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第4章 王都へ
第65話 船旅
しおりを挟む北街に無事に移動した私達は、そのまま、陸路で王都に向かうのかと思ったら、船に乗り込んだ。
何でも、冒険者ギルドが所有する船で、昨日、予約しておいたらしい。
「ムサシにしては珍しいじゃ無いの?てっきり、陸路で迎え撃つのかと思った。」
【アイツらは、今頃、陸路を必死に追いかけて居るだろう。船なら、南街から乗るだろうからな。】
ムサシがやけに饒舌なのを怪しい。
私は、じっとムサシを睨みつける。
ムサシは、観念したのか。昨日、女だけの暗殺者集団に襲われて、彼女達を逃がした事を白状した。
「へー。何時からそんなに女性に寛容になったの?美人だった?」
ムサシは、そそくさと甲板に逃げていった。
色々な所を旅してきたが、船旅は初めてだった。
サキとヤタは、帆柱のてっぺんに登りはしゃいでいる。
船は、風を受けて順調に進んでいる。
真っ暗だった空が徐々に明るくなっていく。
そして、空が朝焼けで赤く染まって行く。
私は、初めてムサシに出会ってからの事を考えていた。
私達は、何故巡りあったのか?
私達が戦う敵とは、いったい誰なのか?
まだ、全ては、謎のままだ。
そして、全てが終わった時、ムサシとサキは、元の世界に帰ってしまうのだろうか?
不意に、ムサシ達が居ない世界がとてもつまらない物に思えてきた。
その時は、私も一緒に付いて行こうかな?
そんな事を考えながら、思わず微笑んでいる事に、自分では気が付かないのだった。
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