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第27章 幼い皇女と帝国に立ち込める暗雲

第245話

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 エイングラウド帝国領最東端の街ベインズティンガス。ここは近年になって急激に発展した街である。

 数年前にエイングラウド王太子「ベルファスト・ルガス・エイングラウド」と、ロードベルク王国第一王女「マリーベル・リグ・ロードベルク」の婚姻が成立し、永きに渡る戦争状態が終結した。それにより両国の貿易量が増大し、戦時には攻め込まれた際の時間稼ぎの為の捨て駒だったはずの街は、今ではロードベルク王国への玄関口、流通の重要拠点として現在も拡大中である。

 そんなベインズティンガスの「金の若木亭」のある区画のほぼ反対側、路地裏のさらに奥に、一般の住民はまず立ち入ろうとしない地域がある。
 
 そこには理由は様々ではあろうが、職を求めてベインズディンガスに来てはみたものの、まともに職には就けなかった者や、そもそもまともな職には就く気がない者、脛に傷持つ犯罪者達が隠れ家として多く住む、つまりはスラムや貧民街と呼ばれる場所であり、窃盗、強盗、強姦、殺人。それ等の犯罪が日常的に発生する犯罪多発地帯である。

 だが、ここ最近そんな場所に住む住人達ですら恐れて立ち寄らない建物があった。  

 その建物には数日前より目つきの鋭い男達が、突然、元居た住人達を追い出す形で出入りを始めた。しかし、こうした場所にはこうした場所なりの秩序、ルールがある。
 "無法地帯"、と言いつつも、実は人間が生活する上で本当に"無法"な場所など存在しない。例えとは違おうと、確かに秩序は存在するのだ。そして、得てしてこういった場所の秩序を作るのは、マフィアやヤクザなど裏社会の者達だ。
 
 そんな突如として現れ、自分達が決めたルールを無視して好き勝手に振る舞う傍若無人な達に、この辺りをシマとしている組織が黙っているはずがない。地廻りのヤクザ者達が礼儀を知らない新参者達へ制裁を加えるべくくだんの建物へと向かったのだが、ヤクザ者達は向かった全員があっさりと返り討ちにあってしまったばかりか、その翌日には親分以下組織の者全員がその姿をといった形で組織は消滅してしまったのだ。

 こういった場所でのルールとは、弱肉強食。つまりは"力こそ正義"である。

 以来、住民達はその新参者の男達を恐れ、一切その建物の側はおろか、周辺の通りにすら近寄らなくなってしまった。

「……小頭こがしら様、物見に出していた者が戻りました。やはり皇女は例の宿にそのまま宿泊するようです 」

 そんな建物の最奥に位置する部屋に入って来た男が、恭しく頭を下げてから、部屋の奥でボロボロの机に座り手紙らしき書類を読んでいた男に報告する。
 すると、報告を受けた"小頭"と呼ばれた男の手の中で、読んでいた手紙が燃え上がり、ほぼ一瞬のうちに灰と化した。

「御苦労。予定通りだな 」
は何と…?」
「変わらんさ。『我等が主家の御為、確実に皇女を抹殺せよ』だ。護衛の始末は済んでいるな?」
「はっ!そちらも先程報告の者が戻り、屋外に配置していた者達の排除は全て完了しております。聡明と名高い皇女殿下も奇跡の聖女殿も、我等が先んじて網を張っていたなど夢にも思いますまい 」
「フッ、案ずるまでも無し…か。よし、出立するぞ!我等の存在した痕跡はひとつも残すな!」

『『『『『は…っ‼︎ 』』』』』

 小頭の号令に、部屋の中に控えていた黒装束の一団が、揃って声を上げる。
 彼等はに所属し、諜報などの不正規作戦イリーガルミッションを生業とする組織、所謂「暗部」と呼ばれる者達だ。その中でもこの一団は暗殺、破壊活動などを専門で行う部隊である。

 彼等は仕事、任務に当たる際、一切の痕跡を残さない。人が暫くでも生活すれば、其処には必ず炊事や排泄などの生活臭が必ず残る。だが、彼等は自分達がそこに居たという痕跡を全て綺麗に消していく。先程小頭と呼ばれた男がボロボロの机のままでいたのも同じ理屈で、もしも追跡者が居たとしても一切足跡を辿れないようにしていく技術を身に付けているのだ。
 ならば周辺に住む目撃者達のことはどうなのか?と言えば、そもそも街を警備する兵士達達ですら、この辺り一帯には立ち入ろうとしない。"市民"とは、キチンと税を納めている者のことであり、酷いようだが碌に税を納めてもいない者達の為に、態々身の危険を犯してまで巡回するような兵士などこの世界にはいない。

 「全ての人に慈愛の光を」との謳い文句の【聖女神教会】も、さすがに地域の外縁でしか救済の炊き出しはしない。しかも担当は年配の聖職者ばかりで行っている。まず間違いなく路地裏に引き摺り込まれることが分かっているので、若い女性の聖職者は連れて来れないのだ。

 この辺りの住人達は皆、僅かばかりの金の為に何でもするような者ばかり。だから平気で嘘も吐くので証言を取ろうにも信憑性がまるで無く、まったくアテにならない。斯様な有様である為、暗殺者達も目撃者に対しての対応はまったく考慮していない。

 ーーーと、作戦実行の為に、暗殺者達が部屋から出て行こうとしたその時だった。

 ーーー バッ…ゴオオオオォォォオンッッ‼︎ ーーー

 突然紅蓮の炎と共に部屋の扉が弾け飛び、扉の前に立っていた見張りが焼け焦げた姿で部屋の中へと飛び込んで来た。

『『『『『「…っ‼︎⁉︎ 」』』』』』

 咄嗟に身構えた暗殺者達の前に、ユラリと部屋の中へと入ってきたのはソニアだ。

「何だい何だい、どいつもこいつも真っ黒けな格好の奴等ばかりだねェ?って、アタイの鎧も黒色か!アッハッハッ!けど、アタイの鎧はアンタ等の薄汚れた黒と違って、兄貴から貰った艶っ々のピッカピカさ。どうだい、羨ましいだろう?」

 明らかに只者ではない者達の、尋常ならざる殺気の只中にありながら、まったく脅えも怯む様子さえ見せず、まるで道端で会った知り合いにでも自慢するかのように、飄々とした風体を崩さないソニア。
 
 そんなソニアに対して、小頭が取った行動は簡潔なものだった。 ーーー 「行け」ーーー と一言、短く命令しただけだ。「何者だ?」と、誰何することもない。この建物に無断で踏み込んで来た時点で、敵であることなど決まり切っているからだ。

「あらら、問答無用ってか?いいさ、来な!遊んでやるよっ‼︎ 」



 ーーーー ここで時は数十分ほど遡る。


「姉貴、アイツあの建物に入って行くみたいだぜ?」
「みたいだね。しかし、随分と離れた場所だったね?」
「そうだな、「金の若木亭」から見てほぼ街の反対側だからな。ま、物騒な連中が身を隠すにはピッタリの場所には違いねえな 」

 ヒロトに命じられて宿の外に出た際、外に居たから、"妙な臭い"を感じたのだ。それは薬品や毒物、それから ーーーー 。

 冒険者ならば未だしも、その男の身形は一般的な町民のそれ。本来ならば荒事とはまず縁が無いはずである。それなのに、身体に染み付くほど濃く、そのような臭いをさせているのは明らかにおかしい。間違いなく見た目通りの人物ではないだろう。

 一般人ならば惑わすことが出来るのだろうが、ソニア達は獣人族。嗅覚・聴覚がヒト族に比べて何倍も高い。しかも今は《身体強化》によってさらに高まっている状態だ。いくら手や身体を洗おうと、香水の類いを振りかけようと,ソニア達の鼻を誤魔化すことなど出来はしない。

 男は世間話を装って、宿の従業員や出入りの業者などと談笑した後、何処かへと去って行く。ソニアとゴウナムはアーニャ・マーニャと別れ、男に気付かれぬようにここまで尾行して来たのだ。

「ん?なあ姉貴、建物の周りに居る酔っ払いや焚き火してる奴等って……?」
「……ああ、見張り…だね。知らん顔してるをしながら、周囲を警戒してるね 」

 男が入って行った建物の周りには、焚き火を囲む数人の男達や道端の瓦礫に座り酒を飲み騒いでいる者達、建物と建物の間で隠れるようにして踞るホームレスなど複数の人物がたむろしていたのだが、よくよく注意して見れば全員が全員、時々鋭い目でそれとなく辺りを見回しているのが分かる。
 以来、元々の住人達は皆、この建物を陣取った者達に恐れをなしてこの辺り一帯には一切近寄らない。つまり、外に居る者達は全員、ソニアが言い当てた通り、見張りの為に貧民街の住人に偽装した暗殺者達だ。

「よぉ~し、じゃあゴウナム、勝負だ 」
「負けねぇぜ?じゃ、せぇ~のぉっ!」

「「 じゃんけん、ポンっ‼︎ 」」
 
「っしゃ!アタイの勝ちぃっ! 」
「~~~~っ!」

 貧民街の屋根の上で、突然じゃんけんを始めたソニアとゴウナム。もともと似たようなモノはあっても、イオニディアにはじゃんけんという遊びは無かったのだが、以前野営の際に最後のひとつとなった"唐揚げ"を巡って、ソニア、ゴウナム、マーニャで喧嘩になった事があった。その時それを止める為にヒロトがじゃんけんを教えたのだ。以来、ソニア達が何かを決める為に揉めそうな事態になった時には、必ずじゃんけんで問題解決することにしたのだった。

 そして、何をじゃんけんで決めていたのか?と言えば ーーーー 、

「じゃ、ゴウナム、外の連中を頼むよ。アタイは中に居る奴等と、捕まえて来るから 」
「チッ、仕方ねぇな。んじゃ、行くかぁ……!」

 ーーー 外で見張っている者達を引き付けて片付ける役と、暗殺者達のアジトに突入し、首魁を捉える役を決めていたのだった。

 じゃんけんに負けたゴウナムは、渋々ながら立ち上がり、アジト前の通りに繋がる路地の暗闇へと飛び降りて行く。


「……さぁて、負けちまった以上は仕方ねぇ、派手に行くかね…!」

 路地の暗闇を抜け、通りへと姿を現したゴウナムは一度立ち止まり、ぐるりと通りを見回してから、ニヤリと獰猛な笑みを浮かべると、たむろする男達へと殺気を乗せた魔力波動を叩き付けた。

『『『『『………っ‼︎⁉︎ 』』』』』

 ぶらりと通りに現れた男から放たれた、強烈な魔力波動に弾かれたように、一斉に武器を取り出して身構える男達。

「クク…ッ!分かっちゃいたけど、やっぱりな。ま、晩飯前の腹減らしにゃちょうどいいだろうよ。オラっ、来いやっ‼︎ 」

 "巨大にした匕首あいくちのような黒い大剣"という、珍しい形状をした、ヒロトから贈られた愛剣を背中から抜いて肩に担ぐと、ゴウナムはゆっくり歩き出した。

 不敵な笑みを浮かべながら歩いて来るゴウナムに対して、正体を晒した暗殺者達の対応は素早かった。サッとゴウナムに対して二重の扇状へと展開して取り囲み、前列の男達はマーニャに向かってそうしたように、毒を塗ったダガーを投げると同時にゴウナムに向かって走り出す。

「はンっ、この程度っ!」

 ーーー ガカカカカン…ッ‼︎ ーーー

 肩に担いだ大剣をグルリと回して片手で横一閃に薙ぎ払い、投擲されたダガーを一振りでゴウナムは弾き飛ばす。余裕の笑みを浮かべるゴウナムだったが、実はそれこそが暗殺者達の狙いであった。

 投擲したダガーはあくまで誘い。剣を横に薙ぎ払った事で大きく手を広げた形に体勢の開いたゴウナム目掛け、得物を構えた前列の男達が殺到する。そればかりか、いつの間にか後列に居た者達まで大きく跳躍して宙を舞い、獲物に襲い掛かる猛禽の如く空中からゴウナムへと迫っていたのだ。

 投擲されたダガーに続いて地上、空中からと、上下左右、どこにも逃場の無い暗殺者達の必殺の三段構えの攻撃。

 しかし、そんな窮地にあってもゴウナムの余裕の笑みは少しも崩れない。

「ふん、しゃらくせぇっ!《炸裂岩礫クレイモア》っ‼︎ 」

 ダンッ‼︎ と地面に大剣を突き立てて、素早く《土属性魔法》の呪文をゴウナムが詠唱すると、大剣が突き刺さった場所の地面がボコボコと盛り上がると、次の瞬間、激しく炸裂音と共に大きく爆ぜ割れた。

 ーーー ズバムッ…ッ‼︎‼︎ ーーー

 爆ぜ割れた地面は細かく鋭い礫となって、地面、空中の者まで一切合切、範囲に居た者全てを巻き込んで襲い掛かる。必殺を確信し、既にトップスピードに乗っていた暗殺者達に、もうそれを避ける術は無かった。

『『『『『 ーーーーっ‼︎⁉︎ 』』』』』

 巻き上がる土煙りの中、担ぎ直した大剣でトントンと肩を叩きながら、砂塵の向こうの気配を探っていたゴウナムの眉が、面白くなさそうにピクリと跳ねる。

「…ンだよ、これでお終いか?何処の連中か知らねえが、随分と情けねえもんだな?オイ」

 と、吐き捨てるようにゴウナムが呟いた瞬間 ーーーー!

『『『『『 お、お、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっ‼︎ 』』』』』

 辛うじて致命傷を免れた者達が、"人知れず命を奪う"という暗殺者の矜持も命も何もかもをかなぐり捨てて、何としてもゴウナムの命を絶つべく雄叫びを上げ、血塗れのまま死兵となって砂塵を突き抜けて来たのだ。

「へっ!そうこなくっちゃ…なぁっ!」

 それを見たゴウナムは嬉しそうにニィッと口の端を吊り上げて、待ち受けるのではなく殺到する暗殺者たちに向け、ダンッ!と自ら踏み込んで行く。
 ゴウナムの黒い大剣が立ち込める砂塵すらも斬り裂いた時、そこにはゴウナム以外に立っている者はもう誰ひとりいなかった。

「ふぅ…。姉貴の奴は《炸裂岩礫》のドサクサのうちに飛び込んだか。やり過ぎなきゃいいけどな…?さて、大丈夫だとは思うが、もしか逃げ出すヤツがいねえか張ってるとするかあ………。腹減ったんだけどなぁ…… 」


 暗殺者達のアジトである建物の方を見詰めながら愛剣を一振りして血の汚れを振り払い、やれやれといった表情でゴウナムは呟くのだった ーーーー 。




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