室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

序章 英国フォルティア学院

………誰が毒舌王子だって？

「はいはーい… 邪魔！とにかく邪魔だよキミたち!!!」

男たちを連行していく警官たちを掻き分けてやってきたのは、肩まで伸ばした金髪を軽く束ねた青年――‥


「あ、兄さん」

アシスの次兄。第ニ王子にして、実力でインターポールの幹部の座を取った… アゼル王子がいた。

「あ、兄さん… じゃないよ、まったく！なんで、俺が…(ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ)」


アシスの声に気付いたアゼルは眉を寄せ、いかにも迷惑そうな顔だ。

「……っ！ また、キミ？キミは行くとこ行くとこに問題を起こすね？なにそれ？わざと?? 僕に何か恨みでもあんの？ 仕事増やさないでくれる?」


クリフェイドには皮肉という厭味つき。


しかも、クリフェイドはアゼルの厭味にも堪えることはなく、即答で答えた。

「毒舌王子に嫌がらせです」


ﾋﾟｸｯ!

もちろん、これにアゼルが黙ってるわけがない


「へぇ――… そう… 誰が毒舌王子だって？やだなぁ、いくら僕でも辛口室長様には敵わないよ」

アゼル王子は素晴らしく、とびっきりの笑顔で言ってくれました。