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神隠しの村と消された記憶

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――… ザッ

氷雨たちが村に着くと、そこに人は誰一人おらず、人のいない小屋、荒れた地が目の前に広がっていた



「な゙…っ!?」

ついて来た警部や九条たちもその光景に言葉を失う。
つい、先ほどまでいた村とは思えないほど、土地は荒れ、まるで初めから此処に人がいなかったかのように…



村人たちは消えていた。
まるで、神隠しのように――…。


ふと、そこで氷雨たちのことを思い出し、警部らはその姿を捜すが‥

いつのまにか、彼らも姿を消していた――…。



後に、これは神隠し事件として迷宮入りになることとなった‥。

――――……
――…


「ん…」

撫でられた気がして、葉月が目を開けると、優しく微笑む青年が髪を撫でていた


「あ、れ…? と‥ ぅさ…ま…?」

寝ぼけ眼で首を傾げると、くすりという小さく笑う声が落ちてきた



『高ぶった感情に力が暴走してしまったようですね‥。強すぎる力は幼い体に毒です。

…まさか、力が暴走するとは思っていませんでした。心配したのですよ?葉月…』


優しく髪を梳かれ、頭に生えた狐耳はピクピクッ、尻尾はパタパタ!嬉しそうに忙しなく動く‥

『……水月の言うとおりだ』


低いバリトンの声に振り向くと、そこには無愛想な顔をした晴明が立っていた。



『まぁ、今回は火月が原因なんだけどね…

おいで、葉月』



新たに加わった声は吉平のもので‥

水月と吉平を交互に見た後、吉平に駆けていく



ぽふっ‥

「兄様… 心配かけてごめんなさい」



耳を垂れさせ、シュン‥とうなだれる葉月の頭を吉平は柔和な笑みを浮かべてぽんぽん叩く

『葉月… もう、この杜から出てはダメだよ?』



‥それは葉月が7歳を迎える一年前の約束。

そして、その記憶を消された日。


――――……
――…
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