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L's rule. Side Hisui.
ちゃんと両方面倒見てよ? 3
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「……でも、買い物は三人で行こう。それから、兄貴の好きなエビフライも一緒に揚げてやって」
けれど、ユキはいつもの笑顔にもどっていた。いつもみたいに、笑ってくれた。
そして、ぎゅ。っと、抱きしめてくれた。
「ユキ……君」
「いいんだよ。スイさん。兄貴のこと大好きでいいんだ。そんなの、知ってるし。
ただ。俺のこと、同じだけ、好きでいてくれれば十分。……つうかさ。わかってるよ。スイさん、俺のこと大好きだよね?」
なんだか、さっきとは違う嬉しそうな顔になるユキ。言っている意味がわからない。確かにスイはユキが好きだ。アキと同じだけ好きだと断言できる。
でも、さっき切なそうな顔をしていたユキを笑顔にできるような何かを言えた気はしない。
「だって、必死に俺の機嫌取ってくれてんじゃん。俺に好かれようってしてくれてるだろ? その顔みたら、俺、愛されてるなってわかった」
両手でスイの頬を包みこむようにして、ユキが見つめている。静かな夜の空のような色をした瞳。綺麗だと思う。
「でも、スイさん心配しないて?
何があったってオレがスイさんを嫌いになるなんてないから。俺のために一生懸命になってくれんのは嬉しいけど、ツラい思いはさせたくないよ?」
その笑顔に、ユキがどれだけの想いを隠しているのだろうと、スイは思う。随分年下なのになんでもわかってくれているみたいな包容力にどうしょうもなく、夢中になっている。
「ユキ君。好きだよ。大好きだ」
なんだか幸せすぎて泣きたくなって、そう言うと、ユキは触れるだけの可愛いキスをくれた。
「うん。知ってた」
鼻先が触れるくらいの距離でユキか言う。
「だから、からあげは衣にニンニク醤油のやつね? あ……や。ネギ塩レモンも捨てがたいかも……あ。でもなぁ」
随分と年上の自分を全部包み込んでしまうような包容力を見せた直後に、小学生みたいなことで真剣に悩み始めるユキ。そのギャップが堪らなく可愛く思える。
「じゃあ。両方にしようか?」
鼻先か触れる。零れるみたいなユキの笑顔。
やっぱり、大好きだ。
スイは思う。
痛いだけの過去を飲み込んで愛してくれるアキ。知らないでいることを許してくれて、それでもなお好きだと言ってくれるユキ。
贅沢でもアキもユキも両方ともいてくれないと嫌だ。そのためなら、なんでもできる。
「両方とか、最高!」
ユキの叫んだ言葉に、思わずスイは言葉をなくした。あんまりにもタイミングがよすぎる。
「ね? スイさんもそう思うだろ?」
ユキが笑う。
もしかして、全部わかっているんだろうか?
そんな考えが頭を過る。
「うん。そうだな。両方がいい」
でも、それもいいかな。なんて思う。
スイは恋愛なんて全然上手にできない。今まで誰も本気で好きになったことなんてないから、うまく伝えることすらできない。それでも、全部見透かしてくれるなら、言葉にしなくても、好きだとちゃんと伝わってくれる。
「じゃあ、決まり! 約束だよ。
……ちゃんと。両方……面倒見てよ?」
ぎゅ。と、強く抱きしめられたから、最後にユキが何を言ったのか、スイにはよく聞こえなかった。いや、わざと聞こえないように言ったようにも思えた。
「え?」
そして、聞き返したと同時に、ユキはスイを離した。
「そうと決まれば、洗濯物はやく済ませて、買い物行こーよ!」
子犬みたいにはしゃぐ、年下の恋人の姿に聞きたかった言葉が笑顔になって消えた。でも、それでいい。
そう思える、スイにとって忘れられなくなる初めての朝の出来事だった。
けれど、ユキはいつもの笑顔にもどっていた。いつもみたいに、笑ってくれた。
そして、ぎゅ。っと、抱きしめてくれた。
「ユキ……君」
「いいんだよ。スイさん。兄貴のこと大好きでいいんだ。そんなの、知ってるし。
ただ。俺のこと、同じだけ、好きでいてくれれば十分。……つうかさ。わかってるよ。スイさん、俺のこと大好きだよね?」
なんだか、さっきとは違う嬉しそうな顔になるユキ。言っている意味がわからない。確かにスイはユキが好きだ。アキと同じだけ好きだと断言できる。
でも、さっき切なそうな顔をしていたユキを笑顔にできるような何かを言えた気はしない。
「だって、必死に俺の機嫌取ってくれてんじゃん。俺に好かれようってしてくれてるだろ? その顔みたら、俺、愛されてるなってわかった」
両手でスイの頬を包みこむようにして、ユキが見つめている。静かな夜の空のような色をした瞳。綺麗だと思う。
「でも、スイさん心配しないて?
何があったってオレがスイさんを嫌いになるなんてないから。俺のために一生懸命になってくれんのは嬉しいけど、ツラい思いはさせたくないよ?」
その笑顔に、ユキがどれだけの想いを隠しているのだろうと、スイは思う。随分年下なのになんでもわかってくれているみたいな包容力にどうしょうもなく、夢中になっている。
「ユキ君。好きだよ。大好きだ」
なんだか幸せすぎて泣きたくなって、そう言うと、ユキは触れるだけの可愛いキスをくれた。
「うん。知ってた」
鼻先が触れるくらいの距離でユキか言う。
「だから、からあげは衣にニンニク醤油のやつね? あ……や。ネギ塩レモンも捨てがたいかも……あ。でもなぁ」
随分と年上の自分を全部包み込んでしまうような包容力を見せた直後に、小学生みたいなことで真剣に悩み始めるユキ。そのギャップが堪らなく可愛く思える。
「じゃあ。両方にしようか?」
鼻先か触れる。零れるみたいなユキの笑顔。
やっぱり、大好きだ。
スイは思う。
痛いだけの過去を飲み込んで愛してくれるアキ。知らないでいることを許してくれて、それでもなお好きだと言ってくれるユキ。
贅沢でもアキもユキも両方ともいてくれないと嫌だ。そのためなら、なんでもできる。
「両方とか、最高!」
ユキの叫んだ言葉に、思わずスイは言葉をなくした。あんまりにもタイミングがよすぎる。
「ね? スイさんもそう思うだろ?」
ユキが笑う。
もしかして、全部わかっているんだろうか?
そんな考えが頭を過る。
「うん。そうだな。両方がいい」
でも、それもいいかな。なんて思う。
スイは恋愛なんて全然上手にできない。今まで誰も本気で好きになったことなんてないから、うまく伝えることすらできない。それでも、全部見透かしてくれるなら、言葉にしなくても、好きだとちゃんと伝わってくれる。
「じゃあ、決まり! 約束だよ。
……ちゃんと。両方……面倒見てよ?」
ぎゅ。と、強く抱きしめられたから、最後にユキが何を言ったのか、スイにはよく聞こえなかった。いや、わざと聞こえないように言ったようにも思えた。
「え?」
そして、聞き返したと同時に、ユキはスイを離した。
「そうと決まれば、洗濯物はやく済ませて、買い物行こーよ!」
子犬みたいにはしゃぐ、年下の恋人の姿に聞きたかった言葉が笑顔になって消えた。でも、それでいい。
そう思える、スイにとって忘れられなくなる初めての朝の出来事だった。
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