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第27章 幼い皇女と帝国に立ち込める暗雲
第250話
しおりを挟む「赤、橙、緑に続いて、紫まで揃っちまったか……!」
"赤の一"、"橙の二"と来て"紫の七"なら、ヴェルデのフルネームは「ヴェルデ・クワトロ(緑の四)」で間違い無いだろう。
しかし…、これまでの情報の断片から、俺とアリーシャで"多分そうだろう"という仮説を立てて婆さん達に伝えてはいたが、それがこんなに早くHITするとは思わなかった。
ー『今、同じような事例がなかったか、過去に挙げられてきた報告書をもう一度洗い出しているところさ 』ー
「そうか、よろしく頼むよ婆さん 」
こうなってくると、今まで見過ごしていた情報の中にも、奴らの尻尾を掴む重要な手掛かりがあるかもしれない。でもまあ、そこは取り敢えず婆さんからの報告待ちだな。
ー『ところでヒロト、ただのお家騒動のはずが、問題のアイルーグラウド王家にこうして『 虹 』が絡んでいる可能性が出てきちまった訳だけど…、皇女のお嬢ちゃんの事はどうするつもりなんだい? 』ー
と、謎の組織について考えていたところで、急に婆さんが話題を変えて、そんなことを尋ねてきた。
「どうするもこうするも、取り敢えず今はまだ静観するしかないだろ?暗殺にしろ、『 虹 』との関与にしろ今のところどれもこれも状況証拠ばかりで、確たる証拠がある訳じゃない。何てったって、コトは他国の王族が絡んでいる。ヘタに突けば内政干渉と捉えられかねないぞ?」
ー『そりゃそうだが、皇女様はどうするんだい?確かに『 虹 』の件はまだ、アタシ等の間でしか通じやしないが、そのアイルーグラウドの"橙の姫"とやらは、十中八九『 虹 』と関係があると見て間違い無いんだろう?かなり危ないんじゃないのかい?』ー
やはり婆さんは年端も行かない子供の命が危険に晒されるのが心配のようだ。口は悪いし手が出るのも早いが、基本的に優しいのだ、この婆さんは。
「そこは一応手は打っておいた。アリーシャが連れていたゴーレムなんだが、実はアレ、俺とアイがあっちに居た頃に仕事で使っていた機体でな、陛下に許可を取ってから、【国家錬金術師】達の所へ持って行って、俺達の開発した技術を使ってパワーアップしてもらった 」
まあ、その時の【国家錬金術師】共のテンションの高いこと高いこと。ーー「未知のゴーレム技術だ~~っ⁉︎」ーー と、大騒ぎして全分解する勢いだったので、宥めるのに随分と苦労した。
ちなみに弄ったのは主に動力系と武装。
元々搭載してあったチェーンガンをロードベルク式魔導チェーンガンとして改修、今までは《魔力弾》しか撃てなかったようだが、これにより各種《属性魔力弾》が撃てるようになった。殺傷よりも制圧目的の非殺傷武器であるスタンガンも、新型制御術式を追加して《電撃》の魔法を刻印したアシモフ式魔晶石へと変更したし、護衛対象の防御面の向上の為、強力な《防御結界》を発生する魔晶石と、機体の防御力強化に《装甲強化》の魔晶石も新たに搭載してやった。
そして、忘れちゃならない【通信機】!これでいつでもアリーシャと連絡を取ることが出来るようになるし、アリーシャだけでは手に負えないような事態になったとしても、すぐにノアの《空間転移》で駆け付けることもできる。
だが、さすがにコレはロードベルクの最高機密なので、緊急事態の場合を除き、ココアに有線接続しないと使用不可の設定にさせてもらった。
何だかココアの機体も俺やアリーシャの義体と同じく、知らない内に魔導具化?してはいたようだが、さすがにこれだけの装備をいっぺんに追加するとエネルギーの関係で出力不足になるのは否めないので、更に【ルクスヴィータ】に搭載したのと同型の〈魔導ジェネレーター〉も追加装備させたので、これで出力についてもバッチリだ。
ー『…って、ちょいと待ちなっ!アンタそれウチの最高機密の天こ盛りじゃないかいっ‼︎ 』ー
と、ココアの改修点を婆さんに説明していると、物凄い勢いで婆さんに怒られた。
……うん、実はかなりやっちまった自覚はある。だが、反省はしているが後悔は無いっ‼︎
だってさーー、 内部崩壊か乗っ取りか?『 虹 』の連中が何を企んでいるのかは今の所分からないが、十中八九どころかほぼ間違い無く「アランシォーネ」とやらは奴らの手先、もしくは幹部だろう。そんな所へたったひとり、アリーシャを送り出そうというんだぜ?用心などいくらしてもし過ぎるという事は無い。
アリーシャ…、いや、アリシアは、地球で他者の勝手な都合で、優しい両親と平穏な生活を失った。そればかりか、本来なら憎んでも憎みきれない相手に利用までされていた。そんな彼女に、こちらの世界に来てまで大事な身内を、また失わせる訳にはいかない。
まあ、コレは俺がアリシアに、勝手に俺の身の上を重ねてしまっている、というのも重々承知している。だが、ここは俺のワガママ、推し通させてもらおう。異存は認めない。好きにやらせてもらう。何てったって俺の"自由"は女神からのお墨付きなんだしな!
本当なら俺が一緒に行ってやれればいいのだが、今や俺もロードベルク王国のヒモ付き、さっき言った事情もあって、ジオンのおっさん達に迷惑をかける訳にもいかない。何より…、セイリアとはもう離れる気は無いしな。
まあそれでも、いざともなればそんな理由は全てぶっ飛ばして、助けに行くのは確定事項だが、その"助けに行くまでの時間稼ぎ"の時間が必要なのだ。このココアのやり過ぎとも言える改修も、全てはその為だ。
……とは言っても………、
「まあ、そんなに怒るなよ婆さん、怒るとシワが増えるぜ?」
ー『喧しいねっ!それよりも、どうするつもりなんだい、そのゴーレムはっ?さすがのアタシもひとつ二つならともかく、そこまでやられちゃあ、ちょっとばかり見過ごせやしないよヒロト?』ー
「わ~かってるって。ロードベルクは今や俺のホームでもあるんだ。不利益になるような真似はしないよ。ちゃんと安全措置として、キチンとした命令コードを入力してからでない限り、無理に分解や解析をしようとすると、基礎となるデータ部分だけ残して《自壊》の魔法が発動する仕掛けを施しておいた。それに、ココアのマスター権限は完全にアリーシャに移譲したが、ココアのAIのマスターコードはアイが握ってる。無いとは思うが、アリーシャがもし敵方に回ったとしても対策はバッチリさ。安心してくれ 」
そう、まず有り得ないとは思うが、もしもアリーシャが奴らの手に落ち、洗脳などの手段によって敵に回ったとしても、〈強制停止コード〉などのプログラム関係はアイが完全に把握しているから、簡単に止められるので問題無しだ。そもそも今のココアを力尽くで分解なんて、【巨獣騎兵】でも連れてこない限り無理だと思うけどな?
そのことを婆さんに伝えると、通信機の向こうで「ハァ~~~~~~っ!」と盛大な溜め息を吐いてから、やや疲れた感じの声でまた話し出した。
ー『あのねぇ、ヒロト…、いや、まあいいよ。あんまり年寄りを驚かせないでおくれ。吃驚したじゃないかさ。…ん?そういや、今の話しで思い出したんだが、その聖女のお嬢ちゃんも、アンタと同じように"銃"とか言う武器を開発したんじゃなかったかい?』ー
「そうだな。俺もアリーシャがどんな銃を開発したのか興味があったんで、見せてもらったよ。護衛のビューク君はめちゃくちゃ渋ったけどな 」
ーーーー 帝国が、"聖女"の開発した銃という名の魔道具で、【黒い魔獣】を撃退した"ーーーー
【黒い魔獣】による一連の騒動。通常のものよりも遥かに強力な黒いゴブリンやオークの群れは、各国に相当な被害をもたらしていた。そんな中で各国に聞こえて来たこの噂。当時、ロードベルクの【国家錬金術師】達の間でも、この噂話で持ち切りだった。
特に魔導銃の開発班など『私、興味がありますっ‼︎』並みに食い付きが物凄かったんだよなぁ……。
ー『で、実際ヒロトの目から見てどうだったんだい?』ー
「ん~~?言っちゃ悪いが、お粗末…かな?」
そうなのだ。俺達とはまた別の系統で開発された"帝国の銃"という兵器。いったいどんな出来映えなのかと興味津々で見せてもらったのだが…、簡単に言えば、火薬の役割を〈魔法〉に置き換えただけのモノだった。
俺達が開発した"ロードベルク式魔導銃"は、発動させた魔法弾を圧縮強化した上で、銃身を取り囲むように力場を発生させて、加速、発射を行なうという仕組みで出来ている。つまり、"銃"と名前は付いているが、それは火薬式の銃というよりも"コイルガン"や"レールガン"に近いものなのだ。
また、弾種は基本《圧縮強化》した〈強化岩弾〉であるが、弾倉型に成形された魔晶石に属性を付与することで各種魔法弾の装填が可能な上、セミ、フルオート、チャージと三段階の撃ち分けも可能だし、実質弾切れ無しの優れものである。
対して"帝国式"の"銃"は、正に「銃」だった。装填した鉛の弾丸を、《火属性》の魔法の爆発で撃ち出すというものだったのだ。しかも、『帝国の聖女が開発~』云々は周囲に対する宣伝文句で、実際には"こういった武器がある"と言ったアリーシャのアイデアを、帝国の技師や錬金術師達が形にした、というのが本当のところらしい。
考えてみれば、アリーシャは【自由の灯火】という武装組織のリーダーではあったものの、それは実際の指導者であったマクガインの姿を隠す為のただのお飾り、自分達は正しいと対外的に喧伝するための広告塔をやらされていただけで、元々はただの普通の女の子なのだ。訓練として銃の分解・結合くらいはやったらしいが、そんな普通の女の子が銃を開発出来るほどその構造に詳しいはずが無い。
お陰で"帝国の銃"は弾倉こそ備えて連続射撃は可能なものの、一回の発射毎にコッキングレバーを引いて次弾を装填するという、所謂ボルトアクション方式だった。まあ、構造が複雑で難しいわな、自動装填によるフルオートなんて。
ただし、地球の銃と比べての利点は火薬を使用していない為、薬莢を必要としない事から排莢する仕組みを考えなくていい分、構造的には非常に単純。耐久性は高いだろう。
さて、問題の銃の威力とか性能であるが…、ここまでの説明で『そんなんで黒いゴブリンとか倒せるのか?』と思った人も多いだろうが、威力に関しては実にシンプルな方法で解決していた。
デカいのだ、弾丸が。単純に。
地球基準で38口径なら9mmの弾丸がそれまで世界の標準だった。だが、俺の居た時代ではサイボーグ犯罪の多発したために、一度は廃れていたが人間相手よりもストッピングパワーがある弾丸が必要、として45口径、11.43mmが復活していた。
しかし、"帝国の銃"はそれを上回る50口径、12.7mmに近い弾丸を使用していた。そしてその弾丸を撃ち出す魔法も強力。銃と言うよりは、もはや小型の"砲"とでも言うべきものだった。確かに、銃の性能としてはそれほど高くはないが、横列で交互に斉射すればほぼ面で制圧出来るだろうし、そんなデカい弾丸に曝されれば、あの【黒い魔獣】どもも一溜まりも無かっただろう。
そんなの重過ぎるし、衝撃で銃身や射手が保たないだろう、って?甘い!そこら辺の問題は、この世界特有の《強化魔法》という素敵パワーで万事解決だ。
だが、実際ロードベルク式とは違って実弾が必要となる為、重量と大きさ(形状はまるで三八式歩兵銃のように長かった)がネックな為、今のところは兵士が持って歩く装備というより、拠点などの防衛兵器という扱いのようだ。
ー『なるほど…、それほど取り回しが悪くちゃあ、威力はあってもまだまだ実戦には不向きだね 』ー
「だろ?だから、悪いが"お粗末"ってな 」
勿論、一般人に対しては非常に強力な兵器には違いない。違いないのだが…。
この世界には"魔法"があり、"レベル"がある。そして、一人で戦況を左右する、正に「一騎当千」な人間が存在するのだ。だから、如何に強力な威力があるといえども、ただ真っ直ぐに弾丸を撃ち出すだけの射出兵器では、爺さんや婆さんのような英雄クラスの化物を止めることは出来ないのだ。
良くも悪くも婆さん達にとっての"異世界規準"は俺だ。だから、銃と聞いて必要以上に警戒していたのだろうが、今の話しを聞いて肩の力が抜けたのだろう。どこか安心した声になっていた。
ま、「火薬」を開発されてたらさすがに危険過ぎるので、のんびりと静観することは出来なかっただろうけどな。
「帝国の銃に対する認識は、今はまだ魔法で打ち出す強力な弩の一種ってところだ。これを得たからといって、直ぐに戦争への転用を考えることはないだろうさ。何より現女皇帝陛下も、次期女皇帝候補様も、民の苦しむ戦争には否定的だしな 」
ー『分かった。取り敢えず問題は無さそうだね。で、皇女様はいつお帰りになるんだい?』ー
「明日だ。昨日やっと代わりの護衛達が到着したんでな、今日一日休養を取って、明日帰路に着くそうだから、今日はこれからお別れ会の予定なんだ 」
あの後、日を改めてエリアスちゃんにも事件の事を伝え、今度は皇女様に相応しい数とそうびの一団が到着しているので、帰路についてはよっぽどの事が無い限り安心だろう。ココアも強化したしな。
ベインズティンガス滞在中、暗殺事件の事もあって自由に外出させてやる事は出来なかったが、代わりにケーキやチョコレートなどのお菓子やピザや唐揚げなんかを振舞ってやったら大喜びだった。いや、実はエリアスちゃんよりアリーシャの方が大喜びだったんだが…。
あと、他の二人はカーフと聞いてやや敬遠していたが、アリーシャだけはその懐かしさもあってかカーフオレとショートケーキの組み合わせにダイみたいに涙ぐんでたもんなあ………。
今日は唐揚げやエビフライ、ハンバーグにオムライスなど、帰る前に懐かしい料理の味を存分に味あわせてやるつもりだ。それからアリーシャも高性能の〈魔法袋〉は持ってるそうだから、帰りにはタップリとお土産も持たせてやろうかね。
ー『そうかい。なら帰りの路は安心だね。じゃあ……、そろそろアンタ達も戻って来な 』ー
安心し、優しげだった婆さんの声に、僅かに鋭さが混じったのを、俺は聞き逃さなかった。
「どうした婆さん。何かあったか?」
ー『ああ。とうとうバカ共が動きそうだよ。国が揺れる。だからアンタももう寄り道なんてせずに、ザインとトーレスを連れて、早めに帰って来るんだよ、いいね? 』ー
そうか、いよいよバカ公爵が動くか。じゃあ、とっとと帰らないとな ーーーー 。
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