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第23章 クレイジージャーニー in 【獣王闘国】

第196話

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 さて、【獣王闘国】の王都アニマポリスに着いてから三日が経った。何かと寄り道は多かったが、いよいよ今日"獣王陛下"とやらに謁見だ。

 とは言っても一国のトップ、本来ならこんな風に到着してすぐに謁見など出来ないはずだが、そこはそれ。やはり冒険者ギルド最高ギルド長にして英雄という肩書き、そして何より獣王陛下や王国戦士団長の師匠だったという婆さんの勇名が効いているんだろう。

 しかし、婆さんの話では、手紙を読んで納得するならそれで良し。もし駄々を捏ねるようなら、言うことを聞かせろ。と言っていたが………。

 この世界イオニディアに来てから、爺さん然り、婆さん然り、陛下おっさん然り、立場が上だったり身分が高い人間に限って厄介な奴が多かった。
 今までのパターンから言って、絶対素直に話を聞くはずないと思うのは俺だけじゃないよな?

 ま、まあ、それでもというのはどこにでもある。もしかしたら"獣王陛下"とやらは話が通じる人かもしれないし、自分からような危険なマネはやめておこう……!

 謁見の時間は午後から。時間になれば迎えの人が宿まで呼びに来てくれるということなので、午前中は、朝市に行ったり、宿の近くを散策したりしてのんびりと過ごさせてもらった。

 なぜ早起きしていたのかといえば、昨日ちょうど休日などの予定が合っていたので、セイリアを呼んであげることが出来、今朝早く帰ったので見送っていたからだ。


 この世界のとして、貴族や商人、それから冒険者でもない一般の人は、特に必要が無い限り都市から都市への移動などというものは殆んどしない。

 "殆んど"というのは、出稼ぎやどうしても他の都市へ行かねばならない用事などがある場合があるので、"まったく無い"という訳ではないからだが、高く堅牢な防御壁に囲まれた街の様子を見れば分かると思うが、一歩街の外に出れば、通常の獣ですら地球の物に比べても強く獰猛であるのに加え、魔獣や野盗の類いなどがウヨウヨ居るのだから、普通はそんな危険な場所に自ら進んで行くような者など居はしない。
 先程言った"どうしても"の場合でも、冒険者に護衛された商隊キャラバンや駅馬車に、安くはない金を払って同乗するしか手段は無く、それすらも自己責任だ。そんな状況であるから、だいたいの人は生まれた街や村から出ることも無く、その一生を終えていくというのがこちらの世界の"常識"だ。

 その為、所謂"観光産業"などというものはまったく発展しておらず、よほど自分の腕前に自信があるか、さもなければ自前で護衛戦力を用意出来るような貴族や大商人、はたまたよっぽどのでもない限り、他都市や他国への『旅』などというものはしないのだ。

 もう何百年と生き、若い頃は冒険者をやっていた爺さん達とは違い、千年もの寿命を持つとはいってもセイリアはまだ外見通りの十八歳。学院に通う為に「秀真の國」から王都へと移動する旅は経験しているが、他国まで来たのは初めてのこと。
 ずっと呼ばれるのを楽しみにしていたらしく、何日か振りの再会に加えて、雄大な自然と大きな湖に囲まれたアニマポリスの美しい街並みに感動したセイリアのテンションは上がる一方で、いつもの学院生徒達の前で見せる凜とした表情ではなく、歳相応の女の子らしくはしゃいでいた。
 ソニアも「セイリアの姐さんを早く呼んであげたい」と言ってくれていたので、再会をとても喜んでいた。
 
 ダイやゴウナム達も気を使ってくれて、俺とセイリア、ソニア(+ノア)の三人だけで、食事やショッピング、湖沿いの綺麗な場所を散歩したりと、ゆっくりWデート?を楽しむことが出来、今回はグズることもなくノアと一緒に満足そうに笑顔で帰って行った。
 
 少し眠そうだったので、どうしたのかとソニア達に聞いたら、昨夜は女子部屋でパジャマパーティーをやって、かなり盛り上がっていたようだ。

 なるほど。セイリア的に相当楽しかったんだろう。それでグズることもなく笑顔で帰って行ったんだな。今日の授業中に居眠りしないかがちと心配だが、まあ、寂しい思いをさせてる分、楽しめたのなら良かった、良かった。

 …よく考えたら〈空間転移〉で来ているからなんだけどな。HAHAHA!気にしない気にしない……っ‼︎

 
 さて、そんなこんなでそろそろ使者の人が呼びに来る頃だと思うんだが?

『マスター、マーカーの無い反応がこの部屋に接近中ですが、敵性反応ではないようです 』
『ああ、ありがとうアイ。どうやら迎えが来たようだな 』

 ーー コンコンッ!ーー

 アイとそんな会話をしているうちに、ドアをノックする音が部屋に響く。アイの報告通り、敵対するような気配は無し。
 一応何があってもいいように全員が身構えたところで、ガチャリとゴウナムが扉を開ける。と、そこに立っていたのはやや癖のある白髪と、その左右に巻き角を生やした初老の男性だった。

「ヒロト・クーガ様、並びにお連れの皆様。初めまして、わたくし王宮の遣いで参りました、のウールと申します。本日は皆様方を王宮へと御案内させて頂く大役を任じられました。よろしくお願い致します 」

 そう言って胸に手を当てて、恭しく頭を下げるウールさん。

「初めましてウールさん。今日はよろしくお願いします 」
「ご丁寧にありがとうございます。ですがヒロト様は獣王陛下のお客様、わたくしのことはウール、とお呼び下さい。それでは早速ですが、下に馬車をご用意させて頂きましたので、皆様方の準備がお済みでしたら御移動をお願いできますでしょうか?」
「ああ、それなら問題ないよ。行こうか 」
「ありがとうございます。それでは皆様、よろしくお願い致します 」

『執事のヒツジ……。ぷすーーっ!』

 ああ……、言っちゃったぁ……。せっかく我慢してたのに…!

 何やらツボにハマったようで、頭の中でひとりクスクス笑っているアイを視覚モニターの端に見ながら、俺達は王城に向けて出発したのだった。

 案内された馬車は華美な造りではないが、質が良く、上品な馬車だった。しかも、よく見れば馬車の外壁部分は二重になっていて、間に鉄板が仕込んである防弾?仕様になっている。
 この考え方は地球のVIPが乗るリムジンなんかに通じているな。ロゼルダやグランベルクでもたまに見た馬車は、キンキラキンでとにかく金がかかってますと言わんばかりの成金趣味丸出しのものがあったが、俺に言わせれば金の使い所が間違っている。

 身分ある人間が乗るのであれば、本来ならこうした防御面にこそ金をかけるべき、だと思うんだがなぁ……。

 まあいいけどさ。しかし、表面的な華美さよりも、こうした実効性を取る王様ね?面倒だと思っていたが、何だか少し会うのが楽しみになってきたぞ。



「我が師の名代御苦労であった。私が今代の獣王「レオニール・アニマリオン」だ。遠路はるばるよくぞ参った、歓迎しよう。おもてを上げてくれヒロト・クーガ殿 」

 にこやかに、だが滲み出るような静かな迫力を湛えて、玉座に座る獣王陛下が、跪き、頭を垂れた俺達に挨拶の声をかけてくる。
 巌の如き存在感に、服の上からでも分かるほど、今なお衰えを知らぬであろう鋼のような筋肉に包まれ、金のたてがみをなびかせた巨漢の獅子人族の男性。それが初めて会った【獣王闘国】国王の風貌だった。

 あの後、馬車から船へと乗り換え、湖の沖の小島に佇む"獣王城"へと辿り着いた俺達は、そのまま獣王が待つという謁見の間へと通された。

 獣王城の造りはあの馬車と同じく"質実剛健"。この国の象徴であるだけに、最低限の装飾は為されているものの、やはり華美さよりも機能性を重視した外観通りの砦、いや、この規模であれば既に要塞と言っていいレベルだろう。

 それもそのはず、ヤヒッティさんに聞いた話しでは、もしも外敵からの侵略がこの王都アニマポリスまで及んだ際には、街の人々を全て収容して、文字通り"最後の砦"となるべく設計されているらしい。

 通常の陸城ならば、そんな篭城をした場合には四方を囲まれて兵糧攻めをされたらひとたまりも無い。

 だが、此処は湖上に浮かぶ水城。例え四方を船で囲まれたとしても、配下に水棲の獣人族がいる為食料の調達にはまったく問題が無い。それどころか、ここはいくら広大であろうと山の中にある湖であり、そもそも城攻めをする為の船を用意することが出来ないだろう。
 この獣王城は、美しいだけではなく、まさに難攻不落の要塞城なのである。

 そこの主人あるじである獣王陛下であるが……。

 をぉ……っ!笑顔には違いないが、見事に⁉︎ 

 笑っているのに笑ってない、しかし、俺達を見ておられますよ。コレはアレだな、思いっきりをされてるな?

「は!お初にお目にかかります。この度は獣王陛下におかれましては、お忙しい中わざわざ時間をお取り頂きありがとうございます。わたくしめは只今陛下御自らご紹介頂きましたヒロト・クーガ。僭越ながらロードベルク王国を活動の場とする【炎禍の魔女】様直属の冒険者で御座います。背後に控えるは我が配下の冒険者パーティ【蒼い疾風ブルーソニック】、並びに【黒き武神】様に師事し、武者修行も兼ねて私共に同道した冒険者パーティ【閃光の一撃ライトニング ショット】に御座います 」

 うん、相変わらずこうした時代掛かった言い回しは慣れないな。これで当ってるのかサッパリ判らん…⁉︎

 だが、心配は無用だったようだ。獣王陛下はほんの一瞬、僅かに目を見張りはしたが、今度こそ面白そうにニンマリとした笑みを浮かべている。

「ほう…!【黒き武神】様とは、我が師である【炎禍の魔女】様と並び、これは懐かしい名を聞いたものよ…!しかも我が【獣王闘国】に"武者修行"とは…⁉︎ 我が師もその夫であられる御方も壮健であられるようだ 」
「相変わらず……、いえ、そうですね、ほどお元気ですよ 」
「ぅわっはっはっはっ…‼︎ 成る程、"壮健過ぎる"か!うむうむ、かの御仁達が相手ではな、クーガ殿も相当に苦労されているようだ。その気持ちはよく分かるぞ!そうだな…?ヴェモットよ、この後は私的な事柄も雑ざるだろう。場を変えたいと思うが、良いか?」
「はい。問題無いと思います。ではヒロト様、配下の方々はいったん応接室へと移動して頂き、その後改めて、というのは如何でしょうか?」

 レオニール陛下の脇に控えていたヴェモットと呼ばれた男性が、恭しく頭を下げながらそう答える。宰相さんとかかな?

「うむ、良いかな、クーガ殿?」
「私には何も否やは御座いません。全て陛下の御心のままに 」
「よし。ではウール、お客人方を応接室まで案内せよ 」
「承りました。それでは皆様、こちらへ 」
「それでは陛下、また後ほど。失礼致します 」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「さて、ヴェモット、ティゲイル。お前達はクーガ殿をどう見た?」

 ヒロト達が退出した玉座の間で、ブルリと身震いをひとつしてから腹心の部下へと尋ねかける獣王レオニール。

 その問いに答えたのは長年の親友でもあり、共に【炎禍の魔女】の元でシゴき…、いや、切磋琢磨した間柄でもある黒虎獣人の戦士団長ティゲイルだった。

「"どう見る"も何も、彼の御仁を表す言葉など、しかございませんでしょう王よ。即ち"化け物"と 」
「違いございませんな。それがしも膝が勝手に震えだすのを抑えるのが精一杯でございました… 」

 それに追随するように答えたのは、ヒロトが予想した通り宰相の地位にある、頭頂から捩くれた角が伸びる山羊人族のヴェモットである。

 だが、答えた両者の表情は面白いくらいに対照的だ。なぜなら、ヴェモットは言葉通り蒼褪めて疲れの滲む表情で。対してヒロトを指して"化け物"とまで呼んだはずのティゲイルは非常にな、獰猛な笑みだ。

 そして、その言葉を聞く獣王レオニールの表情は、ティゲイルとよく似た獰猛さの滲む楽しそうな顔で、その乱杭歯の如き太い牙を覗かせてニヤリと笑う。

「そうだな、も二人と同意見だよ。しっかりと魔力波動も抑え、殆んど強者としての気配は絶ってはいたが………。まったく、師匠もトンデモない男を送り込んできたもんだ。師匠からの手紙には、『納得出来なきゃヒロトと勝負しな。【獣王闘国】の仕来たりに従って、お前達が勝てばこれ以上の口出しはしない。だが、ヒロトが勝ったならばアタシの言う事を聞いて、今暫くはおとなしくしておけ 』と、あるが……?どうするティゲイル?」

 セイレンからの手紙をヒラヒラと振りながら、ニヤリと口の端を持ち上げて、楽しそうにティゲイルの方を見るレオニール。

「ク、ククク……!王よ、人が悪いですぞ?そんな事はいるでしょう?」
「相手は"化け物"だぞ?師匠の手紙には、あの男が"ほぼ単身で【黒殻龍蟲ブラックドラゴビートル】を倒した"とある。あの師匠が我等にハッタリを言うはずも無し、最悪我等が二人揃って命を落とすかもしれんぞ?」
「……っ⁉︎何と!それ程の化け物でしたかっ!クハハハッ!ならば尚の事、それ程のツワモノを前にして、闘わずして首を縦に振れましょうや?」

 同じく唇の端を持ち上げて鋭い牙を見せながら、太い笑みを浮かべるティゲイル。そんなティゲイルの顔を見返して、少しだけレオニールは苦笑を浮かべて見せた。

「まったく……!〈闘技祭〉で優勝してからだいぶ経つというのに、俺もお前もお互い度し難い鹿なのは変わらんな………。と、言う訳だヴェモット。いつでも城内の修練場を使えるようにしておいてくれ 」

「お止めしても無駄なのでしょう?御意に御座います 」
「スマンな、頼んだぞヴェモット。…さて、あまりお客人を待たせても拙いだろう。まずは応接室へ急ぐとしよう。行くぞティゲイル 」
「は!お供致します 」

 恭しく頭を下げる宰相ひとりをその場に残し、久々に感じる強者との闘いへの高揚感を感じながら、最強の獅子と黒虎は玉座の間を後にするのだった ーーーー 。










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