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第26章 邂逅、帝国の聖女

第237話

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「貴様っ!その御方に何をするつもりだっ!その手を離せぇっ‼︎」

 昼下がりの通りに響き渡った怒声。それは若い男の声だった。

 ダダダッ!と石畳みを駆ける音が聞こえ、ひとりの青年が俺を突き飛ばすようにして少女と俺の間に割って入り、庇うようにして少女を背に隠しながら俺を睨み据え、腰の剣に手を掛ける。

「ビューク…⁉︎ 」
「探しましたよエリアス様!私が来たからにはもう大丈夫です、お下がり下さい!」

 あ~~、やっぱりどこかのお嬢様だったか~~。で、察するにこの「ビューク」と呼ばれた青年はこの少女の護衛だろう。

 か事故かは知らないが、護衛対象であるこの少女を見失い、必死になって大慌てで探し回った挙げ句にやっと発見してみれば、見知らぬ不審者(俺)が手を伸ばしている場面。

「ビュ、ビューク、違うの!この人は…!」
「ご安心下さい、エリアス様には指一本触れさせませんっ‼︎ 」

 ………うん、これダメなやつだ。今のやり取りでも分かる通り、本来なら彼より上位であるはずの少女とですら話が通じていない。まあ、前後のやり取りを全く見ずに、いきなり見覚えのない男が護衛対象に手を伸ばしているのを見れば、そりゃあ焦るわな?

 きっと普段の彼は、このエリアスという少女に忠義を尽くす良い護衛なんだろう。そんな護衛の彼が、よりにもよって最も大切なはずの護衛対象を見失ってしまったのだ。俺も公安部隊の隊員だった頃、何度も任務でSPの真似事をしたことがあるからその心情は慮って余りある。
 この青年の場合、自分が叱責される事よりも、自分が目を離している間に少女に何かあったら⁉︎と、そちらの方が気が気ではなかったのではなかろうか?ちなみに俺だったら後から親父に折檻を食らうことの方がドキドキだっただろうが。
 街中を駆けずり回り、焦りまくった焦燥感に、護衛対象を見つけた安堵感。加えて俺に対する警戒心と不埒な者から必ず守ってみせるとの使命感。それらがない混ぜとなって、今や彼の脳内はアドレナリンなどの脳内物質がドパドパな状態だろう。つまりは極度の興奮状態。酔っ払いと同じである。まともに話が通じるわけがない。

 さらに言うなら、彼は俺に対して"恐怖"も感じている。いや、今の段階ではか?

 しかし、このビュークという青年、身形みなりこそ部分部分を金属製のプレートで補強したやや品質の良い革鎧という、少々稼ぎの良い冒険者が着るような極一般的な装備を身に着けて〈ランクD〉あたりの冒険者を装ってはいるが、さっきの割って入った時の身のこなし、抜刀の姿勢への淀みの無い所作や、僅かでも抜刀距離を稼ぐ為に半身になったこの構えといい、恐らく我流ではなくどこかの流派の剣技をきちんと修めた剣士。それもなかなかの手練れのようだ。見た感じうちのゼルド辺りといい勝負かな?
 
 お陰で詳しくは分からなくとも、俺との実力差を肌で感じ取ってしまったが為に、余計に警戒心が煽られてしまっている感じだ。

「………ッと!」

 そんな感じでビューク君を観察していると、やにわに彼の身体の筋肉に力の脈動を感じ、一瞬で前に出て間合いを詰める。

「な…っ⁉︎ 」

「おいおい物騒な奴だな。こんな人気の多い往来で、そんなを振り回すつもりか?」
「く…っ!」

 ビューク君の目が驚きに見開かれる。
 
 何をしたかといえば、簡単なことだ。彼の抜刀する動きよりも速く踏み込んで、剣を抜く際に、剣の柄頭を手で押さえ、動きを封じただけだ。

「兄貴…!」
「大丈夫だソニア。それよりまだ他にも居るかもしれん。俺のことより、おっちゃんや周りに被害出ないように警戒しろ 」
「分かったよ!」

 ビューク君もなかなかの使い手のようだが、言っちゃあ悪いがの腕で俺をどうにかすることなど出来はしない。それが分かっているソニア達は、一瞬だけ俺の状況を確認した後、すぐ様周りを警戒する動きへと切り替えた。

「やめなさいビューク!違うの⁉︎ その人は……! 」
「ダメですエリアス様、お下がり下さいっ!」

 少女が慌ててビューク君を止めようとするが……、ダメだ。ビューク君の無駄に高い忠誠心と使命感が、悪い方向に全力で仕事をしてまったく聞いちゃあいねえ。

「じゃ…っ‼︎」

 おおっ⁉︎ ビューク君の修めている流派は、やはりかなり実戦的な流派らしい。剣を封じられたとみるや柄から放し、掌を返した右手が"熊手"の形になって俺の顔面目掛けて飛んでくる。…なるほど、

 "目潰し"と聞くと普通誰の頭に浮かぶのは、二本の指を立てた所謂ピースサインの形にして、正面から相手の目を"突く"目潰しだろう。確かにそれも目潰しには違いないが、実はハッキリ言って、これ、かなりの上級者向けの方法である。
 戦国時代の雑兵のメインウェポンが「槍」であったことからも分かるように、"突く"という動きは、強力でありながらも〈振りかぶり→振り下ろす〉といった"刀で斬る"動作に比べて遥かに単純で技術も少なくて済む優秀な攻撃方法のひとつだ。(だからといって槍より刀の方が優れている、という訳ではない。前田利家や加藤清正など、槍使いで有名な武将も数多く存在する )

 だが、よく考えて欲しい。ーー"目潰し"ではーー?

 ーーそう、答えは「目」だ。

 バカな質問だと思わないで欲しい。目潰しで狙う場所は当然、目。だが、逆に考えてみてくれ。そう、目潰しで狙う場所など、のだ。

 武術やスポーツに限らずとも、ゲームのようなものでさえ、"対人戦"は相手が何をどうして来るのか?は分からない。まあ、それが面白さではあるのだが、攻撃パターンは人それぞれ。流派によってその傾向はあるだろうが、状況を判断し、技を操るのもまた個々の人間。
 格闘ゲームで例えるなら、同じ動き、同じ必殺技、全て同じ性能を持っているはずのキャラクターであっても、プレイする人間が違えばその動きは全く違ってくる。
 これは、CPUであればプログラム通りの決まったパターンがある為動きを読み易いが、人が相手となった場合、その相手が"今までどんな戦いを経験してきたか"でまったく動きが変わってしまう。

 そう、同じ流派、同じ程度の力量の者同士であっても全くの別モノ。実際の戦いの中でその人間が経験してきた事によってどう判断されるかで千変万化してしまうのだ。

 だからこそ武術に限らず相手の動向を見切り、見定める事と並び、次はどう動いて来るのか?を予測することが重要になってくるのだが、そんな一瞬の攻防の中で指を二本立てて腕を引けば「これから目を狙って目潰ししますよ~!」と、声高々に自ら宣言しているようなものだ。
 狙う軌道、動きまでを全て予測されてまず避けられる。どころか、起死回生を狙ったのに、逆に手痛すぎる反撃を貰ってしまうだろう。

 ならば、もしも起死回生とまでは行かずとも、僅かな隙を得る為や牽制として目潰しを狙いたいならばどうすればいいか?

 答えはビューク君のように、目を"突く"のではなく、
 何といっても攻撃の意図を読まれ難いし、上手くすれば指先が目に入って短時間でも相手の視覚を奪ったり阻害することが出来る。もし意図を読まれてそこまで行かずとも、回避か防御の動きさえ取らせることが出来るなら次の一手への充分な牽制となるだろう。

 面白い…っ!まさかこの異世界に来て、まるで戦国時代の組み打ちの様な返しをされるとは思わなかった。ヤベェ!どこかの戦闘民族じゃないが「オラわくわくして来たぞ!」って感じで楽しくなって来ちまった!

 次はどんな手で来るのか?そう考えながらビューク君の払う目潰しを軽く上体を反らしたスゥェーバックで躱したが、ビューク君の動きは止まらない。

「チッ!…いぁッ‼︎ 」

 と、右手を振るった身体の捻りを反動に、後ろに引いていた左脚が回し蹴りとなって襲い掛かって来た。しかも基本通り意識を分散させて避け辛くなるよう脇腹狙いだ。

「ぃよ…っと!」

 しなるようにして襲い掛かってきた左回し蹴りを一歩下がり回避するが、ビューク君は一瞬の停滞も無く更に身を捻って回転を加速させ、俺の側頭目掛けて後ろ回し蹴りが連続して襲い掛かってくる。うん、なかなかいい動きだ。だが、この程度ではまだ食らってやらん。
 グンッ、と伸びてくる蹴りを大きくバックステップで更に下がって躱す中で、ビューク君の右手が腰に伸びるのが背中越しに見えた。間合いが空いた事で、いよいよ剣を抜くか?と思ったのだが、彼の右手に握られていたものは………、スローイングナイフ⁉︎

 おいおい、"敵認定"早過ぎだろうっ⁉︎ そんな物がまともに当たれば怪我じゃ済まないぞっ⁉︎ 俺が何の関係も無い一般人だったら?と、間違っていた時の場合の事とか考えないのか⁉︎

 ……いや、…?

 ビューク君は、俺が"もしも"一般人だった場合に間違って負傷、殺傷してしまった時に発生する自分に対する責よりも、に少女に降りかかるかもしれない脅威リスクを排除する"もしも"を選んだんだ。

 俺も嘗て経験した事があるから分かるが、護衛というのは本当に大変な仕事だ。何しろ
 攻撃する側であれば標的ターゲットは決まっている為苦労は少ないが、護衛は"誰が味方で誰が敵なのか?"の判断を常に迫られる事になる。この線引きが本当に難しく、どんなに優秀なSPであっても頭を悩まされる非常に厄介な問題なのだ。

 この覚悟と判断。ビューク君は優秀なだけでなく、エリアスという少女か、彼女の家に対して己が身を厭わぬ程の高い忠誠を誓っているようだ。
 俺はここまで計三度、彼の攻撃を躱した。だが、それでビューク君は余計に覚悟を固めてしまったのだろう。自分よりも強いとしても必ず俺を倒す。実力差が想定以上で敵わないとしても、自身の身を犠牲にしてでも俺を留めて少女をする時間を稼ぐ、と。

 スローイングナイフが二本、回転によって更に加算された勢いのまま、ビューク君の手から俺に向かって投げ放たれるが、その二本ともを右手の指に挟んであっさりと掴み取る。

「く…っ⁉︎ やはりこれでもダメか!」

 悔しそうにしながらも、半分は予想していたらしいビューク君の様子を見ていると、頭の中でアイの〈警告アラート〉が鳴り響いた。

『〈警告アラート〉!マスター、七時の方向、〈敵性魔力反応〉です!』
『ああ、ありがとうアイ。 』 

 アイの〈警告〉に頭の中だけで応え、今今掴み取ったばかりのビューク君のスローイングナイフをアイが報告した方向に向けて軽く放ってやる。

「《麻痺矢スタン アロー》! ……えっ⁉︎ 」

 ーーー バヂィィィィィンッ‼︎ ーーー

 直後に短い詠唱によって放たれた《雷属性》の魔法が、ように放り投げたナイフに当たって眩い紫電のスパークの火花を散らして地面へ落下した。

「アリーシャ様っ‼︎ 」
「ビューク、エリアス様を連れて下がりなさい。この男の相手は私がします!」
「しかし…っ!」
「口答えは許しません!早くっ‼︎ 」
「く…っ⁉︎ 」

 やっぱり仲間が居たか…。今のところおっちゃんや周りに被害は及んでいないが、ソニア達に周辺警戒をさせておいて正解だったな。

 白いローブのフードを目深に被りその表情は伺えないが、新しく現れたのは女のようだ。しかも、ビューク君に有無を言わせず命令を出したところを見ると、彼より上位の人間に間違いないだろう。

 しかし………、ビューク君がどこまでやるのか見てみたい、と、ちょっとした悪戯心を出してしまった所為で完全に敵認定されてしまったようだ。
 しまったなぁ…、後でおっちゃん達に謝らなきゃなぁ……。

 ん~~っと自分で状況をややこしくしてしまった事を反省しながら、ポリポリと頭を掻いて取り敢えずは解決策を模索する。

「え~~と…、ここまでモメてから言うのも何だが、こちらに戦う意思は無い。周りに迷惑だしそろそろやめないか?お宅らの大事なお嬢さんに、勝手に食べ物を食べさせようとしたのは謝るよ。悪かった 」

 地球式にはなるが両手を上に上げて、ビューク君にも新しく現れたアリーシャ?という女性に戦う意思が無い事を示してみるが…?

「悪いわね、まだ使ってはいないけれど、アナタが魔法を使えた場合、両手を上げられた程度では『戦う意思は無い』と言われても信用できないわ。それに、そこのビュークの攻撃を苦も無くあしらったばかりか、アナタは死角から狙ったはずの私の《麻痺矢》までも難なく防いでみせた。そんなアナタに何の保証も無く警戒を解くなんて無理な話しよ 」

 うっ、ご意見ごもっとも。俺でもそれは無理な話だ。

「まあ、そりゃなあ…。じゃあ、どうしたら信用してもらえるのかな?」
「簡単よ。。【ココア】‼︎ 」

 ーーー ブウゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!ーーー

 アリーシャという女性の鋭い声が通りに響くと、低く唸るような音と共に、建物の屋根からが飛び降りて来た。

「何っ⁉︎ゴーレム………か?」

『違いますマスター!この!これは……、この子は〈ASDアーマード・サポートドロイド〉ですっ⁉︎ 』
『はぁ……っ⁉︎ 』

 突如として目の前に現れた"モノ"。それは馴染み深い"地球"の〈ASDアーマード・サポートドロイド〉だった ーーーー 。



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 いつもお読み下さりありがとうございます!

 もうお判りですよね?(笑)
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