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第24話
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ウランが薬湯のおかげかいつもより苦しくなさそうに寝ていた。
いつもは息が荒かったり、肩で息をしてきつそうにしているのに。
「ミシェル、ウランの体調を妻のアイリスに診てもらおう。妻は医者ではないが今のウランの体調にはアイリスの『癒し』と緑の加護の『薬』が必要だと思うんだ」
ロバート様は、ここまでの旅費も全て出してくださった。
「俺の息子もウランと変わらない歳なんだ、だから放っては置けない、助かるなら助けてあげたい」
わたしはロバート様に甘えてばかりだけど、いつか必ず恩返しをするつもりで、今はただ甘えさせてもらうことにした。
しばらくウランのそばで見守っていると、声が聞こえてきた。
わたしは部屋を出て居間へ行くと
「ただいま、ロバート様。もうお客様は来ているのかしら?」
わたしの目の前に現れたのは、とても可愛らしくて綺麗な女性だった。
いや、わたしよりもかなり年下の20歳くらいだろうか。
ロバート様、確かもう30歳は過ぎていましたよね?
わたしの顔に思ったことが書いてあったかのように
「俺はアイリスの10歳年上だ、だが愛情に歳の差は関係ない」
(いやいや聞いていませんが?)
わたしはプッと吹き出した。
「ロバート様別に歳の差で愛情は疑っていませんでした。まあ、少し若すぎる奥様を娶られたのかなとは思いましたが」
「まぁ、若いなんて言ってもらえて嬉しいです」
笑顔がとても素敵な人だと思った。
◇ ◇ ◇
アイリス様はウランの寝ている部屋に行くと
「ミシェル様、わたしはお医者様ではありません。でも精霊のおかげで視ることが出来ます。少しだけ体に触れますね」
アイリス様がウランの手を握るとなんだかふわっと空気が変わった。
温かい?優しい空気になった気がする。
わたしは祈るようにウランとアイリス様をみていた。
「ウラン君はかなり悪いのですね、血液に異常なモノがたくさん増えています。
この異常なモノをやっつけなくっちゃいけないのだけど、わたしの癒しの力も跳ね除けてしまいます。薬でしっかり弱らせてから癒しの力で治していきましょうね、しばらくわたしもウラン君と闘いますね」
「ありがとうございます、時間がかかると思いますがしっかり働いて治療費は払いますので待ってください。厚かましいお願いですみません」
わたしは必死で頭を下げた、もし待ってもらえないならお父様に頼むつもりだった。
「お金?わたしは加護があるから助けているだけですよ?もちろんお金持ちの貴族の人達からならしっかりお金をもらいますけど、ミシェル様の事情は聞いています。
同情ではありません、これは同じ母親としてウラン君を助けたいだけなのです。
本当はわたしが会いに行ければウラン君もキツい思いをしなくて済んだのにわたしの方こそごめんなさい。キツイ思いをして来てくれたから、しっかり治しましようね」
寝ているウランの額をそっと触りながらアイリス様がわたしに笑顔を向けてくれた。
わたしはただ頭を下げてお礼を言うしか出来なかった。
「今日は疲れていると思うの。狭いけど隣に一部屋客間があるから二人でその部屋に泊まって欲しいの。
ウラン君の体調も気になるしいつでも会える状態の方がわたしも助かるわ」
アイリス様の言葉に甘えることにした。
ウランは夜にやっと目を覚ました。
「お母様喉が渇いた」
「待っててね、今お水をあげるわ」
いつもより声にハリがある。
「美味しい」
ウランはまた笑顔になった。
「もしかして少し体が楽になっているの?」
「…う、うん、あの薬湯を飲んでから不思議に体が軽いんだ、どうしたんだろう?」
確かにウランの顔色が少しだけど赤みがさした気がする。
そんなすぐに結果が出るわけない。
気休めなのはわかっている。
だってあれだけ医療が発達したワルシャイナ王国ですらウランの体調はすぐに良くなることはない。
何度も薬を投与しなければいけないのだ。
薬湯を飲んでアイリス様に診てもらっただけで体調が良くなるなんてあり得ないわ。
わたしもその晩は疲れてウランの横で一緒に眠った。
◇ ◇ ◇
~セルマ君、ちょっと頑張る!~
「ロバート様、ウラン君もかなり悪いけどミシェル様もとても体が疲弊しています。一人で子育てをするだけでも大変なのに、子どもが大病をしてとても心も体もボロボロになっています。本邸に住まわせるのではなくしばらくこの家でお二人をみて差し上げたいのですが、駄目ですか?」
「アイリスがそう言ってくれるなら助かる。彼女は自国で商会を立ち上げて、平民達の暮らしを少しでも豊かにしようと頑張った人なんだ。
ただ、自分の父親と元旦那から離れるために全ての地位を捨ててワルシャイナ王国に来たんだ。
少しでも彼女の助けをしてやりたい」
「ふふ、ロバート様、要らぬ勘違いはしませんから大丈夫です。わたしもミシェル様とウラン君を助けてあげたいと思っています。
ううん、必ず助けます」
『ねえ、ラファ、手伝ってくれるでしょう?』
『あの男の子いい子。だからラファ頑張る!あの子のために薬草を山に採りに行く』
『ウラン君の病気に効果のある薬草があるの?』
『うん、パルバンの屋敷の裏山のずっと奥にある。セルマならいけるわ』
『セルマ君に行けと言うの?だったらわたしも行くわ』
『ママ、僕行ってくる、ウランはすごく苦しんでいるのが視えるんだ。あの子はこのままだと死んでしまうよ』
『わたしも行くわ』
『ラファは僕に行けと言ってるんだ。大丈夫、ラファと僕の精霊のルシルが守ってくれるから』
『二人ともセルマ君を守ってくれる?絶対に無理をさせないで』
そしてセルマは次の日薬草を探しに行った。
その薬草は小さな体のセルマしか入れない小さな洞窟の中にあった。
『ラファ、あったよ!こんな小さな穴だから、僕に行けって言ったんだね』
『うん、それに君の力も試せるしね』
『君の精霊のルシルの加護もだけど、守り人であるロバートの力がセルマをしっかり守ってるんだ。今回の薬草探しもセルマをしっかり守ってくれていたよ』
『お父様が僕を守ってくれてたの?』
『うん、これならセルマは安心して加護持ちでも外に出ていけるね』
『僕、ママのためにもっと強くなりたい。そしてリリーのことも守ってあげたいんだ』
『セルマならきっと強い男になれるよ、だってずっとアイリスを守って来たんだもん』
『うん、今はあのウランを病気から守ってあげなくっちゃ。あんなに細くて僕びっくりしたんだ。あのままじゃ本当に死んじゃうよ』
『この薬草でアイリスが薬を作れば絶対に効果が現れる、急いで家に帰ろう』
『うん、ママ褒めてくれるかな?』
いつもは息が荒かったり、肩で息をしてきつそうにしているのに。
「ミシェル、ウランの体調を妻のアイリスに診てもらおう。妻は医者ではないが今のウランの体調にはアイリスの『癒し』と緑の加護の『薬』が必要だと思うんだ」
ロバート様は、ここまでの旅費も全て出してくださった。
「俺の息子もウランと変わらない歳なんだ、だから放っては置けない、助かるなら助けてあげたい」
わたしはロバート様に甘えてばかりだけど、いつか必ず恩返しをするつもりで、今はただ甘えさせてもらうことにした。
しばらくウランのそばで見守っていると、声が聞こえてきた。
わたしは部屋を出て居間へ行くと
「ただいま、ロバート様。もうお客様は来ているのかしら?」
わたしの目の前に現れたのは、とても可愛らしくて綺麗な女性だった。
いや、わたしよりもかなり年下の20歳くらいだろうか。
ロバート様、確かもう30歳は過ぎていましたよね?
わたしの顔に思ったことが書いてあったかのように
「俺はアイリスの10歳年上だ、だが愛情に歳の差は関係ない」
(いやいや聞いていませんが?)
わたしはプッと吹き出した。
「ロバート様別に歳の差で愛情は疑っていませんでした。まあ、少し若すぎる奥様を娶られたのかなとは思いましたが」
「まぁ、若いなんて言ってもらえて嬉しいです」
笑顔がとても素敵な人だと思った。
◇ ◇ ◇
アイリス様はウランの寝ている部屋に行くと
「ミシェル様、わたしはお医者様ではありません。でも精霊のおかげで視ることが出来ます。少しだけ体に触れますね」
アイリス様がウランの手を握るとなんだかふわっと空気が変わった。
温かい?優しい空気になった気がする。
わたしは祈るようにウランとアイリス様をみていた。
「ウラン君はかなり悪いのですね、血液に異常なモノがたくさん増えています。
この異常なモノをやっつけなくっちゃいけないのだけど、わたしの癒しの力も跳ね除けてしまいます。薬でしっかり弱らせてから癒しの力で治していきましょうね、しばらくわたしもウラン君と闘いますね」
「ありがとうございます、時間がかかると思いますがしっかり働いて治療費は払いますので待ってください。厚かましいお願いですみません」
わたしは必死で頭を下げた、もし待ってもらえないならお父様に頼むつもりだった。
「お金?わたしは加護があるから助けているだけですよ?もちろんお金持ちの貴族の人達からならしっかりお金をもらいますけど、ミシェル様の事情は聞いています。
同情ではありません、これは同じ母親としてウラン君を助けたいだけなのです。
本当はわたしが会いに行ければウラン君もキツい思いをしなくて済んだのにわたしの方こそごめんなさい。キツイ思いをして来てくれたから、しっかり治しましようね」
寝ているウランの額をそっと触りながらアイリス様がわたしに笑顔を向けてくれた。
わたしはただ頭を下げてお礼を言うしか出来なかった。
「今日は疲れていると思うの。狭いけど隣に一部屋客間があるから二人でその部屋に泊まって欲しいの。
ウラン君の体調も気になるしいつでも会える状態の方がわたしも助かるわ」
アイリス様の言葉に甘えることにした。
ウランは夜にやっと目を覚ました。
「お母様喉が渇いた」
「待っててね、今お水をあげるわ」
いつもより声にハリがある。
「美味しい」
ウランはまた笑顔になった。
「もしかして少し体が楽になっているの?」
「…う、うん、あの薬湯を飲んでから不思議に体が軽いんだ、どうしたんだろう?」
確かにウランの顔色が少しだけど赤みがさした気がする。
そんなすぐに結果が出るわけない。
気休めなのはわかっている。
だってあれだけ医療が発達したワルシャイナ王国ですらウランの体調はすぐに良くなることはない。
何度も薬を投与しなければいけないのだ。
薬湯を飲んでアイリス様に診てもらっただけで体調が良くなるなんてあり得ないわ。
わたしもその晩は疲れてウランの横で一緒に眠った。
◇ ◇ ◇
~セルマ君、ちょっと頑張る!~
「ロバート様、ウラン君もかなり悪いけどミシェル様もとても体が疲弊しています。一人で子育てをするだけでも大変なのに、子どもが大病をしてとても心も体もボロボロになっています。本邸に住まわせるのではなくしばらくこの家でお二人をみて差し上げたいのですが、駄目ですか?」
「アイリスがそう言ってくれるなら助かる。彼女は自国で商会を立ち上げて、平民達の暮らしを少しでも豊かにしようと頑張った人なんだ。
ただ、自分の父親と元旦那から離れるために全ての地位を捨ててワルシャイナ王国に来たんだ。
少しでも彼女の助けをしてやりたい」
「ふふ、ロバート様、要らぬ勘違いはしませんから大丈夫です。わたしもミシェル様とウラン君を助けてあげたいと思っています。
ううん、必ず助けます」
『ねえ、ラファ、手伝ってくれるでしょう?』
『あの男の子いい子。だからラファ頑張る!あの子のために薬草を山に採りに行く』
『ウラン君の病気に効果のある薬草があるの?』
『うん、パルバンの屋敷の裏山のずっと奥にある。セルマならいけるわ』
『セルマ君に行けと言うの?だったらわたしも行くわ』
『ママ、僕行ってくる、ウランはすごく苦しんでいるのが視えるんだ。あの子はこのままだと死んでしまうよ』
『わたしも行くわ』
『ラファは僕に行けと言ってるんだ。大丈夫、ラファと僕の精霊のルシルが守ってくれるから』
『二人ともセルマ君を守ってくれる?絶対に無理をさせないで』
そしてセルマは次の日薬草を探しに行った。
その薬草は小さな体のセルマしか入れない小さな洞窟の中にあった。
『ラファ、あったよ!こんな小さな穴だから、僕に行けって言ったんだね』
『うん、それに君の力も試せるしね』
『君の精霊のルシルの加護もだけど、守り人であるロバートの力がセルマをしっかり守ってるんだ。今回の薬草探しもセルマをしっかり守ってくれていたよ』
『お父様が僕を守ってくれてたの?』
『うん、これならセルマは安心して加護持ちでも外に出ていけるね』
『僕、ママのためにもっと強くなりたい。そしてリリーのことも守ってあげたいんだ』
『セルマならきっと強い男になれるよ、だってずっとアイリスを守って来たんだもん』
『うん、今はあのウランを病気から守ってあげなくっちゃ。あんなに細くて僕びっくりしたんだ。あのままじゃ本当に死んじゃうよ』
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