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序章 英国フォルティア学院
気が気でないっちよ!!!?
しおりを挟む-ガンッ!
突如、クリフェイドの頭が殴られた
「――ッ!」
そのまま、どさりと倒れるクリフェイドを影はにやりと笑う
「あはははっ!いい気味!!!自分が可愛いからって調子に乗るからだよ?…ねぇ、どう?なかなかの上玉なんじゃない?AVを撮るのに最適な逸材でしょ?」
「あぁ… 確かに逸材だぜ。今までの奴の中でもな?」
にやりと厭らしい笑みを浮かべクリフェイドを舐め回すように見る男は、ほくそ笑んだ…。
……絶対… ぜーーったいヤバいっち!!!こんなこと、マコーネルさんにバレたら殺されるッス!!!
殴られたクリフェイド、そして、それを取り囲む複数の人間… 犯行現場をビデオにしっかり収めたノクスは彼らの死角に隠れつつ、冷や汗が流れる一方だった‥。
「も、もういいっち!!!し…副会長を早く助けに…っ」
「しっ!静かに。
まだ、合図が出てません。それに、これだけでは証拠不十分ですよ」
英理は担がれていくクリフェイドを見て今にも飛び出しそうなノクスを窘める。
「……っ」
室長、必ず助けるっち!!!
最初の作戦どおりにノクスたちは男たちの後をつけていく…
その先は学園の中でも人気の少ない裏道。
「ちょっと!! この先は一般人も通る道じゃん!!」
「しかたねぇんだよ!例の撮影場所はこの道通ってかなけりゃ行けねぇし… もう一つのほうはサツがたまに検問やってたりしてンだよ!」
男子生徒の文句に男は髪をガシガシと掻く…
「じゃあ!どうやって運ぶのさ!? 人目に付いたらヤバいじゃん!!!」
「なぁに… そう怒るなって。本人に歩かせりゃ、誰も怪しみやしねぇーよ」
オイ、起きろ!と男に揺すられ起きたクリフェイドは警戒心を表に身構える…
もちろん、最初から気も失っておらず、ただ気絶したフリしていただけ-
そして、警戒心を表に身構えるのもまた演技。
「起こしてどうすんの!!」
ヒステリックに叫ぶ男の子に男は、まぁ任せとけと笑う
-カチッ
「これは本物だぜ?頭を撃たれたくなけりゃ、騒ぐんじゃねぇーよ。今から向かう先は人通りの多い道を行かなけりゃ行けねぇとこでな?
あんたに騒がれると困るんだよ。変な行動しなけりゃ、殺しやしない。…… 監禁して色んなプレイを愉しませてもらうがな? くくっ…-」
「………」
まだ薬が効いているのか、強引に立たされたクリフェイドの足はおぼつかない‥
ふらつくクリフェイドの隣に立つ男は、首に手を回す
「こうやって街中を歩けば、気分悪そうにしてる奴を気遣うヤツに見えんだろ?」
さも名案とばかりに男は笑う
「なるほどね!あったま良いじゃん!!」
笑う男の子は、男の反対側に行き‥
「さ、行こうか? 君たちを愉しみに待ってる人たちの所にね‥?」
「…………」
クリフェイドは無言。二人に強引に連れられ、三人は街中へと足を進める…… が、三人は目立っていた。正確に言えば、主に二人。クリフェイドとその男の子の制服がかなり目立っていた。
「………」
ちっ 制服がまさか、ここまで目立つとは-
想定外だったことにクリフェイドは表情に出すことなく、内心舌打ち。
制服全体の色は白を基調。ブレザー型の制服には所々、銀の装飾が施されている。首には黒のネクタイが結ばれており、白のラインが2本入っていた。
ネクタイには銀のタイピンが付いていて―― 言わずもがな… 目立つ。
しかも、彼ら二人は気づいていない
制服を着た男の子のほうは、これからクリフェイドに待ち受けることにルンルン気分‥
男のほうはというと、こちらはこちらで今回は上玉だっ!!!とテンション上がりまくり… どんなビデオが出来るか愉しみで、周りの目や声など二人の耳には入っていなかった…。
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