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第1章 月森ヶ丘自由学園
ちょっと待て。誰がどう聞いても、立派なスリじゃねぇか!!!
しおりを挟む「いけませんね、結城先生。いくら、僕が勝手に拝借したとは言え、人に言われるまで気づかないなんて…
…刑事として、マヌケですね」
それはもう、いつもの如く無表情で言うのだから、案外キツイものである。
「ちょっと待て。貸してやった覚えはないぞ!!?」
「いやですね…。そんなものHRのとき、すれ違い様に勝手に拝借させてもらったに決まっているじゃありませんか。
こう…、スゥーッとね…?」
「いや、お前それ犯罪だろ!!?しかも、お前拝借って言うけどな!!
どう聞いても、立派なスリじゃねぇか!!!」
そう…。実際、結城の言う通り、岬は結城の懐から警察手帳をスっていたのだ。
「うるさいですね。警察手帳を返したのですから、そう怒らないで下さい。……それに、年下の、しかも生徒にスられるなんて…
マヌケだったとは言え、言われるまで気づかなかった先生にも非はあると思いますよ」
と、さりげなく毒づく岬に幸村は内心、嘆いていた
(無理っ!!なんで、わいやねんっ!!あかん!!なんか、めっちゃヤバイ事に首突っ込んでる気がするっ!!!)
幸村は全ての事の始まりである裏生徒会に今日、行かなければよかったと… 今さらながら後悔していた。
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