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キースVSお祖父様④
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前公爵の屋敷のそばを騎士隊が取り囲んでいた。
もちろん中に居る前公爵はもう気がついているだろう。
「遅くなった、行こう」
騎士隊の隊長は俺の後輩。
背中は安心して任せられるので俺は前公爵とやり合うのみ。
屋敷の中に入ると前公爵の護衛騎士や執事達が止めようとする。
「勝手に中に入られては困ります」
「何の用事です?」
俺は一言
「退け!」と怒鳴った。
そして俺の前に立っている騎士達を払いのけて奥にいる前公爵のところへ向かった。
あとは騎士隊が何とかするだろう。
前公爵の部屋は「影」からあらかじめ聞いていた。
「勝手に入ってきたのはお前か?」
前公爵は外の騒がしい音に気がついていたようだ。
「近衛騎士副団長のキース・ネヴァンスと申します。本日はカステル・バーランド前公爵に王城へお越しいただきたいと思い伺いました」
「わたしを態々連れに来たのか?」
「はい、ぜひご一緒にお越しください」
「お前の単独なら断る」
「こちらに国王陛下からの書状を預かっております」
俺は前公爵に渡した。
この人がこの国でかなりの力を持っていることは確か。俺の地位だけでは簡単に連行することはできない。だからこそ陛下の書状が必要だった。
陛下の緊急の呼び出しに前公爵は「ふんっ」と不満そうに手紙を投げ捨てた。
「明日にでも顔を出そう。わたしは今から大事な用事があるんだ」
「バーランド前公爵、多分その大事な用事はもう無くなったと思います。なのでご一緒に王城へ」
俺は淡々と表情を変えずに言うと、俺の言葉を悟ったのか
「何をした?」
と怒りをあらわに大きな声を出した。
「わたしは大事な婚約者を迎えに行ったまでです」
「ダイアナは大事な……あっ…ま、孫なんだ」
前公爵は流石に本当のことは言えない。言葉を濁しながらも眼光は鋭く俺を睨んだ。
「勝手にうちの大事な孫を連れ去られては困る。すぐに訴えてお前を副団長から外すようにする。ダイアナを返せ!この若造が!」
扉の方を指さして出て行くように促された。部屋にいた屈強な護衛騎士二人が俺に向かってきた。
「すみません、旦那様からのご命令です」
そう言うと俺の体を掴み引き摺り出そうとした。
黙って俺に触った右腕を掴み捻り上げて相手が後方にバランスを崩して床に尻餅をついた。その時に足首を痛めたようなので「大丈夫か?」と言いながらその足首を思いっきり靴で踏み潰した。
もう一人はそれを見て「なんてことをするんだ!」と怒鳴りながら俺に向かってきた。
剣を一振りして、着ていた服を切った。
多少は肌も切れているようだ。血が滲んでいる。
そしてその剣を床に刺した。騎士は「ぐわあっ」と苦痛の声を出した。その騎士は信じられないような顔をして足元を見て震えていた。
騎士の足には俺の剣が刺さっていた。
床が血で汚れ始めた。
「剣が錆びると困るので」そう言って剣を引き抜くと騎士は痛みで床に倒れて唸っていた。
それを見ていた他の護衛騎士達は顔を青ざめたままで俺に向かってくることはなかった。
前公爵は怒りで真っ赤な顔をしていた。
「キース!お前はなんてことをするんだ!ダイアナを勝手に連れ帰るなどあってはならないことをしたのにさらに我が屋敷で暴力を振るうとは!」
「先にわたしの肩を掴み上げたのはそちらです。わたしは防衛のためにした行動です」
「ふざけるな!」
「ふざけてはおりません。抵抗せずにわたしと王城へ行きましょう。陛下達がお待ちしております」
「ふん、若造達がわたしに命令など出来るわけがない」
「貴方が外国と取引した事案はもう粗方話はついております。ですから今から動く必要はありません、安心して王城へお越しください」
「何をした?」
「さあ?陛下が動いてくださりました。話の内容をお知りになりたいなら陛下のところへ」
ーーこのクソジジイ、人が優しく話している間に諦めろ!内心イライラしながらもぐっと我慢して表情を変えずに前公爵を見た。
前公爵は怒りで目を吊り上げ頭に血がのぼっているようだ。わなわなと体が震えていた。
俺は冷たく言い放った。
「いい加減に諦めていきましょう、カステル・バーランド前公爵……いや、カステル。貴方を連行する」
もちろん中に居る前公爵はもう気がついているだろう。
「遅くなった、行こう」
騎士隊の隊長は俺の後輩。
背中は安心して任せられるので俺は前公爵とやり合うのみ。
屋敷の中に入ると前公爵の護衛騎士や執事達が止めようとする。
「勝手に中に入られては困ります」
「何の用事です?」
俺は一言
「退け!」と怒鳴った。
そして俺の前に立っている騎士達を払いのけて奥にいる前公爵のところへ向かった。
あとは騎士隊が何とかするだろう。
前公爵の部屋は「影」からあらかじめ聞いていた。
「勝手に入ってきたのはお前か?」
前公爵は外の騒がしい音に気がついていたようだ。
「近衛騎士副団長のキース・ネヴァンスと申します。本日はカステル・バーランド前公爵に王城へお越しいただきたいと思い伺いました」
「わたしを態々連れに来たのか?」
「はい、ぜひご一緒にお越しください」
「お前の単独なら断る」
「こちらに国王陛下からの書状を預かっております」
俺は前公爵に渡した。
この人がこの国でかなりの力を持っていることは確か。俺の地位だけでは簡単に連行することはできない。だからこそ陛下の書状が必要だった。
陛下の緊急の呼び出しに前公爵は「ふんっ」と不満そうに手紙を投げ捨てた。
「明日にでも顔を出そう。わたしは今から大事な用事があるんだ」
「バーランド前公爵、多分その大事な用事はもう無くなったと思います。なのでご一緒に王城へ」
俺は淡々と表情を変えずに言うと、俺の言葉を悟ったのか
「何をした?」
と怒りをあらわに大きな声を出した。
「わたしは大事な婚約者を迎えに行ったまでです」
「ダイアナは大事な……あっ…ま、孫なんだ」
前公爵は流石に本当のことは言えない。言葉を濁しながらも眼光は鋭く俺を睨んだ。
「勝手にうちの大事な孫を連れ去られては困る。すぐに訴えてお前を副団長から外すようにする。ダイアナを返せ!この若造が!」
扉の方を指さして出て行くように促された。部屋にいた屈強な護衛騎士二人が俺に向かってきた。
「すみません、旦那様からのご命令です」
そう言うと俺の体を掴み引き摺り出そうとした。
黙って俺に触った右腕を掴み捻り上げて相手が後方にバランスを崩して床に尻餅をついた。その時に足首を痛めたようなので「大丈夫か?」と言いながらその足首を思いっきり靴で踏み潰した。
もう一人はそれを見て「なんてことをするんだ!」と怒鳴りながら俺に向かってきた。
剣を一振りして、着ていた服を切った。
多少は肌も切れているようだ。血が滲んでいる。
そしてその剣を床に刺した。騎士は「ぐわあっ」と苦痛の声を出した。その騎士は信じられないような顔をして足元を見て震えていた。
騎士の足には俺の剣が刺さっていた。
床が血で汚れ始めた。
「剣が錆びると困るので」そう言って剣を引き抜くと騎士は痛みで床に倒れて唸っていた。
それを見ていた他の護衛騎士達は顔を青ざめたままで俺に向かってくることはなかった。
前公爵は怒りで真っ赤な顔をしていた。
「キース!お前はなんてことをするんだ!ダイアナを勝手に連れ帰るなどあってはならないことをしたのにさらに我が屋敷で暴力を振るうとは!」
「先にわたしの肩を掴み上げたのはそちらです。わたしは防衛のためにした行動です」
「ふざけるな!」
「ふざけてはおりません。抵抗せずにわたしと王城へ行きましょう。陛下達がお待ちしております」
「ふん、若造達がわたしに命令など出来るわけがない」
「貴方が外国と取引した事案はもう粗方話はついております。ですから今から動く必要はありません、安心して王城へお越しください」
「何をした?」
「さあ?陛下が動いてくださりました。話の内容をお知りになりたいなら陛下のところへ」
ーーこのクソジジイ、人が優しく話している間に諦めろ!内心イライラしながらもぐっと我慢して表情を変えずに前公爵を見た。
前公爵は怒りで目を吊り上げ頭に血がのぼっているようだ。わなわなと体が震えていた。
俺は冷たく言い放った。
「いい加減に諦めていきましょう、カステル・バーランド前公爵……いや、カステル。貴方を連行する」
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