Yesterday's HERO

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.Hand








「メッセージ送ってくれた？」


「送ったよジンくん！
   それにしてもユリちゃん最高！じゃあ！」



ここは俺らのアジトのロビー、目の前でジンと謎の男が会話を交わしていた。




「とりあえず7万確保、っと。」

「ジン、あの男だれ？メッセージってなに？」

「ラブが悠里のとこに送り込もうとした、どっかの社長さんだよ。とりあえず俺の経営してる風俗んとこにやっといた。一回10万、俺らのところには7万回ってくるってわけ。

社長さんにはラブに、悠里ちゃんがよかったって内容のLINEしといともらうの」


「…手広くやってんなぁ」




ジンは間違いなく春原悠里のことが好きだと思う。









俺らは幼少期に一度、親の会合を通して顔を合わせたことがあった。



"おっす！俺ユウタ！"

"こんにちは！僕もユウタっていうの！"

"おんなじだな！"

"うん！"





ジンはお金持ちのところの子って感じがした。
高級そうなスーツとアクセサリー、そして「僕」という一人称に驚かされた。

めちゃくちゃ印象に残った。


俺はお互いの本名がユウタだということは知っている。まあ向こうが覚えているかどうかは、わからないけれど。





ジンは、悠里が「ユウタ」と口にするたびに、目を泳がせる。


ラブがそれに気づいたら、怒るだろうな。

別に男が好きとかそういうわけではないけれど、どうやらずっと隣にいて守ってくれているジンにだけは心を許しているらしい。


ジンに近づこうとする女は片っ端から排除していたもんなぁ…



「じゃあ、解散ってことで」


「おう」






帰りに、好奇心で春原悠里の家に寄った。






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