- カ ミ ツ キ 御影 -

秘密です

『警部さん達の警棒って‥ 村の人達に取り上げられましたよね？』

クロの言葉に警部さんらが何で､んなこと知ってんだ!?と言いたげな顔でクロを睨んでるけど、
クロはものともせず、俺に振り返った


『それでは…

龍一さん、折りたたみ式のサバイバルナイフを持っていますよね？それを使って、この壁を削り取ってもらえませんか？

見た目は硬そうな壁ですが、中は空洞になっているはずです』


説明を続けるクロなんだけど…

「え、ちょっと待ってクロ。なんで俺が折りたたみ式のナイフを持っていることを知っているのかな？」


俺だけじゃない。徹も警部さん達も目が点になっている

『え…？ あ、そこは秘密です』


  あ、秘密なんだ…

一瞬、警戒しちまったが、クロのほんわかとした笑顔に毒気が抜かれた


はぁぁ… まぁいいや。とりあえず、クロの言ったとおりにするか。

俺は懐から折りたたみ式ナイフを出すと、言われたところを削ってみた。


……すると、

壁が脆く崩れ、中は本当に空洞でそれが奥まで続いていて、木の根っこが上からぶら下がっている、隠し通路というべく長い長い一本道。

…それは土を掘って作られた道だった。