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序章 英国フォルティア学院

はい、もしもしだっち!

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クリフェイドは席を外す、と言い… 廊下へ出た。電話をかける相手はもちろん-…


『はい、もしもしだっち!』


ノクスだった。


「ノクス、僕だ!」

『ふへ!?室長っちか!!まずいっち!オレっちは何も… 書記が転校生に深いキスしたところを録画なんてしてないっち!』


………ほう?


「見てたのか」

『Σはっ しまっただっち!』


「なら話が早い!その王道なんとやら… を避けるにはどうしたらいい!? このままだと、

僕を除いた生徒会役員が本当に昨日力説してくれた展開になりそうなんだ!!!」


『えっ!? 避ける… って言われてもっちね… 無理じゃないッスかね。

確か、どこまでもおめでたい頭で生徒会や人気の生徒たちを虜にし「だから、それが困るんだ!あの酷かった生徒会をここまで改革したんだぞ!?生徒会だけじゃないっ 学園全体をだ!!」


『ま、まぁ! 生徒会だって馬鹿じゃないっち。大丈夫っスよ!!ここは生徒会の人たちを信じるっち!』

必死に宥めるノクスの言葉にクリフェイドは渋々頷いた。


ーーーーーー…
ーー…

はぁー…っ 憂鬱げに溜め息つくクリフェイドはふと、窓に目をやった。

「それで、その転校生が…」


英理が楽しそうに話す中、クリフェイドは生徒会室を出て、中庭へと向かった

そこには群がるカラス、そして…


「…何をしてる」

その群がる中にいるのは傷だらけの一匹の小鳥… スズメの子供だった。

カァ!

(お?カリヤじゃねーか!)

カァァ…

(俺たちが何かするかよ!)

カァァ!!

(オレたちが見つけたときにはもう傷だらけだったぜ? 言っとくけどなぁ、オレらじゃねぇよ?)


なぜ、クリフェイドが動物の言葉を理解できるのか--

無論、それはクリフェイドの耳についている翻訳機能つきのシルバーピアスのおかげだ。


「馬鹿だな。お前たちにその気がなくとも、端から見れば襲ってるようにしか見えないぞ?

……にしても、酷い傷だな。これは…。はぁ- おいで。怯えることはない。手当てするだけだから。そのままだと、化膿してもっと酷くなる」

ぷるぷる…っ と弱々しくも震える小さな体を優しく手で包むと、クリフェイドは保健室へと向かった。
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