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- 序 -
この歳で姫さまだなんて笑えない
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───パチッ!
唐突に目を覚まして瞬きする…。なんだか、頭がズキズキ痛い。…それに、気のせいかしら?部屋の景色に見覚えがないのは───。
…んっー、んん?
手が、話し…縮んで……る?バサッとベッドから飛び起きて、目の前の豪華な姿見の前にやって来る。そして、大きな姿見の前で手をニギニギしたり、い゙ーっと頬を引っ張ってみたり、変顔をしてみる。。
ん、間違いない…わ。信じたくないけど。
コレ、鏡に写ってるのって・・・私よね!?
「きゃぁぁぁぁああーっ!!!ナニコレナニコレ!?私、若返ってる!!お肌、ツルツル!しかも、可愛い!ちょっと何よこの姿!お人形さんみたいじゃない!!」
ーバンッ!
急かすようなノックと共に、扉が壊れる勢いで部屋に入ってきたのは息を切らしたどこか顔色の悪いメイドで、
最初は、夢にしてはえらくリアルね。…なんて悠長にあくまで他人事のように考えていたのだけど、
「ひ、姫さま!?先ほどの悲鳴はいったい…」
「え?」
きょとんとした表情で思わず入ってきたメイドをまじまじと見つめてしまう。…姫さま?姫さまって、あの・・・お姫さまよね?
(やぁね、私ったら…。)
20歳も過ぎて、先日の誕生日を迎えて25になったばかりだというのに。鏡に写る…年頃の少女の姿に唖然とする。
(やっぱりアレかしら?最近、仕事で携わってる乙女ゲーム…。)
そう、私は所謂OLというヤツで、最近流行りの乙女ゲーム開発部の一員だった。当然、開発する上で乙女ゲームに嫌でも携わるので、丸一日かかりっきりだった。そんな日常で仕事でもプライベートでも常に乙女ゲームの話が頭にチラついていた私は深層心理が夢に反映されるという話を思い出して小さく溜め息つく。
───そんなときだった。
もふっ!
「ん?何よ、これ…」
掴んだのは、雪だるまのような白い塊、ふわふわの毛と少し釣り上がった目つきに悪魔のような小さな羽と頭に小さい角らしきものが気持ち程度にちょこんと付いていて、申し訳なさげにアホ毛が…。
『ええぃッ!いい加減、離さんかっっ!!』
喋った。可愛らしい?見た目とは違い、少し… いや、かなり口が悪い。私の手をパシパシと叩く小さな手はまあ、可愛らしい。…見た目だけは、だけど。
『早く、私を元の姿に戻さんか!!!このッへっぽこ術師がっっ!!』
へっぽこ… 術師?
そのときだった。ズキッと唐突にまた頭が痛みだして今までの記憶が走馬灯のように私の頭の中を駆け巡る───。
唐突に目を覚まして瞬きする…。なんだか、頭がズキズキ痛い。…それに、気のせいかしら?部屋の景色に見覚えがないのは───。
…んっー、んん?
手が、話し…縮んで……る?バサッとベッドから飛び起きて、目の前の豪華な姿見の前にやって来る。そして、大きな姿見の前で手をニギニギしたり、い゙ーっと頬を引っ張ってみたり、変顔をしてみる。。
ん、間違いない…わ。信じたくないけど。
コレ、鏡に写ってるのって・・・私よね!?
「きゃぁぁぁぁああーっ!!!ナニコレナニコレ!?私、若返ってる!!お肌、ツルツル!しかも、可愛い!ちょっと何よこの姿!お人形さんみたいじゃない!!」
ーバンッ!
急かすようなノックと共に、扉が壊れる勢いで部屋に入ってきたのは息を切らしたどこか顔色の悪いメイドで、
最初は、夢にしてはえらくリアルね。…なんて悠長にあくまで他人事のように考えていたのだけど、
「ひ、姫さま!?先ほどの悲鳴はいったい…」
「え?」
きょとんとした表情で思わず入ってきたメイドをまじまじと見つめてしまう。…姫さま?姫さまって、あの・・・お姫さまよね?
(やぁね、私ったら…。)
20歳も過ぎて、先日の誕生日を迎えて25になったばかりだというのに。鏡に写る…年頃の少女の姿に唖然とする。
(やっぱりアレかしら?最近、仕事で携わってる乙女ゲーム…。)
そう、私は所謂OLというヤツで、最近流行りの乙女ゲーム開発部の一員だった。当然、開発する上で乙女ゲームに嫌でも携わるので、丸一日かかりっきりだった。そんな日常で仕事でもプライベートでも常に乙女ゲームの話が頭にチラついていた私は深層心理が夢に反映されるという話を思い出して小さく溜め息つく。
───そんなときだった。
もふっ!
「ん?何よ、これ…」
掴んだのは、雪だるまのような白い塊、ふわふわの毛と少し釣り上がった目つきに悪魔のような小さな羽と頭に小さい角らしきものが気持ち程度にちょこんと付いていて、申し訳なさげにアホ毛が…。
『ええぃッ!いい加減、離さんかっっ!!』
喋った。可愛らしい?見た目とは違い、少し… いや、かなり口が悪い。私の手をパシパシと叩く小さな手はまあ、可愛らしい。…見た目だけは、だけど。
『早く、私を元の姿に戻さんか!!!このッへっぽこ術師がっっ!!』
へっぽこ… 術師?
そのときだった。ズキッと唐突にまた頭が痛みだして今までの記憶が走馬灯のように私の頭の中を駆け巡る───。
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