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ブサイクなあなたに醜女と言われて婚約破棄された私ですが無事幸せになれそうです あなたの隣にいる女性の顔って……
第一話 醜女(しこめ)と言われて
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「クラリエット、私はお前との婚約を破棄する。もう決めたことなんだ」
卒業パーティという記念すべき旅立ちの日にジェロームから言われた突然の宣言にクラリエットは驚いた。
「え……。ジェローム様、理由をお聞かせください。わたくしが何かしてしまったのでしょうか?」
「何かしたかって? そもそも幼いころに親同士が決めた婚約。破棄したところで問題ないだろう?」
(家と家の関係なんだからむしろ問題あるでしょうに。この人は何を言っているのでしょう……)
「わたくしとの婚約を破棄したいというお気持ちは理解いたしました。ですがジェローム様、理由をお聞かせください。わたくしが何かしてしまったのでしょうか? 理由を聞かせていただくまではわたくし納得が出来ません」
ジェロームは少し間を置いて理由を話した。
「私の口からこんなところで言わせるつもりか……仕方がない話してやろう。お前が『言え』と私に言ったのだぞ?」
(こんなところってあなたが最初に言い出したんでしょう! もうみんなわたしたちに注目しちゃってるし)
「クラリエット、お前は鏡を見たことがあるのか?」
(は? 突然何?)
「もちろんございます」
「ではわかるだろう。お前のような醜女(しこめ)と結婚など考えただけでもおぞましい。残念ながらそれが理由だ」
(は……? 醜女? わたしこれでも文句のつけようのないくらいの美人で通っているんですけど。学園でずっと他の男子に言い寄られてるんですけど。隣国の貴族にも言い寄られてるんですけど。勉強も出来て魔力も高くて最高の女性なんですけど!! しかもなんでお前みたいなブサイクに言われないといけないんだよ!!)
「醜女……ですか? 醜いとおっしゃっているということですよね? 失礼ながら自分自身その認識がなかったもので、わたくし困惑しております」
「そうだろう。自分では気づかないものだ。残念ながらそういうことだ。実は最高の女性に出会ってしまったのだ。最高の女性を知ってしまったのにお前のような女と結婚は出来ない……ということはお前にもわかるだろう?」
(この人は何を……もう駄目だ。頭が痛い。早くこの場から去りたい)
「わかりました。わたくしの両親にはジェローム様よりお伝えください。わたくし本日は失礼させていただきます」
そうしてクラリエットは婚約を破棄された。クラリエットにとって最悪の卒業パーティとなってしまった。
卒業パーティという記念すべき旅立ちの日にジェロームから言われた突然の宣言にクラリエットは驚いた。
「え……。ジェローム様、理由をお聞かせください。わたくしが何かしてしまったのでしょうか?」
「何かしたかって? そもそも幼いころに親同士が決めた婚約。破棄したところで問題ないだろう?」
(家と家の関係なんだからむしろ問題あるでしょうに。この人は何を言っているのでしょう……)
「わたくしとの婚約を破棄したいというお気持ちは理解いたしました。ですがジェローム様、理由をお聞かせください。わたくしが何かしてしまったのでしょうか? 理由を聞かせていただくまではわたくし納得が出来ません」
ジェロームは少し間を置いて理由を話した。
「私の口からこんなところで言わせるつもりか……仕方がない話してやろう。お前が『言え』と私に言ったのだぞ?」
(こんなところってあなたが最初に言い出したんでしょう! もうみんなわたしたちに注目しちゃってるし)
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(は? 突然何?)
「もちろんございます」
「ではわかるだろう。お前のような醜女(しこめ)と結婚など考えただけでもおぞましい。残念ながらそれが理由だ」
(は……? 醜女? わたしこれでも文句のつけようのないくらいの美人で通っているんですけど。学園でずっと他の男子に言い寄られてるんですけど。隣国の貴族にも言い寄られてるんですけど。勉強も出来て魔力も高くて最高の女性なんですけど!! しかもなんでお前みたいなブサイクに言われないといけないんだよ!!)
「醜女……ですか? 醜いとおっしゃっているということですよね? 失礼ながら自分自身その認識がなかったもので、わたくし困惑しております」
「そうだろう。自分では気づかないものだ。残念ながらそういうことだ。実は最高の女性に出会ってしまったのだ。最高の女性を知ってしまったのにお前のような女と結婚は出来ない……ということはお前にもわかるだろう?」
(この人は何を……もう駄目だ。頭が痛い。早くこの場から去りたい)
「わかりました。わたくしの両親にはジェローム様よりお伝えください。わたくし本日は失礼させていただきます」
そうしてクラリエットは婚約を破棄された。クラリエットにとって最悪の卒業パーティとなってしまった。
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