上 下
106 / 516
序章 英国フォルティア学院

気まずい空気

しおりを挟む
時間があっという間に過ぎ、今は放課後――‥


ノクスは人目を忍んで職場へと急ぐ。

「遅い!!!!今、何時だと思ってる!? 」


…が、扉を開けた瞬間、腕を組み怒り顔で仁王立ちする室長様がいた。

無論、クリフェイドだ。

「す‥ すみません」

「…室長、もうその辺で良いのでは‥?」


さらに怒鳴ろうとしたクリフェイドを止めるのは、茶髪の少年、

「……セイシェル・アルフォード」


――‥だった。ちなみに彼はノクスの…

「私の可愛い恋人をあまり苛めないでいただけませんか?」

恋人だ。

「……なに?」


セイシェルの台詞にピクリとクリフェイドの眉が動く


その場に不穏な空気が流れた‥…

―ガチャッ


「室長、この件のことですが…… って、何です?この空気は…」


その、ピリピリとした空気にマコーネルは眉毛を吊り上げる。

「?……どうかしたんですか、マコーネルさん??」


続いて、入ってきたのはシフォン。入口付近で立ち止まるマコーネルに首を傾げるシフォンだったが、

部屋の中を見て納得。仕事をしていた同僚たちが手を止め、視線を向ける先には凍てつくような瞳で見据えるクリフェイドと、嫉妬の瞳を向けるセイシェル…。


そして、仲介に入っているのが・・・

「セイシェル!やめるっち!悪いのは室長じゃないっス!!オレっちが悪いんだっち!」


ノクスと‥

「やめろ、馬鹿」


緑色の髪の少年、ベルク・クロノスに…

「やめろって!マコーネルさんに知られたらどーすんの?」


オレンジ色の髪をした少年、ラゼル・アルフォンスがいた。


「………私がどうかしましたか?」


突如聞こえた声に、ラゼルは"ヤベッ…"と顔をしかめ、クリフェイドはというと・・

頭脳明晰、有能な部下で美しく輝いている金髪を持つ秀麗な青年、マコーネルの登場に顔をしかめるや、舌打ちした。
しおりを挟む
感想 42

あなたにおすすめの小説

ザ・兄貴っ!

BL
俺の兄貴は自分のことを平凡だと思ってやがる。…が、俺は言い切れる!兄貴は… 平凡という皮を被った非凡であることを!! 実際、ぎゃぎゃあ五月蝿く喚く転校生に付き纏われてる兄貴は端から見れば、脇役になるのだろう…… が、実は違う。 顔も性格も容姿も運動能力も平凡並だと思い込んでいる兄貴… けど、その正体は――‥。

副会長様は平凡を望む

BL
全ての元凶は毬藻頭の彼の転入でした。 ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー 『生徒会長を以前の姿に更生させてほしい』 …は? 「え、無理です」 丁重にお断りしたところ、理事長に泣きつかれました。

生徒会補佐様は平凡を望む

BL
※《副会長様は平凡を望む…》 の転校する前の学園、四大不良校の一つ、東条自由ヶ丘学園でのお話。 ♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢ 『───私に喧嘩売ってるのでしょうか?』 南が前の学園で、副会長として君臨するまでの諸々、武勇伝のお話。 本人の主張する平凡とは言い難い非日常を歩む… そんな副会長サマもとい南が副会長になるまでの過程と副会長として学園を支配… 否、天下の副会長様となって学園に降臨する話である──。

和泉くんの受難

BL
『こっちへおいで…』 翁のお面を付けた和服の青年に手を引かれ、少年はその手を掴んだ。 ――――――――‥ ――‥ 「…ってことで、和泉くんにはそろそろ うちの学園に入ってもらいたいんですがねぇ」 「え、無理」 首を傾げる翁お面の青年に顔をしかめる。 「だって、俺は…」 遠い昔、人間であったことを捨てた少年は静かに溜め息ついた-

親衛隊総隊長殿は今日も大忙しっ!

BL
人は山の奥深くに存在する閉鎖的な彼の学園を――‥ 『‡Arcanalia‡-ア ル カ ナ リ ア-』と呼ぶ。 人里からも離れ、街からも遠く離れた閉鎖的全寮制の男子校。その一部のノーマルを除いたほとんどの者が教師も生徒も関係なく、同性愛者。バイなどが多い。 そんな学園だが、幼等部から大学部まであるこの学園を卒業すれば安定した未来が約束されている――。そう、この学園は大企業の御曹司や金持ちの坊ちゃんを教育する学園である。しかし、それが仇となり‥ 権力を振りかざす者もまた多い。生徒や教師から崇拝されている美形集団、生徒会。しかし、今回の主人公は――‥ 彼らの親衛隊である親衛隊総隊長、小柳 千春(コヤナギ チハル)。彼の話である。 ――…さてさて、本題はここからである。‡Arcanalia‡学園には他校にはない珍しい校則がいくつかある。その中でも重要な三大原則の一つが、 『耳鳴りすれば来た道引き返せ』

平凡ハイスペックのマイペース少年!〜王道学園風〜

ミクリ21
BL
竜城 梓という平凡な見た目のハイスペック高校生の話です。 王道学園物が元ネタで、とにかくコメディに走る物語を心掛けています! ※作者の遊び心を詰め込んだ作品になります。 ※現在連載中止中で、途中までしかないです。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

風紀“副”委員長はギリギリモブです

柚実
BL
名家の子息ばかりが集まる全寮制の男子校、鳳凰学園。 俺、佐倉伊織はその学園で風紀“副”委員長をしている。 そう、“副”だ。あくまでも“副”。 だから、ここが王道学園だろうがなんだろうが俺はモブでしかない────はずなのに! BL王道学園に入ってしまった男子高校生がモブであろうとしているのに、主要キャラ達から逃げられない話。

処理中です...