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第29章 動乱 ロードベルク王国 組曲(スウィート)

第266話

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 ー『…"梟の眼オウルアイ"より"鳥籠"へ、梟の眼より鳥籠へ。声は届いているか?応答せよ 』ー

 ー『…こちら"鳥籠"問題無い。は良好だ。"梟の眼"、そちらの状況はどうか?送れ 』ー

 ー『素晴らしいな、コレは…!んん…っ!すまない。…状況を報告する。フーリムンは艦隊の半数を連れて王都へと向かった。残存艦隊の内訳は"ガ級ガレリオン"七、"ギ級ギャリック"一五、"キ級キャランベール"二十 だ 』ー

 ー『了解。"梟の眼"の現在位置、及び、拿捕された被害者の状況を報告せよ 』ー

 ー『了解。現在、警備任務の為、拿捕された商船に搭乗している。警備する兵士の数は自分を含め十七各。担当場所は左舷後方だ。捕らえられている被害者は男二十二人、女十八人。ただし、三人はフーリムンに「バルディッシュ」へと連れて行かれた為、現在は十五人だ。また、その中から七人の女性が連れ出されている。連れて行ったのは全て"ガ級"の船長ばかりだ。商船内に残っている士官は五名、それぞれ各部屋に女性を連れ込んでいるが、現在はもう全員眠っているようだ。女性達が連れ込まれた部屋は………………  』ー
 

 ーーー 深夜、ひとりの海軍下士官服を着た兵士が、退屈な警備任務の気を紛らせる為に、船縁へと寄りかかり、霧が出始めた暗い海を見ながら煙草を吸っている ーーーー風を装っているこの男こそが、フーリムンら海軍の内偵の為に王国政府が潜入させた諜報員、コードネーム"梟の眼オウルアイ"であった。

 その後も、もし誰かが接近して来た時に不審に思われぬよう、仕事をサボり、煙草を吸うフリをしながら、必要な情報を通信によってやり取りする"梟の眼"と"鳥籠"の通信士。

 ー『………了解。"梟の眼"、新たな命令を伝える。作戦決行後、"梟の眼"は突入部隊と合流し、上級士官は捕縛、その他の船内の敵は。被害者達をの安全を確保せよ。以上だ。………"梟の眼"、よく頑張ってくれた 』ー

 ー『ああ…。頼む…、この、を、早く終わらせてくれ……っ!』ー

 通信士からの労いのに短く答えた"梟の眼"の口から、ギリっと歯を食い縛る音と共に、血を吐くような苦悩の言葉が零れ落ちた。

 前にも述べたが、船とは一旦海の上へと出てしまえば、外界とは切り離された閉じられたコミュニティである。上級士官であれば個室も与えられるが、他の乗組員クルーなどの下士官は、眠る時ですらハンモックを吊るした船内での雑魚寝である為、プライベートなど殆んど存在しない。また、海の上である以上、外部との接触は一切不可能な為、何かの情報を掴んだとしても、それを伝える手段が全く無いという、諜報員にとっては非常にやり難い潜入先なのである。

 これまで何人もの密偵が送り込まれたが、そういった理由から、そのことごとくが成果を上げることが出来ていなかった。
 フーリムンは非常に用心深く、新参者は確信に迫られるような場所には絶対に近寄らせなかったからだ。

 "梟の眼"は、まずヨゴルスカの港の酒場で海賊上がりの海軍兵士に接触し、酒を奢るなどして仲良くなり、そのツテで海軍へと入隊するという手段を取った。つまり、最初から自身も"ならず者"である体を装ったのだ。

 ならず者を装ったお陰で、他の乗組員の警戒心を抑えることに成功した"梟の眼"は、今までの密偵に比べ遥かに早く"海賊行為"の現場にも連れて行かれるようになったのだ。

 だが、そこからが"梟の眼"の苦悩の始まりであった。

 繰り返される海賊行為。目の前で殺され、引き裂かれる家族。複数の男達に押さえつけられ、嬲りものにされる女性達の泣き叫ぶ声………。

 いったい、何度立場を忘れて飛び出しかけた事か…‼︎ 

 だが、自分ひとりが暴れたところで、精々十人を道連れに出来るかどうかだろう。その後は結局被害者を助ける事も出来ず、自分が犬死にするだけで終わってしまう…。
 大元であるフーリムンをどうにかしなければ、この悲劇の連鎖は終わらない…と、耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、心の中で血の涙を流しながら己に課せられた任務を全うし続けた。

 王国を愛するが故に、影に徹し、諜報員として裏から王国を支える決意をした"梟の眼"。だが、そんな彼だからこそ、繰り返される悲劇を見ているしか出来ない状況に、彼自身の精神も限界に達していたのだ。

 そう、"悪夢"とは、被害者達だけのことではなく、彼自身のことでもあったのだ。

 ー『任せろ。今度は奴等が悪夢を見る番だ。俺達こそがその悪夢そのものだ!そうだろう?…今暫く頼むぞ"梟の眼"。通信終わり 』ー

 ー『ああ、通信終わり 』ー

(「いよいよだ…。いよいよ奴等に鉄槌を振り下ろす時が来た…!」)

 通信を終了した"梟の眼"は、まだ火のついた煙草の煙を冷たい潮風と一緒に深く吸い込むと、万感の思いと共に夜の闇へと吐き出したのだった。


「艦長……っ!」
「ああ、彼には辛い任務を負わせてしまったな… 」

 "梟の眼"との通信を終えた通信士が、艦橋ブリッジ中央に座る司令官に悲痛な面持ちを向けると、 艦長であり、作戦指揮官であるグラウゼルも、彼の思いを受け取り深く頷いた。

「彼の思いを無駄にしてはならん!機関始動!艦を作戦海域まで進める、微速前進!」
「了解、機関始動…!艦を作戦海域まで進めます。微速前進…!」

 艦長よりの司令が全乗組員に伝えられ、一気に慌ただしく動き始める艦内。

「作戦開始だ!全員所定の場に着け!」
「〈魔導ジェネレーター〉回せぇ!」
ー『先行する特殊突入部隊所属の者は、至急ブリッジへ集合せよ!繰り返す、先行する………!』ー
「バカヤロウっ!モタモタするんじゃねえ!それはあっちだ!」

 艦内で飛び交う指示の声や怒声混じりの声。だが、乗組員達の表情には、ひとつとして暗いものは無い。どの顔も、目も、いよいよ!との決意に満ち溢れていた。

「各システムのチェック急げ!失敗は許されん、念には念を入れろ!」
「底部《流体操作》紋以上無し。制波範囲拡大 」
「〈魔導ジェネレーター〉出力、順調に上昇中。〈魔導流体制御〉システム作動します 」

 中でも、艦を統率するブリッジは各部署への指示の為、まるで戦場のような喧騒に包まれていた。そんな中、後方の扉から、要所要所をプロテクターで固めた黒尽くめの一団がブリッジへと入って来て、二列横隊で整列すると、右端の者が一歩前に出て敬礼する。

「艦長、特殊突入部隊「」全員集合致しました!」
「うむ。よく集まってくれた。君達には特殊小型艇で秘密裏に敵陣へと先行してもらう。君達に課す任務は二つ。既にブリーフィングで聞いていると思うが、被害者の救出と、拿捕されている商船の戦域からの離脱だ。その際、商船内の上級士官は捕縛、残りは全て排除して構わんが、他の船では極力 」

 そのグラウゼルの言葉に、突入部隊の者達は驚き、困惑した表情になる。そんな隊員達の心境を察した右端の男、部隊長は、意を決してグラウゼルへと質問を返した。

「宜しいでしょうか?」
「うむ、何だね?」
「は!我々はこれまで武装船内への突入、制圧を想定して、何度も、厳しい訓練を行ってきました。必要とあらば、突入した全ての目標を、我々のみで制圧も可能であると自負しております。何故、戦闘を避けるのでしょうか?」

 彼の意見はもっともだ。迅速に事を運ぶことを考えるならば、彼等が事を行った方が、無駄な損害も少なく事を済ませられるであろう。
 何しろ。敵の装備は未だ剣と弓のみ。対して彼等は特殊部隊としてを与えられ、それを十全に扱えるように訓練を受けて来たのだ。たとえ相手の中に凄腕の魔法使いがいたとしても、相手が詠唱をしている瞬間に既に勝負を着けることすら出来る。不安要素など何も無い。

 彼等の中には部隊長を始め、有能で、フーリムンに煙たがられ、ヨゴルスカから追われた者も数多く含まれていた。何より、栄光ある海軍を汚した海賊共に、鉄槌を下せる日を待ち焦がれていた者ばかりである。どの顔も、並々ならぬ想いに溢れていた。

 だが、そんな彼等を頼もしそうに見つめながらも、ニヤリと口角を上げたグラウゼルは、悪戯気に口を開いた。

「諸君らの言はもっともだ。だがな?私は奴等を気は無いのだよ 」

 その表情とは裏腹に、ブワリッとグラウゼルの放つ魔力波動が膨れ上がる。それは、特殊部隊として日々過酷な訓練を受けてきた彼等を以ってしてすらゾクリとする程の迫力であった。

「奴等には、我が王国海軍を汚した報いを受けてもらわねばならん。奴等に弄ばれ、未来を奪われた者達の、痛みを、恐怖を、悔しさの何万分の一かでも味合わせなければ、どうしても気が済まんのだ。分かるな?」

『『『『『はっ‼︎ 』』』』』

「済まないな。だがまだ陛下の作戦は始まったばかりだ。ロードベルクの海から連中を殲滅する為、諸君等の働きに期待している。頼んだぞ。では、出撃せよ!」

「はっ!特殊突入部隊「ナイトメア」、出撃致します!」


「艦長、あと二十分で予定海域に進入します!」
「よし、〈濃霧擬装〉装置、全力稼働、一時機関を停止し、突入部隊の帰還を待って攻撃を開始する。いつでも出せるようの発進準備急げ!」
「了解しました!」



 コードネーム"鳥籠"の正体とは、【カラドリオス】と名付けられた〈強襲型戦略飛竜空母〉の事であった。
 これまで艦船と言えば風力を用いて動力とする帆船しか無かったが、メイガネーノ発案の〈魔導ジェネレーター〉を【国家錬金術師】達が強化、発展させて大型の動力機関とした事で、風の力に頼らず自航出来るようになった、初の動力艦船である。しかも、その方式は外輪やスクリューなどでは無い。
 二十二世紀末になって実用化された、「電磁流体制御」による推進装置の理論をヒロトが【国家錬金術師】達に伝え、それ等を魔法に置き換えて開発された〈魔導流体制御推進装置〉を搭載し、更には艦底部に〈流体操作〉の術式を施して、波の発生を抑え、水の抵抗をも減らすという、地球の艦船に比べても破格の性能を持つに至った船なのである。

 これまでこの世界で大型艦と言われるガレリオン級の中でも、最も最大と言われていたのがフーリムンが乗るロードベルク王国海軍旗艦【バルディッシュ】であるが、その全長は約七十メートル。だが、【カラドリオス】はそれを遥かに超え、全長二二〇メートルという超大型艦である。

 武装は小型の魔導砲と対船機銃のみであるが、その最大の特徴は"飛竜空母"と銘打たれている通り、航空兵器として飛竜達を搭載している事であった。

 以前述べていた通り、飛竜は生物としての本能からか陸地を離れて海上を飛行する事を嫌う。しかし、飛竜の中には、海を生活の場とし、カツオドリのように海へとダイブして、魚を餌として捕えて生きる種類も存在していた。それが海飛竜シーワイバーンと呼ばれる小型の飛竜である。 海へと飛び込む為、その身体を冷やさぬよう全身に羽毛が生えた海飛竜は、魚を捕える食性からか、例外として海の上を飛ぶ事を嫌がらない。それでも巣のある陸地から、あまり遠く離れる事はしたがらないのだが、最近どんどんロードベルク王国の化しつつあるの、「なら、?」という冗談を真に受けて、海飛竜の船にしてしまったのである。

 こうして、冗談のような発想で生まれたイオニディア初の航空母艦【カラドリオス】であるが、その絶大な威力と真価は、この直後に証明される事となる。


「突入部隊が帰還しましたっ!」
「よぉし、上甲板、ハッチ開けぇ!飛竜航空隊、発艦せよっ!」

 ーー ゴォンゴォンゴォンゴォォン……ッ‼︎ ーー

 重々しい響きと共に、【カラドリオス】の上甲板に設けられたハッチが開いて行く。【カラドリオス】の形状は空母、というより角張ったタンカーとでも言うべき形状をしているため、その姿はまるで巨大な"棺桶"の蓋が開いて行くかのようにも見える。

「発進!発進!発進‼︎ 全騎発進せよ!急げ!」

 次々と母艦から空へと飛び立って行く海飛竜達。その数二十騎が暁の空に翼を広げ、まるで睥睨するように、船団を見下ろす航空隊。

 ー『アルファリーダーより各騎へ、攻撃を開始せよ、攻撃を開始せよ!王国海軍の名を汚す海賊共に絶望を見せてやれっ‼︎ 』ー

 ー『『『『『ラジャーーーー‼︎ 』』』』』ー

 隊長騎からの号令一下のもと、翼を翻して一斉に船団へと襲い掛かる飛竜航空隊。
 海飛竜は通常の飛竜に比べて、その大きさは半分以下しかないが、その分小回りが利き、機動力に優れている。中でも魚を捕える時の海に飛び込む動きである急降下は全飛竜種中最速を誇るほどだ。

 急降下中の海飛竜の胴体の下に、魔法による炎の光が灯る。

 ー『発射ファイア発射ファイア発射ファイア!撃て撃て撃てえええっ‼︎ 』ー

 紅い軌跡を引きながら、炎の砲弾が次々と撃ち出される度に、海上封鎖の為に残ったヨゴルスカ艦隊が一艦、また一艦と爆炎に包まれ、海の藻屑となって沈んで行く。

 時折り艦隊側からも魔法や弓で、海飛竜を迎撃するべく反撃が試みられるが、炎と煙に巻かれ、また高速で飛行する飛竜達には何の痛痒にもならず、響くのはただただ爆音と、海賊達の悲鳴と怒号、怨嗟の叫びのみであった。

 そうして現イオニディア文明初の、飛竜による航空兵力が導入された海戦は、開始からわずか三十分程で、ヨゴルスカ艦隊の潰滅という、呆気ない結末を迎えたのである。


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