ある話だからちゃんと聞いていてよ?
――‥で、双子の迷い人は、二つに分かれた。
それぞれ国を築き、光(陽)の一族を率いる国と闇(陰)の一族を率いる国… 彼ら二人は国を治め、それぞれ初代建国の王となり、その力とその血を次世代へと引き継いだ。彼らはこの世界の救世主と、今でもお伽話で引き継がれているけれど僕たちと違って寿命の短い人間たちは時の流れと共に後世に伝える者も減って、本当にただのお伽話と思うようになっていったみたいだけどね』
残念だけど、それはそれで仕方がないことなのかもしれないね… と寂しそうに苦笑するバク。ほんの一瞬、その話に違和感のようなものを感じたけれど、きっと気のせいだと思い、僕も曖昧に微笑んだ。
32
お気に入りに追加
3,795
あなたにおすすめの小説

王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。
薄明 喰
BL
アーバスノイヤー公爵家の次男として生誕した僕、ルナイス・アーバスノイヤーは日本という異世界で生きていた記憶を持って生まれてきた。
アーバスノイヤー公爵家は表向きは代々王家に仕える近衛騎士として名を挙げている一族であるが、実は陰で王家に牙を向ける者達の処分や面倒ごとを片付ける暗躍一族なのだ。
そんな公爵家に生まれた僕も将来は家業を熟さないといけないのだけど…前世でなんの才もなくぼんやりと生きてきた僕には無理ですよ!!
え?
僕には暗躍一族としての才能に恵まれている!?
※すべてフィクションであり実在する物、人、言語とは異なることをご了承ください。
色んな国の言葉をMIXさせています。
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

いじめっこ令息に転生したけど、いじめなかったのに義弟が酷い。
えっしゃー(エミリオ猫)
BL
オレはデニス=アッカー伯爵令息(18才)。成績が悪くて跡継ぎから外された一人息子だ。跡継ぎに養子に来た義弟アルフ(15才)を、グレていじめる令息…の予定だったが、ここが物語の中で、義弟いじめの途中に事故で亡くなる事を思いだした。死にたくないので、優しい兄を目指してるのに、義弟はなかなか義兄上大好き!と言ってくれません。反抗期?思春期かな?
そして今日も何故かオレの服が脱げそうです?
そんなある日、義弟の親友と出会って…。

乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました
西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて…
ほのほのです。
※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。

アルファな俺が最推しを救う話〜どうして俺が受けなんだ?!〜
車不
BL
5歳の誕生日に階段から落ちて頭を打った主人公は、自身がオメガバースの世界を舞台にしたBLゲームに転生したことに気づく。「よりにもよってレオンハルトに転生なんて…悪役じゃねぇか!!待てよ、もしかしたらゲームで死んだ最推しの異母兄を助けられるかもしれない…」これは第2の性により人々の人生や生活が左右される世界に疑問を持った主人公が、最推しの死を阻止するために奮闘する物語である。

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み

悪役令息に転生したけど…俺…嫌われすぎ?
「ARIA」
BL
階段から落ちた衝撃であっけなく死んでしまった主人公はとある乙女ゲームの悪役令息に転生したが...主人公は乙女ゲームの家族から甘やかされて育ったというのを無視して存在を抹消されていた。
王道じゃないですけど王道です(何言ってんだ?)どちらかと言うとファンタジー寄り
更新頻度=適当

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている
迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。
読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)
魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。
ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。
それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。
それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。
勘弁してほしい。
僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる