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序章 英国フォルティア学院
これ、なんの嫌がらせですか?
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「…すみません。いい加減、しつこいんですが?」
相手がこの国の王子であろうと関係ない。遠慮なく言うのは勿論、クリフェイドだ。
……ちなみに、これは余談だが、クリフェイドの家がシュバルク家ということしかアシスたちは知らない。
あくまでクリフェイドの父はシュバルクという公爵家であり、次男がここの理事長ということくらいしか… アシスも知らなかった。
それは、クリフェイドの父アクシオンがCIAの上層部に就いていることが公になっては仕事にも影響が出るが、
それ以上にクリフェイドの身も危険になるためだ。少し前まではCIAの中でもエージェントとして大活躍していたアクシオン、今も時々、出張と言って自らスパイとなって活躍するほど現役最中だったりする‥。
――‥…キンコンカンコーン…
あまりのしつこさにクリフェイドがうんざりしていたとき、授業開始の鐘が鳴った
教室の扉を開けて入ってきた担任教師、セイ・スピルバーグにクリフェイドは無表情で言った
「…先生、強引でしつこすぎる勧誘に、迷惑な四人の生徒のせいで休み時間も無駄に終わり、予習しようにも出来ないんですが?
これは僕に対する嫌がらせなんですかね?」
クリフェイドの発言に、ざわついていた教室が一瞬で静まり返る‥
「あなた、自分が何を言ってるのか分かってるんですか?」
ガタッ!と席を立ち、クリフェイドを睨む英理・フランシス。
そして――‥
「今、自分が言ったことをすぐに忘れるわけないだろう?馬鹿じゃないのか?」
頬杖ついて、ハッと鼻で笑うクリフェイド…
生徒会の毎度毎度のしつこさに苛立っているクリフェイドは敬語が取れ、素の口調に戻りつつある。
「…シュバルク、挑発はやめろ。それからフランシスも含めた生徒会も、あまり強引な勧誘はするな- 」
担任は毎度のことに慣れつつも呆れた顔で注意する。
「…まったく」
その呟きは誰に向けられたものなのか――‥
本人は授業を始めるが如く、黒板 にチョークを滑らせた--
ーーーーーー
ーー…
―バシャャァッ!
「…………」
授業が終わり、中庭を歩いていたクリフェイド‥
目の前に影がさしたことに気づき、上を見上げると頭上からバケツの水が降ってきたのだ。
ポタポタ‥
ずぶ濡れになったクリフェイドは暫し呆然としていた
――クスクスッ
複数の笑う声が聞こえ、見上げるとそこには、バケツの水をかけたであろう男子生徒たちの声――‥
「クスクスッ 生徒会に近づくからだよ!いい気味!」
「会長様からのお声を断るなんて、アンタ何様のつもり!?」
「バケツの水なんて被っちゃって、きったなぁ~い」
『キャハハハハ!』
遠くなる笑い声に、上を見上げていたクリフェイドだったが、
ぶる…っ
――くしゅん!
全身ずぶ濡れという寒さに、くしゃみが出る。
降ってきた水に濡れた眼鏡を取ると、制服の袖で拭いて溜め息。。
「…………」
普通なら怒るところだろうが、なんていうか‥
あまりにも幼稚な考え方に、寧ろ、怒りを通り越して呆れる--
クリフェイドは授業始まりの鐘に俄に眉間に皺を寄せた。
このまま、授業を受けに行きたいところだが、この状況を兄に見つかると、また面倒なことになりそうだと、やむを得ずタオル を借りに保健室へと向かう
――‥ガラッ
「…すみません、先生いますか?僕としては、いないほうが嬉しいのですが…」
扉を開けごしに保健医がいるであろう場所に目を移すと、そこにいたのは――‥
「……今は授業中のはずだぞ?」
焦げ茶色の短めの髪、キリリとした切れ目、整った顔… 憮然とした表情の男前の男子生徒がいた。
相手がこの国の王子であろうと関係ない。遠慮なく言うのは勿論、クリフェイドだ。
……ちなみに、これは余談だが、クリフェイドの家がシュバルク家ということしかアシスたちは知らない。
あくまでクリフェイドの父はシュバルクという公爵家であり、次男がここの理事長ということくらいしか… アシスも知らなかった。
それは、クリフェイドの父アクシオンがCIAの上層部に就いていることが公になっては仕事にも影響が出るが、
それ以上にクリフェイドの身も危険になるためだ。少し前まではCIAの中でもエージェントとして大活躍していたアクシオン、今も時々、出張と言って自らスパイとなって活躍するほど現役最中だったりする‥。
――‥…キンコンカンコーン…
あまりのしつこさにクリフェイドがうんざりしていたとき、授業開始の鐘が鳴った
教室の扉を開けて入ってきた担任教師、セイ・スピルバーグにクリフェイドは無表情で言った
「…先生、強引でしつこすぎる勧誘に、迷惑な四人の生徒のせいで休み時間も無駄に終わり、予習しようにも出来ないんですが?
これは僕に対する嫌がらせなんですかね?」
クリフェイドの発言に、ざわついていた教室が一瞬で静まり返る‥
「あなた、自分が何を言ってるのか分かってるんですか?」
ガタッ!と席を立ち、クリフェイドを睨む英理・フランシス。
そして――‥
「今、自分が言ったことをすぐに忘れるわけないだろう?馬鹿じゃないのか?」
頬杖ついて、ハッと鼻で笑うクリフェイド…
生徒会の毎度毎度のしつこさに苛立っているクリフェイドは敬語が取れ、素の口調に戻りつつある。
「…シュバルク、挑発はやめろ。それからフランシスも含めた生徒会も、あまり強引な勧誘はするな- 」
担任は毎度のことに慣れつつも呆れた顔で注意する。
「…まったく」
その呟きは誰に向けられたものなのか――‥
本人は授業を始めるが如く、黒板 にチョークを滑らせた--
ーーーーーー
ーー…
―バシャャァッ!
「…………」
授業が終わり、中庭を歩いていたクリフェイド‥
目の前に影がさしたことに気づき、上を見上げると頭上からバケツの水が降ってきたのだ。
ポタポタ‥
ずぶ濡れになったクリフェイドは暫し呆然としていた
――クスクスッ
複数の笑う声が聞こえ、見上げるとそこには、バケツの水をかけたであろう男子生徒たちの声――‥
「クスクスッ 生徒会に近づくからだよ!いい気味!」
「会長様からのお声を断るなんて、アンタ何様のつもり!?」
「バケツの水なんて被っちゃって、きったなぁ~い」
『キャハハハハ!』
遠くなる笑い声に、上を見上げていたクリフェイドだったが、
ぶる…っ
――くしゅん!
全身ずぶ濡れという寒さに、くしゃみが出る。
降ってきた水に濡れた眼鏡を取ると、制服の袖で拭いて溜め息。。
「…………」
普通なら怒るところだろうが、なんていうか‥
あまりにも幼稚な考え方に、寧ろ、怒りを通り越して呆れる--
クリフェイドは授業始まりの鐘に俄に眉間に皺を寄せた。
このまま、授業を受けに行きたいところだが、この状況を兄に見つかると、また面倒なことになりそうだと、やむを得ずタオル を借りに保健室へと向かう
――‥ガラッ
「…すみません、先生いますか?僕としては、いないほうが嬉しいのですが…」
扉を開けごしに保健医がいるであろう場所に目を移すと、そこにいたのは――‥
「……今は授業中のはずだぞ?」
焦げ茶色の短めの髪、キリリとした切れ目、整った顔… 憮然とした表情の男前の男子生徒がいた。
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