サイレントキラー

第一章 サイレントキラー

物語の終わりと始まり

　本条　麗乃には殺人鬼なりの美学があり、言わば殺した被害者の亡骸の姿は自分の作品であり、世の中に披露する展示品とさえ思っている。
　麗乃からしたら、この模倣犯は例えを言うなら許可なく自分の作品を海賊版のクオリティの悪い作品として売り出しているのと一緒なのだ。
　しかも自分の妹『展示品の素材』を盗んだ挙げ句にまたお粗末に無駄にしたのだから、そこは黙っているわけにはいかなかったのだ。

　その模倣犯は数日後、舌を切り取られた状態でその一室で発見された。
　
　



　
　『 真鍋警部……こりゃ……酷い殺され方ですね……さすがの俺もこれは無理ですわ………。
　でもまさか、サイレントキラーと思われる容疑者が死体で発見されるとは予想外ですね…
　…にしても酷い殺し方しますねー……昼間食べたラーメン吐きそうですわ…おぇ…気持ちわりぃ… 』

　『  まったく…お前って奴はよぉ…遊びじゃねんだよバカ！…いちいち死体見るたびに愚痴ってんじゃねぇよ…まったく…
　……おい！！宝生！！いっつも言ってるだろう…鑑識来る前に死体に触るんじゃねぇよ！！始末書もんだぞ…それじゃお前の指紋残ってお前が犯人の容疑者じゃねぇか！！… 』
　
　『 あ！そりゃ…えらいこっちゃですね！…そしてたらもし俺容疑者に疑われたら、ちゃんと
助けて下さいね♪♪真鍋警部♪♪ 』

　『 ……まったくお前って奴はよぉ！！…少しは緊張感もってってーの！！……。
………しかしこれで捜査は振り出しに戻ってしまったな…
……だとするとこの男は何者なんだ…？？……
　
　こいつがサイレントキラーでないとすると、誰がこの男を殺害したんだ……
　捜査上にあがった容疑者がまさか死体であがるとはな……
　しかも舌を切り抜かれている手口はサイレントキラーの手口……
　………あーーー……わからねぇ！！………。
　しかし……酷い殺し方しやがる……。
　





……………指も全て切断され、歯も全部へし折られてやがるしな…………。』
　

　この二人は銛王町にある、銛王警察署の殺人課の刑事である。

　この先事件の真相を探る二人の刑事はいずれ、思いもよらない展開に巻き込まれていく…
　全ての真実を知った時、あなたは何を思う……。
　



　　
　




　　　　
　　　　　キャスト




　　　　　本条麗乃　　　　

　
　　　　　　

　　　　　模倣犯




　　　　　真鍋警部




　　　　　宝生巡査

　　　　　




サイレントキラー制作委員会
　　　　　　　一章　完結