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第1章 月森ヶ丘自由学園
憂鬱と寮部屋
しおりを挟むガチャ…
自分の寮へ着き、部屋へと入っていく‥
護衛の二人は当然のように岬の部屋の前に立つ
まるで見張りだ。
外で扉の両サイドに立つSPに苛立ちから睨むもSP達はひたすら前を見据えているため、気づかない…
そんなSP二人を尻目に部屋に入った岬は、ふと部屋に違和感を感じた
自分の部屋を警戒するように見渡す岬は、突然壁を叩きだす
コンコン‥
コンコン…
トントン――‥
すると、他の音に比べ少し鈍く異なる音がした
岬は眉間を寄せると、部屋に常備されている工具箱を引っ張り出し、中からトンカチを取り出す‥
そして、
ガッッ!!!
壁を撲るように叩く
ガンッ …ガンッ――‥
すると、
やがて壁は崩れ、中は空洞、岬はその中へと手を突っ込む
「……!!」
何かを掴んだ岬はぐいっとそれを引きずり出すと、引きずり出したモノを見て顔をしかめる
それは、たくさんの線が繋がれた盗撮用のカメラだった。おまけに…
岬は仕掛けられていた盗撮カメラをパキッと割り、視線をコンセントの差し込み口へと移す‥
工具箱からドライバーを取り出し、岬はコンセントの差し込み口をこじ開ける
カパッ…
フタを外し、覗き込むと予想通り盗聴器が設置してあった。
「………」
学園長は岬が唯一自由になれる寮内なら、ハメを外すだろうと目論んだのだが、岬の目はごまかせなかった
岬は部屋に取り付けられていたカメラや盗聴器を全て壊し、溜息つく…
部屋に置いてある物の配置が少しズレていることから、部屋が物色されていることは明らか…
恐らく、学園長の手の者だろうと踏むが、あいにく岬は身元がバレるような持ち物を留守中の部屋に置いておくほどマヌケではなかった。
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