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序章 英国フォルティア学院

・・・あれ?

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「「「――――‥…っ!?」」」

クリフェイドの口から出た思わぬ言葉に周りだけではなく、王や側近父アクシオンも驚きを隠せない


「アゼルではないのか…?」

混乱するでもなく、ただ冷静に静かにクリフェイドに問うアクスに本人は事もなげに言う

「え?陛下こそ、何を言ってるんですか?彼、全くの別人じゃないですか」


心底、周囲の人間の怪訝な表情に首を傾げるクリフェイド、

「?…え?どういうことですか?陛下たちは彼が別人だと知っていて、わざと泳がせていたんでしょう?」

「「「……………」」」


本気でそう思っていたクリフェイド、本人はあまり自覚がない。自分が如何に秀才なのかを--

訪れる痛いほどの沈黙に、クリフェイドはそこでやっと気付いた


「…………」

まずい。やってしまった…っ!!!

自分の思わぬ失態に内心舌打ち。


「…ぇー… っと、すみません。今言ったことは全て忘れてください。そう… あれは、つい先日見たホームズの推理を真似してみただけであって……

ぼ…僕、用事を思い出したので、これで失礼しますっ!」


そんな苦しい言い訳、誰が信じる者がいるだろうか――… ? 否、いるはずがない。先ほどの推理が全てクリフェイドの推理だと全員が全員気付いている今、苦しい言い訳も無意味‥。

今までの無表情が崩れ、焦燥の表情で慌てて部屋から出て行こうとしたクリフェイドの手を掴んだのはいつの間に移動したのか、歪んだ笑みを浮かべるアゼル王子モドキがいた。


「おっと!全員、動くなよ?コイツの命が惜しくばなぁ?」

突然頭上から聞こえた低いしがれた声に振り向こうとしたクリフェイドだったが…


「…………」

なぜか動けない。クリフェイドはアゼル王子のフェイスマスクを剥ぎ取るように取った無精髭を生やした男に拘束されていた。

……あー… なんで、こんな面倒くさい状況になったんだ?

軽く自己嫌悪。


バッと全員席を立つも、クリフェイドを人質にされ思うように動けない

「…あのー… すみません。できたら、僕を巻き込まないで頂きたいのですが…」

男の人質になりつつも、そこはクリフェイド。どこまでもマイペースだった‥。
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