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序章 英国フォルティア学院
ノクスとシフォンに迫る影
しおりを挟む「まずいな… 確か、今、シフォンの元にいるのは…」
クリフェイドは手を顎にあててマコーネルに視線を向ける
「今、シフォンの元にいるのはノクスです…」
マコーネルは僅かに顔をしかめる
「室長…!一体どちらへ…」
バッと、上着を羽織り扉に手をかけたクリフェイドは短く答えた
「お前たちは仕事していろ」
ガチャ…
パタパタパタ--
遠くなっていく足音に、クリフェイドが走っていったのがわかった。
「ノクス…」
セイシェルは不安げに瞳を揺らす。緊迫したこの部屋にいつも五月蝿く喚き散らすレナの姿は…
何故か、なかった‥。
――…
「シフォンも大変だっちね… ストーカー被害に、こうして警護付けられるんスから… 自由ないッス。
犯人が捕まるまでの辛抱だっち」
申し訳なさそうな顔でシフォンに言う… 星形のフレームの黒サングラスをかけた茶髪の少年に、銀髪のシフォンは苦笑を漏らす
「いいえ、申し訳ないのは俺のほうですよ…
俺のせいで皆さんに迷惑かけてるんですから」
「そんなことないっち!仲間がピンチな時こそ助け合うものだっち」
二人仲良く歩いていた
少し、裏道に入ったところでノクスは何かの視線を感じ、辺りを見渡すも誰もいない。
「どうしたんです?ノクス」
首を傾げノクスはまた歩き出した
「何でもないッス」
その直後だった――…
突然、トンっ!と背中に何かがぶつかったと思ったのは…
「かはっ!」
吐いたのは赤い血、
遅れて痛みを感じ、そっと手を脇腹に持っていくと、深々と刺さった鋭利なナイフ・・・
じわじわと服にシミを作る真っ赤な血、傾く体………
――オレっち、刺されたッスか-
自分が刺されたことに気づいたときには遅く、ノクスの意識も闇に堕ちた――…
「ノ…ノクスっ!?しっかりしてくださいっ ノクス!ノクスーーーっっ!!!」
人気のない裏道にシフォンの声が響く
「…………」
ノクスからナイフを引き抜いた深く帽子を被ったマスクにサングラスの男らしき人は、怯えた瞳で見るシフォンへ手を伸ばす――‥
その刹那、
――パシッ!
カランカランカラン…
シフォンと、そのマスクの間に入り、ナイフを素早く蹴り弾いたのは、風に揺れるハニーブラウンのフワフワな髪…
その鋭く威圧されるような瞳に感じる強い意思、深く帽子を被ったマスクに鋭い目で見据えるのはクリフェイドだった。
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