断罪フラグを回避したらヒロインの攻略対象者である自分の兄に監禁されました。

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- 乙女ゲームの世界観と宿命 -

『二つの国と初代創建国の王』

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僕が何とも言えない表情をしていると、
それを見たバクは、話しが逸れちゃったね… と苦笑いを浮かべた。

『話しを戻すよ?――‥ それで、帰すことができない理由を述べて謝ったら、彼らはまだ子供だったのに笑って許してくれたよ。きっとこうなることが運命だったと。自分たちの定めだったんじゃないかと… 彼らは言ってくれた。

そして、彼らは言ったんだ。謝罪はいいから国が欲しいってね』

・・・は?え、国!?子供が…?


思わず目が点になる僕にバクはくすくすと笑った。

『だよねぇ?普通はそうなるよね。僕らもそうだったよ。いきなり何を言うかと思えば国が欲しいなんて言うもんだから、僕らも今のキミと同様に目を点にしたよ』

もう一度、くすっと微笑んだバクは僕を見据えた


『彼ら二人は唖然とした僕らに、こう言ったよ。この世に絶対なものはないと。魔神を封印しても、封印の力というものはモノと同じく時が経つにつれ劣化するものだと。
その時に備えて光と闇、二つの力をそれぞれ二つに分ける為に国を二つ欲しいと二人に言われたよ。その力を次世代に引き継ぐために、と… 。

二つに分かれる理由はね、平等に力の均衡を保つためなんだよ。大き過ぎる力が一点に集まると、崇拝すべき力は今度は畏怖の対象となる。だから、少しでも軽減させる為に、二つに分かれる必要があったんだ』

なんていうか、壮絶というか…。その子供が凄すぎて…。困惑を見せる僕にバクは真面目な表情で僕に言った。

『言っておくけど、これはキミにも関係ある話だからちゃんと聞いていてよ?

――‥で、双子の迷い人は、二つに分かれた。
それぞれ国を築き、光(陽)の一族を率いる国と闇(陰)の一族を率いる国… 彼ら二人は国を治め、それぞれ初代建国の王となり、その力とその血を次世代へと引き継いだ。彼らはこの世界の救世主と、今でもお伽話で引き継がれているけれど僕たちと違って寿命の短い人間たちは時の流れと共に後世に伝える者も減って、本当にただのお伽話と思うようになっていったみたいだけどね』

残念だけど、それはそれで仕方がないことなのかもしれないね… と寂しそうに苦笑するバク。ほんの一瞬、その話に違和感のようなものを感じたけれど、きっと気のせいだと思い、僕も曖昧に微笑んだ。
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