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夏夜
じゃ、、見ていて? 4
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うれしい。
いとしい。
ああ。なんて、艶っぽいんだろう。
きれいだ。
ずっと、みていたい。
すきだ。
すきだ。
めちゃくちゃにしてほしい。
心の中は嵐のようだった。同じ嵐でも、鈴にほかに好きな人がいると勘違いしてしまったあの日とは違う。歓喜の嵐。このままずっと、この嵐の中に居てもいい。
「ん……んう。あ。すず……っああっ?」
ゆるゆる。と、馴染ませるようにゆっくりと身の内の鈴が進んでくる。もっと、もっと、奥へと。それが、不意に何かを掠めた。
「……え? ……あ。? ? あんんっ」
鈴の動きはゆっくりしたものから変わってはいない。それなのに、ソコをゆるく刺激される度、指の時とは違った痺れがぞくぞく。と、背中を駆けた。
「ここ。いいんだ? ん。覚えた」
耳元に鈴が囁く。それから、何度も何度もそこを鈴のソレで擦り上げられる。
「やだ……っ。やだ。待って。ん。ああっ」
さっきまでなんだかもよくわからなかった感覚は確実に快感に変わっていた。それも、今までしたどんなセックスよりも気持ちがいい。
「……すず。すずぅ」
快感を拾い始めると、今度はゆるゆるとした刺激では足りなくて、菫は無意識で鈴に頭を擦り寄せた。もっと、もっと、気持ちよくなりたい。それしか考えられなくなる。
「おねが……い。もっと」
思わず口をついた言葉に、菫の頬がこれ以上ないくらいに上気する。何を言っているんだと思いながらも、自分の腰が鈴の動きに合わせて揺れてしまっていることにも菫は気付いていた。
「もっと? なに? こっち見て。言って。そしたら、何でもするから」
砂糖菓子のような甘い鈴の声。誘われるままに鈴を見ると、今までに見たことのないような表情を浮かべた鈴がいた。欲情。しているのだと分かる。
「も……ぉいいから。……ぁん。鈴の……好きにして?」
菫の懇願と、ばちゅん。と、高い音が同時に響く。いきなり最奥まで貫かれて、目の前に星が散る。
「アアっ!」
こらえきれず高く悲鳴のような声が上がった。
「ごめん。も。むり。てかげん。するから」
荒い吐息の隙間に鈴が言う。けれど、その声もすぐに始まった激しい抽挿のために、菫の耳には届かなかった。身体の奥を、今まで誰も知らなかった、菫自身でさえ知らない場所を暴かれている。鈴に。だ。
繋がると、感じたそわそわと落ち着かないけれど温かいその時の感情とは違う。本当に嵐の中にいるようだった。熱くて、激しくて、真摯で、ふしだらな感情の嵐。
たまらない。
「ひぅ……ああっ。ん……んん。す……ずっ」
必死で鈴の背に手を回して縋りつく。爪を立てていたかもしれない。けれど、そんなこと気にはしていられなかった。突き上げられるたびに、
「……っっ菫……さん」
鈴の声が聞こえる。
「俺の。……すみれ。絶対に。誰にも……」
一瞬。鈴の表情が欲情とは違う色に染まったように思えた。けれど、ほんの一瞬でそれは快楽の波に流されてしまった。鈴が、菫のモノを包み込むように握ったからだ。
「あ。す……ああっ。あ。ア」
だから、その後のことなんて、菫は何も覚えていない。そんな余裕なんてなかった。
いとしい。
ああ。なんて、艶っぽいんだろう。
きれいだ。
ずっと、みていたい。
すきだ。
すきだ。
めちゃくちゃにしてほしい。
心の中は嵐のようだった。同じ嵐でも、鈴にほかに好きな人がいると勘違いしてしまったあの日とは違う。歓喜の嵐。このままずっと、この嵐の中に居てもいい。
「ん……んう。あ。すず……っああっ?」
ゆるゆる。と、馴染ませるようにゆっくりと身の内の鈴が進んでくる。もっと、もっと、奥へと。それが、不意に何かを掠めた。
「……え? ……あ。? ? あんんっ」
鈴の動きはゆっくりしたものから変わってはいない。それなのに、ソコをゆるく刺激される度、指の時とは違った痺れがぞくぞく。と、背中を駆けた。
「ここ。いいんだ? ん。覚えた」
耳元に鈴が囁く。それから、何度も何度もそこを鈴のソレで擦り上げられる。
「やだ……っ。やだ。待って。ん。ああっ」
さっきまでなんだかもよくわからなかった感覚は確実に快感に変わっていた。それも、今までしたどんなセックスよりも気持ちがいい。
「……すず。すずぅ」
快感を拾い始めると、今度はゆるゆるとした刺激では足りなくて、菫は無意識で鈴に頭を擦り寄せた。もっと、もっと、気持ちよくなりたい。それしか考えられなくなる。
「おねが……い。もっと」
思わず口をついた言葉に、菫の頬がこれ以上ないくらいに上気する。何を言っているんだと思いながらも、自分の腰が鈴の動きに合わせて揺れてしまっていることにも菫は気付いていた。
「もっと? なに? こっち見て。言って。そしたら、何でもするから」
砂糖菓子のような甘い鈴の声。誘われるままに鈴を見ると、今までに見たことのないような表情を浮かべた鈴がいた。欲情。しているのだと分かる。
「も……ぉいいから。……ぁん。鈴の……好きにして?」
菫の懇願と、ばちゅん。と、高い音が同時に響く。いきなり最奥まで貫かれて、目の前に星が散る。
「アアっ!」
こらえきれず高く悲鳴のような声が上がった。
「ごめん。も。むり。てかげん。するから」
荒い吐息の隙間に鈴が言う。けれど、その声もすぐに始まった激しい抽挿のために、菫の耳には届かなかった。身体の奥を、今まで誰も知らなかった、菫自身でさえ知らない場所を暴かれている。鈴に。だ。
繋がると、感じたそわそわと落ち着かないけれど温かいその時の感情とは違う。本当に嵐の中にいるようだった。熱くて、激しくて、真摯で、ふしだらな感情の嵐。
たまらない。
「ひぅ……ああっ。ん……んん。す……ずっ」
必死で鈴の背に手を回して縋りつく。爪を立てていたかもしれない。けれど、そんなこと気にはしていられなかった。突き上げられるたびに、
「……っっ菫……さん」
鈴の声が聞こえる。
「俺の。……すみれ。絶対に。誰にも……」
一瞬。鈴の表情が欲情とは違う色に染まったように思えた。けれど、ほんの一瞬でそれは快楽の波に流されてしまった。鈴が、菫のモノを包み込むように握ったからだ。
「あ。す……ああっ。あ。ア」
だから、その後のことなんて、菫は何も覚えていない。そんな余裕なんてなかった。
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