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第29章 動乱 ロードベルク王国 組曲(スウィート)

第298話

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 ー『……【ジークランス】、トゥーゴ艦長、聞こえるか?こちらオルガだ。作戦は成功、各部隊共に人質は無事確保した。もう偽装の必要は無い、遊びは終わりだ。予定通り殲滅を開始せよ 』ー

 こちらは新生王国海軍旗艦【ジークランス】の艦橋。スピーカーから聞こえて来たオルガからの通信に、ワァ…ッ!と艦橋内は湧き返った。

「静かに! …こちら【ジークランス】、トゥーゴです。お疲れ様でしたオルガ司令 」

 ー『フッ、ただの雑魚掃除だよ、大したこともない。これより我々は各艦の残敵を掃討し、【バルディッシュ】及び他の二艦を制圧する。その三艦のみを残して残りは全て沈めてしまえ。艦隊指揮は全てトゥーゴ艦長に任せる 』ー

「了解しました。現時点を以って全ての偽装を解除、ヨゴルスカ海賊艦隊の殲滅を開始します 」

 ー『うむ。頼んだぞトゥーゴ艦長 』ー

「……王国海軍艦隊各艦に通達。現時点を以って偽装を解除。攻撃を再開する前に、まずは艦に入り込んだ賊どもを排除せよ 」

「了解、こちら【ジークランス】、作戦は成功した。各艦、偽装を解除、偽装を解除。艦内に侵入した敵勢力を全て排除し、攻撃を再開せよ!繰り返す、こちら【ジークランス】…………」


 【ジークランス】の船上に、ーー フォーン、フォーン! ーー とサイレンの音が鳴り響く。

「ぐあぁぁあっ⁉︎」

 妄想に浸り、だらしなく頬を緩めながらもまたひとり海賊を斬り伏せたリリルカは、そのサイレンの音でふと我に返った。

「おや?ふぅ……、お姉様の作戦は首尾よく成功したようですね。では、はここまでとしましょう 」

 正気を取り戻したリリルカは、斬り倒した何人もの海賊の血脂に塗れた愛刀をその場でヒュン!と振って血糊を飛ばすと、その場から一気に十メートル近く後方へと飛び退いた。

 空中で、クルリと身を翻して着地したのは、艦内への侵入を防ぐ為に床から競り上がっていたバリケードの上。フワリ、とその身の重さもまるで感じさせないほど、軽やかに着地を決めたリリルカは、そのままバリケードの上でスックと立ち上がると、天を突くかの如く己の愛刀を振り上げた。

 すると、それが合図であったらしく、物陰陰から次々と王国海軍兵士が現れ、バリケードの向こう側にズラリと並ぶ。

「「「「「…っ⁉︎ 」」」」」

 既にリリルカたったひとりに三十人近い仲間を屠られたのだ。で、あるのに、更にそこに新たに現れた増援の姿に、海賊達は思わず息を呑むが………?

 現れた兵士達は、こちらへと攻めかかって来るどころか、バリケードの後ろからこちらには出て来る気配がない。そのことを海賊達が訝しみ、ザワザワとしだしたその時、スッとリリルカの掲げていた剣が海賊達の方に向けて振り下ろされた。

 ーーズガガガガガガガガガガガ…ッ‼︎‼︎ーー

「がっ⁉︎」「ぐわっ!」「ぎゃ…っ⁉︎」

 掲げた剣を振り下ろす動作といえば、普通は突撃を意味する。しかし、雄叫びは無く、鬨の声も上がらない。
 沸き起こったのは。獣の咆哮のごとき無数の銃声。無慈悲に吹き荒れた銃弾の嵐の前に、海賊達は満足に悲鳴を上げる事も許されず次々と引き裂かれ、打ち倒されていく。

「………撃ち方止め」

 音が鳴り響いたのは、およそ一分にも満たない数十秒間のこと。しかし、銃撃か止んだ時、累々としてそこに転がっていたのは、百人を超す元であった。

(「………凄まじい威力であるのは分かっていたはずなのですが……。なるほど、陛下が使と定められた訳が分かります。これは…、これが広まってしまえば、この世界は泥沼の混沌と化しますね… 」)

「……さあ、ゴミ掃除は終わりです。まだ作戦は終わっていません。全員持ち場へ戻りなさい!」

「「「「「「はっ‼︎」」」」」」

 その"属性適性"を持たずとも、魔力さえあれば魔道具である魔導銃は撃ててしまう。この"銃"という魔道具がイオニディアに蔓延した時、剣と魔法による戦闘は終わりを告げ、誇りも何も無いただ殺戮の時代と変わり果てるだろう。その暗澹たる未来を想像してしまい、リリルカは駆け足で戻って行く兵士達の後ろ姿を見送りながら、ひとり背筋が震える思いを感じていたのだった。


「艦長、ルサールカ秘書官より報告!艦内に侵入した敵勢力は全て排除完了しました!」

「よし。各艦へ通達〈魔導ジェネレーター〉の出力を上げて、纏わりついた海賊船を引き剥がせ。ゴミ掃除を再開する!」

「アイサー!各艦に通達〈魔導ジェネレーター〉出力上げ!敵艦船の排除を開始せよ!繰り返す、各艦は………!」

 トゥーゴからの命令を、早口で各艦に通達していく通信士。

 その声を聞きながら、トゥーゴはいつもは厳格に引き締められた唇の端をニヤリと吊り上げて、獰猛な笑みを浮かべる。

「ふふふ、さて……、たっぷりと絶望をくれてやるぞ、王国の海を汚すダニ虫共めら。…機関出力上げ!艦首"斬艦衝角ブレードラム"展開せよ!」

 【ジークランス】の波を切り裂いて進む舳先の両側にピシリッ!と亀裂が入り、鋭さを増したが前方へと伸びて行く。

「な、何だありゃあっ⁉︎」
「け、剣…?船からデケェ剣が…っ⁉︎」

 ーーーメキッ!ベキバキバキ…!ミシィ…ッ‼︎

 それはまるで海に浮かんだ巨大なジャックナイフ。
斬艦衝角ブレードラム〉の名の通り、音を立てて海賊船を引き裂いて行く。

「〈流体制御〉システム機関出力最大、押し通れぇぇぇっ‼︎ 」

 トゥーゴの号令に応えるように〈魔導ジェネレーター〉が唸りを上げ、その力を艦の隅々まで流し始めると、無数の海賊船に群がられ動きを止めていた【ジークランス】が海面をザワザワと波立たせながらゆっくりと、しかし力強く前進を開始し始めた。

「うぉ!何だこの揺れは…っ⁉︎」
「み、見ろ!奴等の船が動き出してやがるぞ‼︎」
「馬鹿な⁉︎ これだけの船に周りを囲まれて、動けるはずがねぇ!縄まで幾重にも掛けてるんだぞ…っ⁉︎」

 絡め取ったと思い込んでいた【ジークランス】が、ギシギシと不吉な音を立てながら動き始めたのを見て騒ぎ始める海賊達。
 だが、その揺れは段々と大きくなり、やがて決定的な瞬間が訪れる。

 ーーーギシッ!メキンッ‼︎ バキャアァァン…‼︎

「うわあああああああああっ⁉︎」

 群がる海賊船を引き裂いて、【ジークランス】はとうとうその包囲を脱出した。

「艦長、敵海賊船団の囲みを完全に突破しました!」

「よし。全砲門開け!狙いは各砲手長に任せる。好きに撃って構わん。撃てぇぇぇっ‼︎ 」

「はっ!攻撃停止命令解除、照準については各砲手長に一任する。全砲門を開き攻撃を再開せよ!繰り返す、攻撃を再開せよ‼︎ 」

 上げられた報告に対し、即座に攻撃命令を下すトゥーゴ。【ジークランス】の頭脳である艦橋クルー達はその命令をたちまちの内に艦内の隅々にまで伝え、攻撃が再開された。

 轟音と共に、激しい砲火が魔導砲より撃ち放たれて行く。

「ぎゃあああああああああっ‼︎」

 先ず初めに餌食となったのは、【ジークランス】を足止めするために海上のバリケードとされた海賊船達。
 その多くは無茶な突撃が祟り、あちこちが破損して満足な航行すら出来なくなっていたのだ。

 砲火に曝され、次々と粉微塵に粉砕されて行く海賊船の群れ。
 ヨゴルスカ海賊船団の船など、大型であっても所詮は木造船。最新の魔導錬金技術によって創り出された新生王国艦隊の砲撃の前にはひとたまりも無い。魔法弾が着弾すれば、僅かに耐える事すら出来ずに例外無く木っ端微塵に吹き飛ばされてしまう。
 勿論、爆発に曝され、吹き飛ぶのは船の破片ばかりではない。当然巻き込まれた海賊達も一緒に爆風に巻き上げられ、時には海賊自身がバラバラに吹き飛ばされるが、その哀れな悲鳴は爆音に紛れて誰にも聞き取られることは無かった。


 ー『こちら【サーフタートル】隊、ルーシャだ。【ジークランス】応答せよ 』ー

 王国艦隊が攻撃へと転じ、再度前進を始めた所で、更に海賊達にとって災難を増す連絡が【ジークランス】へと届く。

「ルーシャ隊長、あちらの方はもう終わったのか?」

 ー『いえ、まだ往生際悪く逃げ回っている連中がいますが、時間の問題でしょう。なので隊を二つに分け、紅甲隊、蒼甲隊の二隊は一応援護の為に戻って来たのですが…、もう片が付いているかと思っていましたよ 』ー

「フフ…っ、まあ仕方あるまい。急な作戦変更があったのでな。司令のだよ」

 ー『ああ…、了解しました。ですか。まったく困ったお方だ』ー


 通信機の向こうから聞こえる、基本真面目なルーシャには珍しい戯けたような口調に、この男には珍しく非常に上機嫌であることを察するトゥーゴ。

 ー『それで艦長、その困った司令は今どちらに?』ー

「フーリムンの乗艦していた旗艦【バルディッシュ】だ。自ら救出部隊を率いて飛び出して行かれたよ」

 ー『………何ともまあ…。司令となられた今でも、まだまだ【暴れ鯱ランペイジ オルガ】の気性が抜けていないとは…。本当に困った司令官だ。艦長の御苦労、お察ししますよ』ー

「まったくだよ」

 ー『くくく…っ!』ー

「ふふふ… 」

 まだ作戦遂行中であるため、大きな声では笑えない。トゥーゴとルーシャがお互いが示し合わせたように含み笑いをしていたその時、通信に別の声が割り込んで来た。

 ー『ほぉ…、二人とも随分と楽しそうな話しをしているじゃないか?良ければ話しに混ぜてもらえないかな?』ー

「………っ!」

 ー『………⁉︎ 』ー

 今現在、通信機による通信技術を持っているのはロードベルク王国ただ一国。その為今のところは傍受される心配は皆無な為、一作戦部隊においての複数回線による使い分けはまだ行っていない。

 今回の作戦は、心ある海軍兵ならば、海軍に巣食ったフーリムンという癌細胞を、やっと排除できるという長年待ち望み続けた大作戦。
 しかも、いざ戦いとなればどれほどの新兵器を携えようとも、一定数の味方の損害は覚悟しなければならないというのに、蓋を開けてみれば死者はゼロ。
 
 精々が乗り込んで来た海賊達を相手に白兵戦を行った際に、少々の打ち身や打撲をしたという程度の軽傷者のみである。

 待ちに待った作戦の、これほどまでの大戦果。"歴戦の勇士"として、また"堅物"として有名なトゥーゴやルーシャであっても少々しまったとしても仕方のないことだろう。

 だが、それが油断を招いてしまった。

 長年海賊共と戦い、戦さ場を生きる場所として定めた二人だ。普段ならばそのようなミスなど絶対に犯す事は無い。
 あまりに首尾良く事が運び過ぎた事でついつい気が緩み、作戦中だというのに軽口を叩いてしまったのだ。
 
 結果、最も聞かせてはならない相手の、揶揄する会話を堂々としてしまった形になってしまった。

「あ、いや…⁉︎」

『オルガ司令、今のは、その…!』

 これが戦闘に関することであったならば、トゥーゴもルーシャもどれほど突発的であったり想定外の出来事であろうと、すぐに冷静さを取り戻して対処出来たのであろうが、今のは気が緩んだところへの完全な不意打ち。

 何とかこの窮地を乗り切ろうとするものの、上手い言い訳のひとつも思い付かないまま狼狽るばかりであった。

 ー『いやいや、さすがはトゥーゴ艦長にルーシャ隊長、これだけの大作戦の最中であるというのに余裕であるなぁ、実に頼もしい!…しかしながら、だ。我が方の一方的とも言える程の圧倒的な優勢といえども、今はまだ作戦続行中である。残敵が残っている状況でのその余裕は"油断"に繋がるのではないのかな?』ー

「………」

 ー『………』ー

 ー『それに、忘れてはいないかね?今回の我々【新生王国海軍】の快進撃、その全ては最新型にして強大なる力を持った新型装備を我々に下賜して下さった陛下と、その新型装備を我々が十全に扱えるようにして下さった教官殿の訓練の賜物であるということを。そしてその訓練の中で、教官殿もこう御訓示下さっていたではないか。『油断は慢心を呼び、やがてそれは傲慢となる。真に恐るべきは敵ではなく己の慢心、油断である』とな』ー

 いくらオルガ達が優秀で戦意士気が意気軒昂あったとしても、元々のオンボロ船などの旧来の装備ではフーリムン率いるヨゴルスカ海賊艦隊に勝つ事など出来なかったであろう。
 そして、如何に数十倍にもなる程の数の劣勢を跳ね返せる程の強力な新装備があったとしても、それを使い熟せなければ意味は無い。

 妙に持って回った言い方ではあるが、オルガの言うことは至極もっともな事ばかりで、何一つ間違ってはいない。

 しかし…、おかしい?

 オルガは短慮ではないが、さりとて謗られたまま言われっ放しで黙っているような大人しい性格などでは決してない。
 それが、声を荒げるでもなく、淡々と教え諭すような物言いなのが逆に怖い。

 それがトゥーゴとルーシャに言い様のない気持ち悪い汗をダラダラと流させるのだった。

 ー『あまりにも作戦が上手くいき過ぎて、二人とも少し浮かれてるのではないかな?逆に貴官らには司令官として、そうなりかける兵達を戒めて貰わなければ困るのだがなぁ?ん?ん?んん~~?』ー

「は…!まったく…司令の仰る通りで……」

ー『面目次第もございません………』ー

 トゥーゴとルーシャも歴戦の将である。そんな事は今更改めて言われなくても充分に分かっている。
 確かに念願であった毒蛇フーリムン等の一派を味方に殆どの被害も無く掃討する事が出来、予想を遥かに超える大戦果に常よりも気分が高揚していたのは間違いない。だが、油断するほど浮かれていた、などということは決して無い!
 ………と、言いたい。言いたいのだが、作戦を終了しないうちに軽口を叩いていたのは事実なだけに、何も言い返せないトゥーゴとルーシャ。

 ー『そうだろう、そうだろう…‼︎』ー

 そんな二人の返答を聞き、その葛藤を見透かしたような通信機の向こうから聞こえて来るオルガの声に、二人は"ニタリ"と笑うオルガの笑みを幻視した。

 ー『宿敵フーリムンを討ち果たし、尚且つ味方の損害が極めて少ない上での大戦果、大勝利、非常に喜ばしいことだ!だが、ハッキリ言おう、これは私達の力による勝利ではない!全て陛下の恩寵によるものである‼︎ それを勘違いしてはならない。よって、私は今の決断した!この作戦、この戦いが終わり次第、綱紀粛正のためにも殿‼︎』ー

 『『『『『………‼︎‼︎‼︎‼︎』』』』』

 オープン回線を通じて放たれた、オルガのとんでもない一言に、ロードベルク新生海軍の全ての者に震撼が走り、全員が我が耳を疑った。

「きょ、教官の………、」
「さ、再訓練…っ⁉︎」
「ま、またあの地獄の訓練を…っ⁉︎」

『『『『『そ、そんなああああああああああああああああああ‼︎‼︎‼︎‼︎』』』』』

 お祭り気分から一転、悲憤の声が海に響き渡る。

 これか…‼︎と、トゥーゴはオルガの企みに冷や汗と共に(「やられたな…!」)と苦笑いを浮かべた。
 
 今回の戦いは勝つには勝った。しかしその勝利はオルガが言った通り、純粋な自分達だけの力では無く、数々の強力な新兵器の力によってのだ。
 言ってみればそれは"借り物"での勝利。それを勘違いしてしまったら、いつか足下を掬われて取り返しのつかない失敗を冒してしまうかもしれない。

 トゥーゴやルーシャだけでなく、指揮官クラスの者達は皆その点を危惧し、実は自主的に兵達の引き締めを考えてはいたのだが……。

 オルガはその理由を「指揮官たるトゥーゴとルーシャが浮かれているから」という名目にして、自分達への仕返しと海軍の引き締めを見事に両立させてしまったのだ。

 これでは逆に文句も言い辛く、トゥーゴもルーシャもただ苦笑するしかなかった。

 今も通信機からは、各部署様々の兵達の悲鳴やオルガに対しての懇願の声が響き続けているが、当のオルガはそれ等の声を一言の元に切って捨てた。

 ー『うるさぁぁぁぁぁいっ‼︎ お前達、さっきのトゥーゴ艦長とルーシャの会話を聞いて笑っていただろう!聞こえてたんだからな!
はい、再訓練は決定!異論は認めん!文句はトゥーゴ艦長とルーシャに言え‼︎ ほら、分かったら残敵の掃討に集中しないか!あと一時間の内に作戦が終了しなかったら、倍のメニューに増やしてもらうからなぁ~~~っ‼︎』ー

 ー『『『『『ひいいいいいいぃぃぃぃっ⁉︎】』』』』ー

 さっきまでの楽勝ムードから一転、必死になって、少しでも早く海賊達を殲滅すべしと慌てて動き出す艦隊クルー達であった。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 皆様、大変、大変ご無沙汰しております。

 一身上の都合とはいえ、無断のまま長期に渡る無断欠勤、本当に申し訳ありませんでした。
 大変恥ずかしながら、五輪茂戻って参りました。

 にも関わらず、お気に入りを外さずにおいて下さった皆様、待っていると激励の声を下さった方々には感謝の思いしかありません。
 
 本当にありがとうございます。

 ファンタジー大賞を機に、もう一度頑張ってみることにしました。
 よろしければ、是非また宜しくお願い致します。
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