- カ ミ ツ キ 御影 -

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俺、思ったんですけど。父様にバレてませんよね?

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―――――……
――…

『………』


気まずい… ひよこは葉月の頭の上でうなだれていた。

(…めちゃくちゃ気まずい!)


「……ひよこ様」

ピ!?


『ど、どうした!?』



「俺には… 理解できません。なぜ、土地神が・・・ あそこまでこの村に肩入れするのか」


ピヨ。

『好きだったんだろ。…愛した男が好きだった村を。同じように…』


「村と共に滅びる道を選ぶ…… か。愛って、いまいち、わからないです。難しいですね‥」

空を見上げる葉月にひよこは空気を読み取ってか無言になる。


「…ところで、ひよこ様。父様って山神の統轄みたいなものじゃないですか」

 ピ、


『まぁ、そうだな。山神を束ねるトップみてぇなもんだな… 力強ぇし』


「………俺、思ったんですけど。父様にバレてませんよね?」

『………』


(マジか)

内心、冷や汗だらだらのひよこに構わず葉月は疑問をぶつけていく


「…だって、父様って山神の中でも一番圧倒的な力を持ってるじゃないですか。

普通、気付くと思いませんか?」


『………』



「それに、ここの村も山です。…なら、山の一員でもある土地神の暴走に山神が気づかないなんて…… ないんじゃ…」


腕を組んで考えていたら、ふと目の端で何かを捉えた。

「………」


 …ピヨ?

『…なんだ?』


目の端で捉えたのは、

葉月に見つかって走り去る、目も鼻も口もないぺらっぺらの… 手足を広げ、人の形に切り取られた白い簡素な紙人形だった。 
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