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再会。

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パルバン様の屋敷にセルマ君達と暮らしだして8ヶ月が過ぎた。

ニコルちゃんもセルマ君もいつの間にかしっかりしてきて、わたしはいつも二人からお世話をしてもらっている。

「アイリス、ほらここにもあるわ」

「あら本当ね、ありがとう」

「まま、こっちの方がいっぱい」

「セルマ君も教えてくれてありがとう」

わたしの薬草探しは、パルバン様の屋敷の裏庭の奥の木々の多い場所でしていた。

子供達のほうが背が低いので、探すのも上手だ。

二人はとっても仲がいいので、いつも教えてくれる。


「セルマ、あなた生意気よ!わたしが先にアイリスに教えてあげたの!」

「ぼくのままなんだから、ぼくがおしえるの!」

「アイリスは本当のママじゃないでしょう?もしかしたらニコルのママになるかもしれないわ」

「ちがう!ぼくのまま!」

「うるさい!もう遊んであげないわよ」

「ぼくだってあそばない」


わたしが薬草を採っていると二人が仲良く顔を突き合わせて話していた。

「ニコルちゃんとセルマ君は本当に仲がいいのね。わたし二人が仲良しで嬉しいわ」

わたしが二人を見てにこにこしていると

「「うん、ナカヨシナノ」」
と、二人は少し変な顔をしながら笑い返した。

「うん?」
わたしが首を傾げると

「「なんでもない」」
と二人は口を揃えて言った。

「ふふ、仲良しさんね」



屋敷に戻ると、わたしに与えてもらった薬品部屋で薬草を広げて乾燥させる。

これは風の精霊さんがしてくれるので、あっという間に終わらせてくれる。

『風の精霊さん、いつもありがとう』

『どういたしまして』

わたしはそれから隣の調合室で一人薬を作り始める。

今は騎士さん達の傷薬が足りなくなってきたので、そちらを専念して作っている。

わたしがお屋敷にご厄介になっているので、お薬くらいはみんなのために作っている。

作った薬はミナがケースに詰めてくれる。

わたし達は屋敷のある敷地内だけでこの一年近くを過ごしてきた。

パルバン様曰く、「アイリスは今まだ危険な状態だからここからは出ては駄目だからね」
と言って外出の許可がおりない。

元々お家が大好きで大した趣味もないわたしは、外に出られなくても困ることはない。

まぁ、たまに森へ行って新しい薬草や花を探して回りたいなという欲望はあるけど、この広い敷地にはまだ探せてない薬草も見つかる。

だから今のところ不満はない。

そんな変わらない日々の中、私にとってドキドキの日がやって来た。

旦那様であるロバート様がこの屋敷に初めて顔を出したのだ。

ロバート様はパルバン様やネイサン様、マーティン様と楽しそうに挨拶をしていた。

三人は旦那様と知り合いのようだった。

あんなに親しそうに話す旦那様をわたしは2階の階段の陰からこっそりと見ていた。

旦那様は27歳だというのに、10歳も年下のわたしから見てもかっこいい。

お顔はもちろんかっこいいのだが、大人の仕草とか話し方、立っている姿もかっこいい。

この人はとてもモテて当然だとわたしは納得した。

だから、セルマ君のお母さんやルイーズ様が旦那様をお好きになったのだと、一人客観的に見ていた。

と言うか、わたし、今日初めてまじまじと見た気がする。こんな顔だったのだと知った。

旦那様もわたしの顔を覚えているかしら?

わたしのようにボヤッとしか覚えていないかもしれない。

て言うか、話があると聞いたけどわたしと何をお話しするのだろう。

セルマ君のこと?

離縁?

どちらの話しもセルマ君とはお別れしないといけないことになってしまう。

(どうしよう……今の幸せな生活が続くわけがないとわかっていたのに……旦那様はいつも不幸を連れてくる人よね)

わたしは逃げ出したくなった。

でもまた逃げ出せばセルマ君やニコルちゃん、リイナ達だって悲しむし心配する。

もう逃げない。

(旦那様と話して、これから先どうするか決めないといけないわ)

客間に通された旦那様と久しぶりのご対面をした。











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