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第1章 月森ヶ丘自由学園

下調べはするものでしょう?

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そ、そんな…

そんな馬鹿な!!!僕が神隠しの件に関わっていることに気付いているなんて!!


この得体の知れない外部生は何者なんだ!!?危険だ!!早急に、あの方の元へ報告しなければ!!!

「…し、知らない!!僕は何も知らないね!!」


山谷は、そう言い切ると親衛隊のメンバーを置いて足早々と食堂から出て行った…。

…知らない、ね‥


いつまで、しらを切れるやら…。

僕も食堂を出ようとしたが、肩を掴まれた


「待ちなさい。何故、外部入学生である君が、二年前から続くこの学園の神隠しの話を知っているんです?」

そう聞いてきたのは、涙の兄、柊 瑛だった‥。


「…それは、この学園に来る以上、下調べも必要でしょう?

僕は、予め調べていたまでですよ…。ですが、まぁただ、それだけの事。僕も詳しくは知りませんし……


彼には少し意地悪を言ってみただけですよ」

そう言う岬は、何の表情も表さず、ただ無表情だ…。


「…意地悪、ですか。君がねぇ…?」

探るような視線を向ける柊、


「…もう、いいですか?柊先輩。早く行かないと…遅刻するんですが」

僕は、食堂の時計をちらりと見て柊に言う


「…次の時間は全校集会で体育館でしたね‥。そうですね…遅刻されては困りますし、もう行っていいですよ」

柊ら生徒会役員は、遅刻などは多少免除されるが、一般生徒は免除されない。


「…では、失礼します」

そう言って食堂を出て行く岬の後ろを葵と涙が走って追いかけて行った‥。


岬達が出て行った方向をいつまでも見つめている柊に、伊集院は声をかける

「珍しいな?お前が他人に多少なりとも関心を持つなんて…。俺にしちゃ、あんな、いけ好かない奴関わり合いたくないけどな?」


柊は、そんな伊集院を無視し、自分もさっさと体育館へと向かう

「あ、おい!待てって…」


その後ろを文句を言いながら追いかける伊集院と、呆れ顔の茶髪と黒髪の男子生徒二人は、のんびりと歩いて行った。
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