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序章 英国フォルティア学院

こんな時くらい、シャキッとしたらどうなんですか

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『……で、主犯は見当ついてるのですが決定的証拠が無いため、退学処分を下すことができません。退学処分にするには、それなりの理由がないといけませんからね』


『…………』

『よって、ちょうど明日に開催される、このポルノ撮影会で、主犯である… 貴方の親衛隊隊長を捕らえるつもりです。

もちろん、うちの学園の生徒に手を出したんですから… 相手方にはそれなりの報復を受けてもらいますが』

パソコンの画面をトントンと指先で叩き、クリフェイドは擦れる眼鏡を押し上げる

『あぁ、それと…

もちろん、そこに居合わせた人間も全員捕まる予定ですがね。何せ、未成年という違法を知っていて来ているということは、その人間も共犯のようなものですからね』

くすっ

『し、しかし! なんで僕にソレを…』

訝しげに首を傾げるウィークリーにクリフェイドは‥‥


『だって、貴方…

ヘタレじゃないですか』


ハンッ!と馬鹿にしたように笑うクリフェイドに、ウィークリーは気付いた

―― なんて、性格悪いんだろう… 彼は-

クリフェイドの腹黒さに気づいた。

『なんでも?

恋人が人質に捕られたと知った瞬間、大泣きしたようですね…』


『ぐ…っ!なぜ、それを‥』

『あと、これは目撃した教師の証言ですが‥
あなた、度々 階段下の死角で泣いてるそうですね?嫌なことがあったりすると‥。

そういうところに付け込まれるんですよ。いいですか、此処は閉鎖的な全寮制という男子校。特殊な学園に変わりないんです。今の貴方を動物に例えるなら…

オオカミに怯えながらも意地を張るウサギですよ』

『ーーっ!』


『さて、貴方もいつまでもウジウジしてないで、大事な恋人なんでしょう?

男らしく、奪還しようとか考えないんですか?』

『だ、だって…ッ! グスッ』


『泣けばいいというわけじゃないんですよ? 恋人が大事じゃないんですか?貴方の気持ちはその程度だったんですか?』

まぁ、その恋人が大人しく捕まってるというのは非常に想像つきにくいですが‥ 何せ、恋人が……


『ち、ちがう!僕は…僕はッ 初めてだったんだ!元同僚に強姦されそうになったとき、偶然にも目が合った彼は僕を助けてくれたんだ…

初めての一目惚れだった。彼はいつも僕を守ってくれた。僕は教師で彼は生徒なのに… 彼はい つも僕を守ってくれていたんだ。たとえ、彼が皆に恐れられている不良くんでも…

僕にとっては… 大切な恋人なんだ…っ』
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