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Internally Flawless
13 融解 2
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「ごめん。着替えも、シーツの代えも、場所わかんなかったから」
気付くと、タオルの他には何も纏ってはいなかった。さっきまで散々その姿で愛し合っていたというのに、少しだけ恥ずかしい。
よく見ると胸元には、かなりの数のキスマークと、処々に歯型までが残っていて、『明日隠すのが大変そうだな』と思う。でも、それが、彼のものである自分に戻れたことの証のように思えて嬉しい。
「あ。今出すよ」
身体を起して、腰にタオルを巻いて、立ち上がろうとすると、かく。と足から力が抜けて、スイはその場に座り込んでしまった。
「あ……」
そのまま立ち上がることができない。
「どこにあるの? 俺がやるから、スイさんは座ってて?」
その身体を軽々と抱き上げて、ソファに座らせて、アキが言う。ほんの三週間、見ていなかっただけなのに、そんな行動や、仕草の全部がまるで初めて見たみたいに格好良く見えて思わず見惚れてしまう。
「あ……の。そこのチェストの。シーツは一番上で。それから……俺の着替えは二番目の……そう。そこ……あと……アキ君の着替えもあるから……」
スイの言葉に驚いたような顔で、アキが振り返る。まじまじと見つめられると恥ずかしくて、自分の顔が赤くなっているのが分かる。
「……や。その……泊りに……来てくれるかな……とか……」
チェストの取っ手に手をかけたまま、アキが何やら悶絶している。
その反応に急にスイは恥ずかしくなった。あんな言い方をして出てきたくせに、逃げ出した部屋にアキの着替えまで用意していたなんて、用意周到過ぎて笑えない。
「……ちがっ。そうじゃなくて! 荷物用意したの喧嘩する前だし。てか、ここ、もともと三人分の着替えとか用意してるし……」
もう、何と言っても後の祭りで、アキはしばし、悶絶した後、スイに背中を向けてチェストから着替えを出す。真後ろではないから、口角が上がっているのが丸わかりだ。笑っているというより、明らかにニヤけている。それなのに、振り返った顔はもういつも通りのイケメン顔だった。『え? なんかありました?』くらいの表情だ。そのまま、スイのところまで着替えを持ってきてくれる。
「下着だけでいい?」
なんだか、完敗した気がする。悔しくはないけれど、複雑な気分だ。いつも負けっぱなしだということはわかっているけれど、それでアキと一緒にいられるなら、もういいや。と、思うスイだった。
「うん」
スイが着替えを受け取ると、アキは手早く自分の着替えを済ませてから、また背中を向けた。そして、今度はチェストからシーツを出して、ベッドに向かう。上半身は裸のままだ。その背中には多分、スイが無意識で付けてしまった爪痕が残っている。適度に筋肉がついた背中はすごく綺麗で、そこに痕を残したのが自分だと思うと、スイは罪悪感と優越感が入り混じったような気持ちになった。
気付くと、タオルの他には何も纏ってはいなかった。さっきまで散々その姿で愛し合っていたというのに、少しだけ恥ずかしい。
よく見ると胸元には、かなりの数のキスマークと、処々に歯型までが残っていて、『明日隠すのが大変そうだな』と思う。でも、それが、彼のものである自分に戻れたことの証のように思えて嬉しい。
「あ。今出すよ」
身体を起して、腰にタオルを巻いて、立ち上がろうとすると、かく。と足から力が抜けて、スイはその場に座り込んでしまった。
「あ……」
そのまま立ち上がることができない。
「どこにあるの? 俺がやるから、スイさんは座ってて?」
その身体を軽々と抱き上げて、ソファに座らせて、アキが言う。ほんの三週間、見ていなかっただけなのに、そんな行動や、仕草の全部がまるで初めて見たみたいに格好良く見えて思わず見惚れてしまう。
「あ……の。そこのチェストの。シーツは一番上で。それから……俺の着替えは二番目の……そう。そこ……あと……アキ君の着替えもあるから……」
スイの言葉に驚いたような顔で、アキが振り返る。まじまじと見つめられると恥ずかしくて、自分の顔が赤くなっているのが分かる。
「……や。その……泊りに……来てくれるかな……とか……」
チェストの取っ手に手をかけたまま、アキが何やら悶絶している。
その反応に急にスイは恥ずかしくなった。あんな言い方をして出てきたくせに、逃げ出した部屋にアキの着替えまで用意していたなんて、用意周到過ぎて笑えない。
「……ちがっ。そうじゃなくて! 荷物用意したの喧嘩する前だし。てか、ここ、もともと三人分の着替えとか用意してるし……」
もう、何と言っても後の祭りで、アキはしばし、悶絶した後、スイに背中を向けてチェストから着替えを出す。真後ろではないから、口角が上がっているのが丸わかりだ。笑っているというより、明らかにニヤけている。それなのに、振り返った顔はもういつも通りのイケメン顔だった。『え? なんかありました?』くらいの表情だ。そのまま、スイのところまで着替えを持ってきてくれる。
「下着だけでいい?」
なんだか、完敗した気がする。悔しくはないけれど、複雑な気分だ。いつも負けっぱなしだということはわかっているけれど、それでアキと一緒にいられるなら、もういいや。と、思うスイだった。
「うん」
スイが着替えを受け取ると、アキは手早く自分の着替えを済ませてから、また背中を向けた。そして、今度はチェストからシーツを出して、ベッドに向かう。上半身は裸のままだ。その背中には多分、スイが無意識で付けてしまった爪痕が残っている。適度に筋肉がついた背中はすごく綺麗で、そこに痕を残したのが自分だと思うと、スイは罪悪感と優越感が入り混じったような気持ちになった。
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