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- 謎多き執事の秘密ごと -

『僕はこの執事が苦手だ』

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『単純に言えば貴方のことが心配だからですよ』

それ以前に私めは執事ですが、といろいろと含んだ瞳でそう見下ろされる…。

「……心配?僕より姉上のほうが優先的だと思うけど。それに、レオン達は姉上を守るために王家から派遣されたんでしょ?」

王太子殿下の婚約者だから───。

……なのに、この執事は僕を見下ろしたまま、またこれ見よがしに溜め息つく。

『はぁああ…。前々から思っていましたが、アラン様は少し鈍いところがありますよね』


・・・前に姉上にも同じことを言われたとは決して言わない。言ったら最後、この執事にそれ見たことかとばかりに馬鹿にされるのは目に見えている。

『アラン様は何か勘違いされているようですが、我々が王家から派遣された理由は何も姉君のソフィアお嬢様に仕えるためだけではありませんよ。……お父君に説明されませんでしたか?』


その初めて聞かされる言葉に、

「・・・え?」

驚きの声をあげる。……いや、ちょっと待って。僕、父上から姉上の世話係兼護衛に王家から直属の執事が派遣されるってことしか聞いてないんだけど。
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