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序章 英国フォルティア学院

…さてと、で?ノクス、詳しい話聞かせてくれるよね

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「落ち着け、マコーネル!とりあえず降ろしてくれ」


「降ろしたら逃げるでしょう。無理です」

「僕はこのとおりピンピンしてるし…」



「つい先日、倒れたと聞きましたが…? どの口が言うんですか」


目を細めるマコーネルはいつになく怒っていた…

「いや、あの…っ ノ、ノクスっ マコーネルに言ったのか!?」


マコーネルには弱いクリフェイドは少し泣きそうな顔で悶えているノクスを睨みつける



「くはっ/// …じゃないっち!ちがうッス!!!オレっち、何も言ってないっスよ!?」


クリフェイドの睨まれたノクスは恋人のセイシェルの背に隠れて、ひょっこり顔だけ出して言う。

「じゃあ、なんで…」


マコーネルが知ってるんだ!!と嘆くクリフェイドに応えたのは、アゼルだった。



「それは俺が言ったんだよ。だって、今の君じゃぁ‥ また、いつ倒れてもおかしくないからね。君に何かあっても責任なんて取りたくないし」


「アゼル王子!? 」



「っていうか、シズが待ってるんだよね、君を。医務室で。早く行かないと、説教が長引くんじゃない?


あ、そうそう兄さんからの伝言だよ。『明後日の会議は急遽、中国、イタリア、フランス、ロシア、ドイツの首相と国際会議を行うことになった。よって、予定していた会議は次回に廻す』…だって。


つまり、君の心配は無くなったわけ!」



意味深に向けられたアゼルの瞳に、マコーネルは気づき、ペこりと軽く頭を下げ、今だ腕の中で不満げな声をあげてるが無視。医務室に強制連行するマコーネルをひらひらと手を振り、見送った‥。


「……さてと、で?ノクス、詳しい話聞かせてくれるよね」


そう訊くアゼルの言葉は疑問形ではなく、断定した言い方だった。 
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