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嫌です。別れません
26話
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魔女さんからの誘いに悩むわたし。
ダンと離縁してまだそんなに(気持ち的には)経っていない。でも実際には15年と言う月日が経っている。
ダンはアイリスさんとその子供と今も仲良く暮らしているのかしら?
ダンから離れるためにあの国から出てきた。
でもまた帰る?
迷いの森に引き篭れば確かにダンとは会わないかもしれないわ。でも村へ行ったり街へ出れば?
「わたし……」
返事に困っていると魔女さんがまた愉しそうに嗤う。
「あんた、まだ、ダンのこと忘れてないのか?」
「……15年経っているのはわかってるのですが……わたしの気持ちは……ほんの少し前の出来事のままなんです」
「はあ、時を止めるってのも、色々な弊害があるもんだね」
「すみません」
「いや仕方ないさ。でも、もうダンはあの国にはいないよ」
「えっ?」
「て言うか、あたしがあんたについてあの国を出たからあの国は……一度滅んでしまったんだ」
「…………」
へっ?信じられない…滅ぶ?……えっ?
言葉すらなにも出てこない。
「だってあの国の繁栄はあたしが居たからだもん。あたしが居なくなって迷いの森の魔獣たちが大暴れして、国の中は混乱を招いたんだ。国の統率がとれなくなった王は責任をとって王位から退くしかなくなったんだ、不満の声が大きくてね、ウヒャヒャヒャヒャ!!」
愉しそうに嗤う魔女さんに唖然とするわたし。
「………国……民は?沢山……亡く……なったんですか?」
青ざめ、震える声で聞いた。
怖い、わたしの一時的な感情のせいでたくさんの人の命を?魔女さんをあの国から連れ出したのはわたしだもの。
恐ろしかった、浅はかな行動が、たくさんの人を苦しめた……
「あたしゃ、あの腐った国王達を一掃するのがいいと思った。でも人殺しはしないよ、これでも人助けをしている薬師なんだ。魔獣達には絶対人間を殺さないように命令しておいたんだ。まぁ、多少の怪我や建物の崩壊は仕方がないが、ヒャヒャヒャッ」
「ダンはあの国の侯爵様だ。一度はあんたとリオに会いに来たが、リオが追い返したんだ。あんたの病のことも、時が止まり眠り続けていることも知らせていないよ。今更後悔しても遅いんだよ。ダンは浮気ばかりしてたからね」
「浮気……ふふふふ、ダンは……一度もわたしを愛してはくれなかった……」
今更なのに……涙が溢れた。
涙は止まることなく流れ続けた。
『妻』という立場にいただけで、彼に愛されなかったわたし。家族の愛はあったと思う。ただ女として愛してもらえなかった。
思い出すと胸が痛い。
泣くだけ泣いて、スッキリした。
「ダンはじゃあ、国に戻って今新しい国の復興のために頑張っているのかしら?」
「どうだろうね?ダンももう40歳を過ぎてる。流石に女遊びも終わって今は頑張ってるんじゃないのか?」
「あ………そうですよね……わたしよりもずっと年上になってしまったんですよね」
わたしの周りはもうみんな先に歳をとってしまってる。
そんな現実に今更寂しさを覚えた。
背後から声が聞こえた。
「マナ!だめだよ!」
「えっ?」
振り返るととても怖い顔をしたリオが立っていた。そしてわたしを抱きしめてわたしの肩に顔を埋めた。
「お願いだからここに居て」
「リオ……」
「ねぇマナ、僕はずっと待ってたんだ。ずっと、ずっと、もし、マナが何十年時が止まろうと待つつもりだった。いざとなればあと2年したら僕も時を止めてもらうつもりだったんだ」
「ええっ?」
「しっかりお金は稼いだから、僕の時が止まってもこの屋敷は魔女さんが維持してくれる。だから僕はマナが治るまで一緒に眠り続けるつもりだったんだ」
「リオ……いくらなんでも貴方……マザコンすぎないかしら?」
思わずわたしは呟いてしまった。
ダンと離縁してまだそんなに(気持ち的には)経っていない。でも実際には15年と言う月日が経っている。
ダンはアイリスさんとその子供と今も仲良く暮らしているのかしら?
ダンから離れるためにあの国から出てきた。
でもまた帰る?
迷いの森に引き篭れば確かにダンとは会わないかもしれないわ。でも村へ行ったり街へ出れば?
「わたし……」
返事に困っていると魔女さんがまた愉しそうに嗤う。
「あんた、まだ、ダンのこと忘れてないのか?」
「……15年経っているのはわかってるのですが……わたしの気持ちは……ほんの少し前の出来事のままなんです」
「はあ、時を止めるってのも、色々な弊害があるもんだね」
「すみません」
「いや仕方ないさ。でも、もうダンはあの国にはいないよ」
「えっ?」
「て言うか、あたしがあんたについてあの国を出たからあの国は……一度滅んでしまったんだ」
「…………」
へっ?信じられない…滅ぶ?……えっ?
言葉すらなにも出てこない。
「だってあの国の繁栄はあたしが居たからだもん。あたしが居なくなって迷いの森の魔獣たちが大暴れして、国の中は混乱を招いたんだ。国の統率がとれなくなった王は責任をとって王位から退くしかなくなったんだ、不満の声が大きくてね、ウヒャヒャヒャヒャ!!」
愉しそうに嗤う魔女さんに唖然とするわたし。
「………国……民は?沢山……亡く……なったんですか?」
青ざめ、震える声で聞いた。
怖い、わたしの一時的な感情のせいでたくさんの人の命を?魔女さんをあの国から連れ出したのはわたしだもの。
恐ろしかった、浅はかな行動が、たくさんの人を苦しめた……
「あたしゃ、あの腐った国王達を一掃するのがいいと思った。でも人殺しはしないよ、これでも人助けをしている薬師なんだ。魔獣達には絶対人間を殺さないように命令しておいたんだ。まぁ、多少の怪我や建物の崩壊は仕方がないが、ヒャヒャヒャッ」
「ダンはあの国の侯爵様だ。一度はあんたとリオに会いに来たが、リオが追い返したんだ。あんたの病のことも、時が止まり眠り続けていることも知らせていないよ。今更後悔しても遅いんだよ。ダンは浮気ばかりしてたからね」
「浮気……ふふふふ、ダンは……一度もわたしを愛してはくれなかった……」
今更なのに……涙が溢れた。
涙は止まることなく流れ続けた。
『妻』という立場にいただけで、彼に愛されなかったわたし。家族の愛はあったと思う。ただ女として愛してもらえなかった。
思い出すと胸が痛い。
泣くだけ泣いて、スッキリした。
「ダンはじゃあ、国に戻って今新しい国の復興のために頑張っているのかしら?」
「どうだろうね?ダンももう40歳を過ぎてる。流石に女遊びも終わって今は頑張ってるんじゃないのか?」
「あ………そうですよね……わたしよりもずっと年上になってしまったんですよね」
わたしの周りはもうみんな先に歳をとってしまってる。
そんな現実に今更寂しさを覚えた。
背後から声が聞こえた。
「マナ!だめだよ!」
「えっ?」
振り返るととても怖い顔をしたリオが立っていた。そしてわたしを抱きしめてわたしの肩に顔を埋めた。
「お願いだからここに居て」
「リオ……」
「ねぇマナ、僕はずっと待ってたんだ。ずっと、ずっと、もし、マナが何十年時が止まろうと待つつもりだった。いざとなればあと2年したら僕も時を止めてもらうつもりだったんだ」
「ええっ?」
「しっかりお金は稼いだから、僕の時が止まってもこの屋敷は魔女さんが維持してくれる。だから僕はマナが治るまで一緒に眠り続けるつもりだったんだ」
「リオ……いくらなんでも貴方……マザコンすぎないかしら?」
思わずわたしは呟いてしまった。
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